人間の怖い話《彼氏の家族》

(とどなりつけてきます。)

と怒鳴りつけてきます。

(わたしはかれのほうをみてたすけをもとめたのですが、)

私は彼の方を見て助けを求めたのですが、

(かれはあたりまえといったかんじでおやのいけんにどういするだけでした。)

彼は当たり前といった感じで親の意見に同意するだけでした。

(もうとっくにかれとのけっこんはないですし、)

もうとっくに彼との結婚は無いですし、

(おつきあいもとめようというわたしをよそに、はなしはかってにすすみます。)

お付き合いも止めようという私をよそに、話は勝手に進みます。

(かれのしんせきにもしょうかいして、けっこんしきのひどりもきめるといわれはじめ、)

彼の親戚にも紹介して、結婚式の日取りも決めると言われ始め、

(これはまずいとおもいました。)

これはマズいと思いました。

(うまくかれとふたりきりになったたいみんぐで、わたしは)

上手く彼と二人きりになったタイミングで、私は

(「ごめんなさい。きょうはきぶんがわるいからかえるね。」とつたえます。)

「ごめんなさい。今日は気分が悪いから帰るね。」と伝えます。

(はなしをしてもつうじないようなので、ひとりでかえろうとおもったのです。)

話をしても通じないようなので、一人で帰ろうと思ったのです。

(しかしかれは「にげるきか？」とわたしのうでをつかみ、)

しかし彼は「逃げる気か？」と私の腕を掴み、

(むりやりひっぱってどこかへつれていこうとするではありませんか。)

無理矢理引っ張ってどこかへ連れて行こうとするではありませんか。

(わたしはひっしにていこうしたのですが、だんせいのちからにはかなわず、)

私は必死に抵抗したのですが、男性の力にはかなわず、

(そのままかぎつきのへやへとじこめられてしまいました。)

そのまま鍵付きの部屋へ閉じ込められてしまいました。

(「あけて！」さけんでもだれもあけてくれず、へやにひとりとじこめられました。)

「開けて！」叫んでも誰も開けてくれず、部屋に一人閉じ込められました。

(これはとんでもないじょうきょうになってしまった・・・。)

これはとんでもない状況になってしまった・・・。

(いなかのせいかけいたいもけんがい。わたしはどうすることもできず、ただぼうぜんとしていました。)

田舎のせいか携帯も圏外。私はどうする事も出来ず、ただ呆然としていました。

(しばらくするとどあがひらき、かれのおかあさんがはいってきました。)

暫くするとドアが開き、彼のお母さんが入ってきました。

(ひょっとしたらおかあさんにたすけてもらえるかも、)

ひょっとしたらお母さんに助けてもらえるかも、

(などとあわいきたいをしたわたしのきもちは、じかにふみにじられました。)

などと淡い期待をした私の気持ちは、直に踏みにじられました。

(「こんいんとどけにいますぐさいんして。そうしたらだしてあげる。」)

「婚姻届に今すぐサインして。そうしたら出してあげる。」

(おかあさんのてには、ほんとうにこんいんとどけがありました。)

お母さんの手には、本当に婚姻届がありました。

(このいえにはぜったいいられないとかんじたわたしは)

この家には絶対いられないと感じた私は

(「むりです。けっこんはできません。」とつげると、おかあさんは)

「無理です。結婚は出来ません。」と告げると、お母さんは

(「にげられるとおもっているの？やっとわたしがこのいえでどれいからかいほうされる)

「逃げられると思っているの？やっと私がこの家で奴隷から解放される

(ちゃんすなのに、あなたをにがすわけないでしょ！」とせまります。)

チャンスなのに、あなたを逃がすわけないでしょ！」と迫ります。

(さいんをしたらわたしはおわりだ。)

サインをしたら私は終わりだ。

(かたくなにきょひをつづけると、おかあさんはあきらめてへやをでてまたかぎをしめられました。)

頑なに拒否を続けると、お母さんは諦めて部屋を出てまた鍵を閉められました。

(しんや、なんとかにげださなければとへやをさぐると、)

深夜、何とか逃げ出さなければと部屋を探ると、

(かぐのうしろにまどがあるのをはっけんしました。)

家具の後ろに窓があるのを発見しました。

(ひっしにかぐをうごかしてだっしゅつにせいこうしたわたしは、)

必死に家具を動かして脱出に成功した私は、

(よどおしであるきつづけてえきにとうちゃくし、ことなきをえました。)

夜通しで歩き続けて駅に到着し、事無きを得ました。

(そのあと、かれからはまいにちちゃくしんやめーるがきました。)

その後、彼からは毎日着信やメールがきました。

(「にげられるとおもっているのか。」「ゆるさない。」)

「逃げられると思っているのか。」「許さない。」

(そのないようはもはやきょうはくでした。)

その内容はもはや脅迫でした。

(ひとりぐらしをしていたじぶんのへやにもどるのもこわかったわたしは、)

一人暮らしをしていた自分の部屋に戻るのも怖かった私は、

(ともだちのきょうりょくでねどこをてんてんとし、とおいところへひっこしました。)

友達の協力で寝床を転々とし、遠い所へ引っ越しました。

(べんごしやしえんだんたいのきょうりょくもえてかれからにげることはできましたが、)

弁護士や支援団体の協力も得て彼から逃げる事は出来ましたが、

(ともだちがいうにかれはまだわたしのいばしょをさがしているようで、)

友達が言うに彼はまだ私の居場所を探しているようで、

(いぜんすんでいたまんしょんのちかくをうろうろしていたり、)

以前住んでいたマンションの近くをうろうろしていたり、

(じっかふきんですがたをみたというじょうほうもあります。)

実家付近で姿を見たという情報もあります。

(かぞくからもとおいばしょへにげろといわれているので、)

家族からも遠い場所へ逃げろと言われているので、

(いまもかれにみつかるのではないかというふあんをいだきながらせいかつしています。)

今も彼に見つかるのではないかという不安を抱きながら生活しています。