《白い傘と白い服》2
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問題文
(とりはだがたった。やばっておもったときにはもうもときたみちをはしってた。)
鳥肌が立った。やばって思った時にはもう元来た道を走ってた。
(みられないようにぜんりょくではしってひとつまえのろじをまがった。)
見られないように全力で走って一つ前の路地を曲がった。
(なのにまがったろじのおくのみちからしろいかさをさしたひとがあるいてきた。)
なのに曲がった路地の奥の道から白い傘を差した人が歩いてきた。
(みちのまんなかまででてきて、そのままのたいせいのままふしぜんなかんじで)
道の真ん中まで出てきて、そのままの体勢のまま不自然な感じで
(ぐるんっとこちらにむきなおってほをすすめてきた。)
グルンっとこちらに向き直って歩を進めてきた。
(ねしずまってまっくらなじゅうたくがいのどまんなかで、)
寝静まって真っ暗な住宅街のど真ん中で、
(みちがこうさするふきんにはがいとうがあるものだから、)
道が交差する付近には街灯があるものだから、
(しろいかさとしろいふくはものすごくはっきりめにうつった。)
白い傘と白い服はものすごくはっきり目に映った。
(しんやだっていうのにおおごえがでた。うわぁああ!ってかんじの。)
深夜だっていうのに大声が出た。うわぁああ!って感じの。
(もってたかさもこんびにのふくろもほうりなげて、いちもくさんにそのばからはしった。)
持ってた傘もコンビニの袋も放り投げて、一目散にその場から走った。
(はしりながらゆうじんにでんわをかけてねてるところおこして、)
走りながら友人に電話をかけて寝てるところ起こして、
(いまからいくからいえにいれてくれとおねがいした。)
今から行くから家に入れてくれとお願いした。
(すうじかんまえにおくったばかりだっていうのにゆうじんはokしてくれて、)
数時間前に送ったばかりだっていうのに友人はOKしてくれて、
(たすかったといそいではしってむかったのだけれど、)
助かったと急いで走って向かったのだけれど、
(おおどおりをこえて、こんびにをすぎ、どうろをおうだんしてまがろうとしたさきで)
大通りを越えて、コンビニを過ぎ、道路を横断して曲がろうとした先で
(しろいかさをさしたひとがたっているのがみえた。)
白い傘を差した人が立っているのが見えた。
(もうこのときには”なんで”としかかんがえられなくて、)
もうこの時には”なんで”としか考えられなくて、
(まがるのをやめてそのままつぎのろじをめざしたんだけど、)
曲がるのをやめてそのまま次の路地を目指したんだけど、
(そこでもしろいかさをさしたひとがおくのろじからでてきた。)
そこでも白い傘を差した人が奥の路地から出てきた。
(もういやだとおもいながらみちをさきにすすんでいると、けいたいがなった。)
もう嫌だと思いながら道を先に進んでいると、携帯が鳴った。
(けれどおかしなことにちゃくしんではなくふざいちゃくしんのひょうじ、しかも3けん)
けれどおかしなことに着信ではなく不在着信の表示、しかも3件
(じかんをかくにんするともう4じをまわっていて、じぶんのなかでのじかんは)
時間を確認するともう4時を回っていて、自分の中での時間は
(まだ10ぷんていどだとおもっていたのにすでに1じかんちかくたっていた。)
まだ10分ていどだと思っていたのに既に1時間近く経っていた。
(まちからでていないし、それいぜんにまがれないからこのとおりをぬけていないのに。)
町から出ていないし、それ以前に曲がれないからこの通りを抜けていないのに。
(すんでいるはずのまちがしらないまちのようですごくこわくなった。)
住んでいるはずの町が知らない町のようですごく怖くなった。
(ゆうじんにでんわをすると)
友人に電話をすると
(「まだ?いまどこ?こないの?」とねむそうなこえがでんわからきこえてきた。)
「まだ?今どこ?来ないの?」と眠そうな声が電話から聞こえてきた。
(「いきたいけどむり、まがれない。)
「行きたいけど無理、曲がれない。
(まがったさきにしろいかさをさしたなにかがさきまわりしてる」って)
曲がった先に白い傘を差した何かが先回りしてる」って
(きちんといえたかわからないけどつたえると、ゆうじんは)
きちんと言えたかわからないけど伝えると、友人は
(「なにいってるかわかんないけど、さきまわりされるなら)
「何言ってるかわかんないけど、先回りされるなら
(おわせればいいんじゃない?」ってかえしてきた。)
追わせればいいんじゃない?」って返してきた。
(でもいわれてもなにもかんがえられなくて)
でも言われても何も考えられなくて
(「え?え?なにいってんの?いみわかんねー!!!」ってかえすのがせいいっぱい。)
「え?え?何言ってんの?意味わかんねー!!!」って返すのが精一杯。
(ごきをつよめていみふめいなことをいうじぶんに、)
語気を強めて意味不明なことを言う自分に、
(ゆうじんはおこることなくゆっくりていねいに)
友人は怒ることなくゆっくり丁寧に
(「いちどまがりたいほうこうとぎゃくにまがるでしょ?)
「一度曲がりたい方向と逆に曲がるでしょ?
(そしたらまえにさきまわりされてるんだよね?それからうしろむいておわれるかたちで)
そしたら前に先回りされてるんだよね?それから後ろ向いて追われる形で
(まっすぐみちをすすめばいきたいほうこうにいけない?」)
まっすぐ道を進めば行きたい方向に行けない?」
(もうなんでもいいからすがりたいいっしんで「わかった」っていって、)
もう何でもいいから縋りたい一心で「わかった」って言って、
(ゆうじんのいうとおりにしてみた。もうなにもかんがえられなかった。)
友人の言うとおりにしてみた。もう何も考えられなかった。
(するとほんとうにまがったさきにしろいかさをさしたひとはあらわれるけど、)
すると本当に曲がった先に白い傘を差した人は現れるけど、
(うしろをむいてにげてもおいかけてはこない。)
後ろを向いて逃げても追いかけてはこない。
(せいかくにはこちらにむかってあるいてはくるけれど、)
正確にはこちらに向かって歩いては来るけれど、
(それはじぶんがまがったかどのところまできたらもどっていく。)
ソレは自分が曲がった過度のところまで来たら戻っていく。
(でもまたべつのかくをまがったり、ろじへはいろうとしたりすると)
でもまた別の角を曲がったり、路地へ入ろうとしたりすると
(そのさきのみちからでてくる。)
その先の道から出てくる。
(いける!とおもったとたん、しゅういにだれもいないのに「ぼおお、お、あ、」と)
行ける!と思った途端、周囲に誰も居ないのに「ボオオ、オ、ア、」と
(こえなんだけどことばじゃないとわかるおとがうしろからきこえてきた。)
声なんだけど言葉じゃないとわかる音が後ろから聞こえてきた。
(かんかくてきに(あぁ、あれがしゃべってる)とおもい、よりいっそうあしにちからをいれてはしった。)
感覚的に(あぁ、アレが喋ってる)と思い、より一層足に力を入れて走った。
(ようやくゆうじんのいえのちかくまでくることができ、でんわでつたえると、)
ようやく友人の家の近くまで来ることができ、電話で伝えると、
(いえのまえまででてまってるといってくれた。)
家の前まで出て待ってると言ってくれた。
(ほんとうにいえのまえでまっててくれたゆうじんのもとへいくと)
本当に家の前で待っててくれた友人の元へ行くと
(「びしょびしょwwwかさどうしたのwww」なんていってわらって、)
「びしょびしょwww傘どうしたのwww」なんて言って笑って、
(ちょっとあんしんしたけれど、みたことせつめいして、)
ちょっと安心したけれど、見たこと説明して、
(はしってきたみちのさきをいっしょにみてもらった。)
走ってきた道の先を一緒に見てもらった。
(くらいしとおいのに、でもはっきりとむこうのじゅうじろに)
暗いし遠いのに、でもはっきりと向こうの十字路に
(しろいかさとしろいふくをきたひとのすがたがあった。)
白い傘と白い服を着た人の姿があった。
(おどろいたかおのゆうじんとあわてていえにはいったあと、すこしとおくからていおんのひとの)
驚いた顔の友人と慌てて家に入った後、少し遠くから低音の人の
(こえのようなおとがずっときこえていて、)
声のような音がずっと聞こえていて、
(ゆうじんがかってるねこがまどやらげんかんやらをいったりきたりしてた。)
友人が飼ってる猫が窓やら玄関やらを行ったり来たりしてた。
(あかるくなってくるまのおとがうるさくなってきたころには、)
明るくなって車の音がうるさくなってきた頃には、
(いつのまにかこえのようなおとやいやなかんじはなくなっていた。)
いつのまにか声のような音や嫌な感じはなくなっていた。
(そのひのうちにけんないのおはらいでゆうめいなじんじゃにふたりでいく)
その日のうちに県内のお祓いで有名な神社に二人で行く
(おはらいをしてもらったのだけれど、よぼよぼのかんぬしさんは)
お祓いをしてもらったのだけれど、よぼよぼの神主さんは
(「わすれたほうがいい、りかいできないものはかずおおくいて、)
「忘れた方がいい、理解できない者は数多くいて、
(それがなにかわたしにもわからない」とだけせつめいしてくれた。)
それが何か私にもわからない」とだけ説明してくれた。
(いまおもいだしてもさむけがとまらないけいけんで、れいせいにかけないんだ。)
今思い出しても寒気が止まらない経験で、冷静に書けないんだ。
(これをよんだだれかがおなじようなことにそうぐうしたときは、)
コレを読んだ誰かが同じようなことに遭遇した時は、
(ゆうじんのことばをおもいだしてほしい。)
友人の言葉を思い出してほしい。