怖い話《美しい双子》
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問題文
(なにげなくそぼとてれびをみていました。)
何気なく祖母とテレビを観ていました。
(わたしはおばあちゃんごでした。)
私はおばあちゃん子でした。
(はははいそがしくあそびまわるたいぷでしたから。)
母は忙しく遊びまわるタイプでしたから。
(わいどしょーだったんでしょうね。)
ワイドショーだったんでしょうね。
(はいゆうのふりんぎわくのわだいをしんけんにはなしあっていました。)
俳優の不倫疑惑の話題を真剣に話し合っていました。
(そのとき、そぼがてれびをけしました。)
その時、祖母がテレビを消しました。
(「おんなをうらぎるきもちってわかるかい?」)
「女を裏切る気持ちってわかるかい?」
(わたしはしょうがっこうていがくねんでした。)
私は小学校低学年でした。
(「よくわからない。けっこんっておたがいをすきっておもってするものじゃないの?」)
「よくわからない。結婚ってお互いを好きって思ってするものじゃないの?」
(「そうだねぇ。みなそうおもってけっこんするんだろねぇ。いまのひとたちは・・・」)
「そうだねぇ。皆そう思って結婚するんだろねぇ。今の人達は・・・」
(そぼはつづけました。)
祖母は続けました。
(「おばあちゃんのいなかでね、おぼうさんがいたんだよ。)
「おばあちゃんの田舎でね、お坊さんが居たんだよ。
(おんなぐせがわるいってひょうばんのひとでね。)
女癖が悪いって評判の人でね。
(ゆくゆくおてらをついでじゅうしょくさんになるひとなのにね。)
ゆくゆくお寺を継いで住職さんになる人なのにね。
(でも、むかしのいなかまちだからそのぼうずのおんなあそびをみなたのしんでたんだろうね・・」)
でも、昔の田舎町だからその坊主の女遊びを皆楽しんでたんだろうね・・」
(わたしはだまってきいていました。)
私は黙って聞いていました。
(「そのぼうずがね、けっこんしたんだよ。)
「その坊主がね、結婚したんだよ。
(ちょっとぽっちゃりしたあいきょうのあるひとだったね。)
ちょっとぽっちゃりした愛嬌のある人だったね。
(まちのみなはびっくりしたんだよ。)
町の皆はびっくりしたんだよ。
(あのぼうずはだれのめにもびじんとおもわれるおんなと)
あの坊主は誰の目にも美人と思われる女と
(けっこんするもんだとおもっていたからねぇ。おまえもかわいいこがすきかい?」)
結婚するもんだと思っていたからねぇ。お前も可愛い子が好きかい?」
(「かわいいこがすきだよ。ようちえんでもかわいいこがにんきだよ。」)
「可愛い子が好きだよ。幼稚園でも可愛い子が人気だよ。」
(「そうかい、そうかい。)
「そうかい、そうかい。
(おとこっていうのはね、ほんとうにかわいいだのびじんがすきだね。)
男って言うのはね、本当に可愛いだの美人が好きだね。
(でも、ぼうずはあえてびじんをえらばなかったんだねぇ。)
でも、坊主はあえて美人を選ばなかったんだねぇ。
(じぶんのすきかってにしたかったからだよ。」)
自分の好き勝手にしたかったからだよ。」
(そぼのいっているいみがよくわからず、ただうなずいてしまいました。)
祖母の言っている意味が良く分からず、ただ頷いてしまいました。
(「そのぼうずはね、けっこんしてもおんなあそびをとめやしなかったんだよ。)
「その坊主はね、結婚しても女遊びを止めやしなかったんだよ。
(いろんなおんなとあそんでね。ぽっちゃりしてたおくさんは、どんどんやせていったよ。)
色んな女と遊んでね。ぽっちゃりしてた奥さんは、どんどん痩せていったよ。
(けっこんして3ねんたったときぐらいかね?)
結婚して3年経ったときぐらいかね?
(あのおくさんはいつにんしんするんだ?ってうわさがたったんだよ。)
あの奥さんはいつ妊娠するんだ?って噂が立ったんだよ。
(あのおんなはにんしんしないのかってわらうやつらもいたよ、ひどいはなしだね。)
あの女は妊娠しないのかって笑う奴らもいたよ、酷い話だね。
(わたしゃけっこんもしてなかったけどね。しごとにむちゅうだったからねぇ。)
わたしゃ結婚もしてなかったけどね。仕事に夢中だったからねぇ。
(にんしんしないおんなはりこんする。なんてこともまだまだあったじだいだったね。)
妊娠しない女は離婚する。なんて事もまだまだあった時代だったね。
(ひどいもんだね・・・。わたしゃおとこがうらやましかったねぇ・・・。」)
酷いもんだね・・・。わたしゃ男が羨ましかったねぇ・・・。」
(わたしははなしをききつづけました。)
私は話を聞き続けました。
(「そのぼうずのあいじんのひとりのおんながにんしんしたんだよ。)
「その坊主の愛人の一人の女が妊娠したんだよ。
(そのすこしあとかね?おくさんびょうきになったってうわさがたったんだよ。)
その少し後かね?奥さん病気になったって噂が立ったんだよ。
(わたしゃかわいそうだとおもったよ。)
わたしゃ可哀想だと思ったよ。
(さんざんおんなあそびをされて、びょうきになるなんてね・・・。」)
散々女遊びをされて、病気になるなんてね・・・。」
(「おばあちゃん。なにかのむ?」)
「おばあちゃん。何か飲む?」
(わたしはじぶんがのどがかわいてきたので、そぼにききました。)
私は自分が喉が渇いてきたので、祖母に聞きました。
(「そうだねぇ。おちゃをいれてくれるかい?」)
「そうだねぇ。お茶を入れてくれるかい?」
(わたしは、なんとなくおきゃくさまようのりょくちゃをいれました。)
私は、なんとなくお客様用の緑茶を入れました。
(「そのぼうずはじぶんのこどもをにんしんしたそのあいじんにむちゅうになったんだよ。)
「その坊主は自分の子供を妊娠したその愛人に夢中になったんだよ。
(とうきょうのばーでにつとめてたおんなだったらしいねぇ。)
東京のバーでに勤めてた女だったらしいねぇ。
(びじんではなやかなわかいおんなだったよ。」)
美人で華やかな若い女だったよ。」
(おたがいひとくちおちゃをのみました。)
お互い一口お茶を飲みました。
(「ぼうずのおくさんがね、なくなっちゃったんだよ・・・)
「坊主の奥さんがね、亡くなっちゃったんだよ・・・
(まだわかかったのにねぇ・・・。」)
まだ若かったのにねぇ・・・。」
(おばあちゃんはなんでこんなへんなはなしてるんだろ?)
おばあちゃんはなんでこんな変な話してるんだろ?
(どうしてもぼくにつたえたいんだろうか?)
どうしても僕に伝えたいんだろうか?
(「そのおくさんのさいごがね。おまえとおんなのこどもはけっしてけんこうではない。)
「その奥さんの最期がね。お前と女の子供は決して健康ではない。
(そうさせてなるものか・・・!そういううわさがながれたんだよ。)
そうさせてなるものか・・・!そういう噂が流れたんだよ。
(ぼうずはおてらのむすこだったからね。)
坊主はお寺の息子だったからね。
(そのおとこのにょうぼうのさいごのときはなんにんものにんげんがいたのかねぇ?」)
その男の女房の最期の時は何人もの人間がいたのかねぇ?」
(「おばあちゃん?このはなしをぼくにきいてほしいの?」)
「おばあちゃん?この話を僕に聞いて欲しいの?」
(「そうだねぇ、おまえはおとこのこだから。)
「そうだねぇ、お前は男の子だから。
(わたしゃきかせたいね、まちがいをおこしてほしくないからね。)
わたしゃ聞かせたいね、間違いを起こして欲しくないからね。
(ぼうずはね、にんしんしたあいじんとさいこんしたんだよ。)
坊主はね、妊娠した愛人と再婚したんだよ。
(おんなもぼうずもしあわせそうだったよ。そのままじゅんちょうにいってふたごがうまれたんだよ。)
女も坊主も幸せそうだったよ。そのまま順調にいって双子が産まれたんだよ。
(あのおくさんのことばはなんだったんだろうねぇ。)
あの奥さんの言葉はなんだったんだろうねぇ。
(けんこうできれいなふたごのおとこがうまれたんだよ。)
健康で綺麗な双子の男が産まれたんだよ。
(わたしもなんどもみかけたんだけどね。)
私も何度も見かけたんだけどね。
(いろじろでかおがととのっててねぇ。)
色白で顔が整っててねぇ。
(おとなしくって。おちついてて。)
大人しくって。落ち着いてて。
(みなためいきをつくような、おにんぎょうさんみたいなうつくしいふたごだったよ。」)
皆ため息をつくような、お人形さんみたいな美しい双子だったよ。」
(わたしはうつくしいにほんにんぎょうのおとこのこをおもいうかべていました。)
私は美しい日本人形の男の子を思い浮かべていました。
(「そのこたちはね、みみがきこえないってことがわかったんだ。)
「その子達はね、耳が聞こえないって事が分かったんだ。
(ぼうずとごさいさんはもうひとりこどもをつくったよ。)
坊主と後妻さんはもう一人子供を作ったよ。
(みみがきこえないこだったよ。」)
耳が聞こえない子だったよ。」
(なんだかおそろしくなってきました。)
なんだか恐ろしくなってきました。
(「ぼうずはね、ひつようさいていげんはまったくくちがきけなくなっちゃった。)
「坊主はね、必要最低限は全く口が聞けなくなっちゃった。
(みみがきこえなくなっちゃったんじゃないか?)
耳が聞こえなくなっちゃったんじゃないか?
(ってみなおもったぐらいだよ。)
って皆思ったぐらいだよ。