夏目漱石「こころ」3-73

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投稿者投稿者たけしいいね0お気に入り登録
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夏目漱石「こころ」3-73k
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。

オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
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9:的(あて)
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 HAKU 7783 8.2 94.6% 60.0 495 28 10 2024/08/21

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問題文

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(しまいにわたくしはじっとしておられなくなりました。)

仕舞に私は凝としておられなくなりました。

(むりにじっとしていれば、けいのへやへとびこみたくなるのです。)

無理に凝としていれば、Kの部屋へ飛び込みたくなるのです。

(わたくしはしかたなしにたってえんがわへでました。)

私は仕方なしに立って縁側へ出ました。

(そこからちゃのまへきて、なにというもくてきもなく、)

其所から茶の間へ来て、何という目的もなく、

(てつびんのゆをゆのみについでいっぱいのみました。)

鉄瓶の湯を湯飲みに注いで一杯吞みました。

(それからげんかんへでました。)

それから玄関へ出ました。

(わたくしはわざとけいのへやをかいひするようにして、)

私はわざとKの室を回避するようにして、

(こんなふうにじぶんをおうらいのまんなかにみいだしたのです。)

こんな風に自分を往来の真中に見出したのです。

(わたくしにはむろんどこへいくというあてもありません。)

私には無論何処へ行くという的もありません。

(ただじっとしていられないだけでした。)

ただ凝としていられないだけでした。

(それでほうがくもなにもかまわずに、しょうがつのまちを、むやみにあるきまわったのです。)

それで方角も何も構わずに、正月の町を、無暗に歩き廻ったのです。

(わたくしのあたまはいくらあるいてもけいのことでいっぱいになっていました。)

私の頭はいくら歩いてもKの事で一杯になっていました。

(わたくしもけいをふるいおとすきであるきまわるわけではなかったのです。)

私もKを振い落す気で歩き廻る訳ではなかったのです。

(むしろじぶんからすすんでかれのすがたをそしゃくしながらうろついていたのです。)

寧ろ自分から進んで彼の姿を咀嚼しながらうろついていたのです。

(わたくしにはだいいちかれがかいしがたいおとこのようにみえました。)

私には第一に彼が解しがたい男のように見えました。

(どうしてあんなことをとつぜんわたくしにうちあけたのか、)

どうしてあんな事を突然私に打ち明けたのか、

(またどうしてうちあけなければいられないほどに、かれのこいがしたってきたのか、)

又どうして打ち明けなければいられない程に、彼の恋が慕って来たのか、

(そうしてへいぜいのかれはどこにふきとばされてしまったのか、)

そうして平生の彼は何処に吹き飛ばされてしまったのか、

(すべてわたくしにはかいしにくいもんだいでした。)

凡て私には解しにくい問題でした。

(わたくしはかれのつよいことをしっていました。)

私は彼の強い事を知っていました。

など

(またかれのまじめなことをしっていました。)

又彼の真面目な事を知っていました。

(わたくしはこれからわたくしのとるべきたいどをけっするまえに、)

私はこれから私の取るべき態度を決する前に、

(かれについてきかなければならないおおくをもっているとしんじました。)

彼について聞かなければならない多くを有っていると信じました。

(どうじにこれからさきかれをあいてにするのがへんにきみがわるかったのです。)

同時にこれからさき彼を相手にするのが変に気味が悪かったのです。

(わたくしはむちゅうにまちのなかをあるきながら、)

私は夢中に町の中を歩きながら、

(じぶんのへやにじっとすわっているかれのようぼうをしじゅうめのまえにえがきだしました。)

自分の室に凝と坐っている彼の容貌を始終眼の前に描き出しました。

(しかもいくらわたくしがあるいてもかれをうごかすことはとうていできないのだというこえが)

しかもいくら私が歩いても彼を動かす事は到底出来ないのだという声が

(どこかできこえるのです。)

何処かで聞こえるのです。

(つまりわたくしにはかれがいっしゅのまもののようにおもえたからでしょう。)

つまり私には彼が一種の魔物のように思えたからでしょう。

(わたくしはえいきゅうかれにたたられたのではなかろうかというきさえしました。)

私は永久彼に祟られたのではなかろうかという気さえしました。

(わたくしがつかれてうちへかえったとき、かれのへやはいぜんとしてひとけのないようにしずかでした。)

私が疲れて宅へ帰った時、彼の室は依然として人気のないように静でした。

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