夏目漱石「こころ」3-32

夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4:絹(いと)
5:商人(あきんど)
6:派出に(はでに)
8:皆な(みんな)
12:蝨(しらみ)
15:泥溝(どぶ)
20:余所行(よそゆき)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回も少し長めです。
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | teea | 6715 | S+ | 7.1 | 94.6% | 237.2 | 1689 | 96 | 34 | 2025/04/01 |
関連タイピング
-
Mrs.GREEN APPLEの青と夏です!
プレイ回数7.9万歌詞1030打 -
「映画ドラえもんのび太の地球交響曲」
プレイ回数1406歌詞754打 -
Mrs.グリンアップルのライラックのサビ曲タイピングです
プレイ回数8206歌詞かな173打 -
タイピング練習に関する長文です
プレイ回数9.2万長文1159打 -
タイピングの文が長い
プレイ回数92長文90秒 -
10秒以内に打てたら指が神ってる!(?)
プレイ回数6684154打 -
ミュータントゾンビ討伐!
プレイ回数545860秒 -
超長文です。
プレイ回数1.4万長文1715打
問題文
(じゅうなな)
十七
(「わたくしがしょもつばかりかうのをみて、おくさんはすこしきものをこしらえろといいました。)
「私が書物ばかり買うのを見て、奥さんは少し着物を拵えろと云いました。
(わたくしはじっさいいなかでおったもめんものしかもっていなかったのです。)
私は実際田舎で織った木綿ものしか有っていなかったのです。
(そのころのがくせいはいとのいったきものをはだにつけていませんでした。)
その頃の学生は絹の入った着物を肌に着けていませんでした。
(わたくしのともだちによこはまのあきんどかなにかで、)
私の友達に横浜の商人か何かで、
(うちはなかなかはでにくらしているものがありましたが、)
宅は中々派出に暮らしているものがありましたが、
(そこへあるときはぶたえのどうぎがはいたつでとどいたことがあります。)
其所へある時羽二重の胴着が配達で届いた事があります。
(するとみんながそれをみてわらいました。)
すると皆ながそれを見て笑いました。
(そのおとこははずかしがっていろいろべんかいしましたが、)
その男は耻かしがって色々弁解しましたが、
(せっかくのどうぎをこうりのそこへほうりこんでりようしないのです。)
折角の胴着を行李の底へ放り込んで利用しないのです。
(それをまたおおぜいがよってたかって、わざときせました。)
それを又大勢が寄ってたかって、わざと着せました。
(するとうんわるくそのどうぎにしらみがたかりました。)
すると運悪くその胴着に蝨がたかりました。
(ともだちはちょうどさいわいとでもおもったのでしょう。)
友達は丁度幸いとでも思ったのでしょう。
(ひょうばんのどうぎをぐるぐるとまるめて、)
評判の胴着をぐるぐると丸めて、
(さんぽにでたついでに、ねづのおおきなどぶのなかへすててしまいました。)
散歩に出た序に、根津の大きな泥溝の中へ棄ててしまいました。
(そのときいっしょにあるいていたわたくしは、)
その時一所に歩いていた私は、
(はしのうえにたってわらいながらともだちのしょさをながめていましたが、)
橋の上に立って笑いながら友達の所作を眺めていましたが、
(わたくしのむねのどこにももったいないというきはすこしもおこりませんでした。)
私の胸の何処にも勿体ないという気は少しも起りませんでした。
(そのころからみるとわたくしもだいぶおとなになっていました。)
その頃から見ると私も大分大人になっていました。
(けれどもまだじぶんでよそゆきのきものをこしらえるというほどのぶんべつはでなかったのです。)
けれども未だ自分で余所行の着物を拵えるという程の分別は出なかったのです。
(わたくしはそつぎょうしてひげをはやすじだいがこなければ、)
私は卒業して髯を生やす時代が来なければ、
(ふくそうのしんぱいなどはするにおよばないものだというへんなかんがえをもっていたのです。)
服装の心配などはするに及ばないものだという変な考を有っていたのです。
(それでおくさんにしょもつはいるがきものはいらないといいました。)
それで奥さんに書物は要るが着物は要らないと云いました。
(おくさんはわたくしのかうしょもつのぶんりょうをしっていました。)
奥さんは私の買う書物の分量を知っていました。
(かったほんをみんなよむのかときくのです。)
買った本をみんな読むのかと聞くのです。
(わたくしのかうもののうちにはじびきもありますが、)
私の買うものの中には字引もありますが、
(とうぜんめをとおすべきはずでありながら、)
当然目を通すべき筈でありながら、
(ぺーじさえきってないのもたしょうあったのですから、)
頁さえ切ってないのも多少あったのですから、
(わたくしはへんじにきゅうしました。)
私は返事に窮しました。
(わたくしはどうせいらないものをかうなら、)
私はどうせ要らないものを買うなら、
(しょもつでもいふくでもおなじだということにきがつきました。)
書物でも衣服でも同じだという事に気が付きました。
(そのうえわたくしはいろいろせわになるというこうじつのもとに、)
その上私は色々世話になるという口実の下に、
(おじょうさんのきにいるようなおびかたんものをかってやりたかったのです。)
御嬢さんの気に入るような帯か反物を買って遣りたかったのです。
(それでばんじをおくさんにいらいしました。)
それで万事を奥さんに依頼しました。