夏目漱石「こころ」3-74

夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
8:彩どっていました(いろどっていました)
16:勝れて(すぐれて)
23:追窮(ついきゅう)
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 犬さんローラン | 4082 | C | 4.2 | 96.5% | 354.9 | 1502 | 53 | 31 | 2025/03/13 |
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問題文
(さんじゅうはち)
三十八
(「わたくしがいえへはいるとまもなくくるまのおとがきこえました。)
「私が家へ這入ると間もなく俥の音が聞こえました。
(いまのようにごむわのないじぶんでしたから、)
今のように護謨輪のない時分でしたから、
(がらがらといういやなひびきがかなりのきょりでもみみにたつのです。)
がらがらという厭な響が可なりの距離でも耳に立つのです。
(くるまはやがてもんぜんでとまりました。)
車はやがて門前で留まりました。
(わたくしがゆうめしによびだされたのは、それからさんじゅっぷんばかりたったあとのことでしたが、)
私が夕飯に呼び出されたのは、それから三十分ばかり経った後の事でしたが、
(まだおくさんとおじょうさんのはれぎがぬぎすてられたまま、)
まだ奥さんと御嬢さんの晴着が脱ぎ棄てられたまま、
(つぎのへやをらんざつにいろどっていました。)
次の室を乱雑に彩どっていました。
(ふたりはおそくなるとわたくしたちにすまないというので、)
二人は遅くなると私達に済まないというので、
(めしのしたくにまにあうように、いそいでかえってきたのだそうです。)
飯の支度に間に合うように、急いで帰って来たのだそうです。
(しかしおくさんのしんせつはけいとわたくしとにとってほとんどむこうもおなじことでした。)
然し奥さんの親切はKと私とに取って殆んど無効も同じ事でした。
(わたくしはしょくたくにすわりながら、)
私は食卓に坐りながら、
(ことばをおしがるひとのように、そっけないあいさつばかりしていました。)
言葉を惜しがる人のように、素気ない挨拶ばかりしていました。
(けいはわたくしよりもなおかげんでした。)
Kは私よりも猶寡言でした。
(たまにおやこづれでがいしゅつしたおんなふたりのきぶんが、)
たまに親子連で外出した女二人の気分が、
(またへいぜいよりはすぐれてはれやかだったので、われわれのたいどはなおのことめにつきます。)
また平生よりは勝れて晴やかだったので、我々の態度は猶の事眼に付きます。
(おくさんはわたくしにどうかしたのかとききました。)
奥さんは私にどうかしたのかと聞きました。
(わたくしはすこしこころもちがわるいとこたえました。)
私は少し心持が悪いと答えました。
(じっさいわたくしはこころもちがわるかったのです。)
実際私は心持が悪かったのです。
(するとこんどはおじょうさんがけいにおなじといをかけました。)
すると今度は御嬢さんがKに同じ問を掛けました。
(けいはわたくしのようにこころもちがわるいとはこたえません。)
Kは私のように心持が悪いとは答えません。
(ただくちがききたくないからだといいました。)
ただ口が利きたくないからだと云いました。
(おじょうさんはなぜくちがききたくないのかとついきゅうしました。)
御嬢さんは何故口が利きたくないのかと追窮しました。
(わたくしはそのときふとおもたいまぶたをあげてけいのかおをみました。)
私はその時ふと重たい瞼を上げてKの顔を見ました。
(わたくしにはけいがなんとこたえるだろうかというこうきしんがあったのです。)
私にはKが何と答えるだろうかという好奇心があったのです。
(けいのくちびるはれいのようにすこしふるえていました。)
Kの唇は例のように少し顫えていました。
(それがしらないひとからみると、)
それが知らない人から見ると、
(まるでへんじにまよっているとしかおもわれないのです。)
まるで返事に迷っているとしか思われないのです。
(おじょうさんはわらいながら)
御嬢さんは笑いながら
(またなにかむずかしいことをかんがえているのだろうといいました。)
又何かむずかしい事を考えているのだろうと云いました。
(けいのかおはこころもちうすあかくなりました。)
Kの顔は心持薄赤くなりました。