夏目漱石「こころ」3-94
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
11:赧らめる(あからめる)
15:翌日(あくるひ)
17:慄然と(ぞっと)
20:覚した(さました)
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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | berry | 8513 | 神 | 8.5 | 99.5% | 171.5 | 1466 | 6 | 28 | 2024/09/05 |
2 | ヤス | 7769 | 神 | 8.2 | 94.6% | 180.2 | 1484 | 84 | 28 | 2024/09/04 |
3 | デコポン | 7039 | 王 | 7.2 | 97.3% | 202.7 | 1467 | 40 | 28 | 2024/10/02 |
4 | BEASTななせ | 6353 | S | 6.8 | 93.0% | 221.6 | 1522 | 114 | 28 | 2024/10/31 |
5 | すもさん | 5897 | A+ | 6.1 | 95.4% | 249.6 | 1546 | 74 | 28 | 2024/10/09 |
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問題文
(よんじゅうはち)
四十八
(「かんじょうしてみるとおくさんがけいにはなしをしてからもうふつかあまりになります。)
「勘定して見ると奥さんがKに話をしてからもう二日余りになります。
(そのあいだけいはわたくしにたいしてすこしもいぜんとことなったようすをみせなかったので、)
その間Kは私に対して少しも以前と異なった様子を見せなかったので、
(わたくしはまったくそれにきがつかずにいたのです。)
私は全くそれに気が付かずにいたのです。
(かれのちょうぜんとしたたいどはたといがいかんだけにもせよ、)
彼の超然とした態度はたとい外観だけにもせよ、
(けいふくにあたいすべきだとわたくしはかんがえました。)
敬服に値すべきだと私は考えました。
(かれとわたくしのあたまのなかでならべてみると、かれのほうがはるかにりっぱにみえました。)
彼と私の頭の中で並べてみると、彼の方が遥かに立派に見えました。
(「おれはさくりゃくでかってもにんげんとしてはまけたのだ」というかんじが)
『おれは策略で勝っても人間としては負けたのだ』という感じが
(わたくしのむねにうずまいておこりました。)
私の胸に渦巻いて起りました。
(わたくしはそのときさぞけいがけいべつしていることだろうとおもって、)
私はその時さぞKが軽蔑している事だろうと思って、
(ひとりでかおをあからめました。)
一人で顔を赧らめました。
(しかしいまさらけいのまえにでて、はじをかかせられるのは、)
然し今更Kの前に出て、耻を搔かせられるのは、
(わたくしのじそんしんにとっておおいなくつうでした。)
私の自尊心にとって大いな苦痛でした。
(わたくしがすすもうかよそうかとかんがえて、)
私が進もうか止そうかと考えて、
(ともかくもあくるひまでまとうとけっしんしたのはどようのばんでした。)
ともかくも翌日まで待とうと決心したのは土曜の晩でした。
(ところがそのばんに、けいはじさつしてしんでしまったのです。)
ところがその晩に、Kは自殺して死んでしまったのです。
(わたくしはいまでもそのこうけいをおもいだすとぞっとします。)
私は今でもその光景を思い出すと慄然とします。
(いつもひがしまくらでねるわたくしが、そのばんにかぎって、)
何時も東枕で寐る私が、その晩に限って、
(ぐうぜんにしまくらにとこをしいたのも、なにかのいんねんかもしれません。)
偶然西枕に床を敷いたのも、何かの因縁かも知れません。
(わたくしはまくらもとからふきこむさむいかぜでふとめをさましたのです。)
私は枕元から吹き込む寒い風で不図眼を覚したのです。
(みると、いつもたてきってあるけいとわたくしのへやとのしきりのふすまが、)
見ると、何時も立て切ってあるKと私の室との仕切の襖が、
(このあいだのばんとおなじくらいあいています。)
この間の晩と同じ位開いています。
(けれどもこのあいだのように、けいのくろいすがたはそこにはたっていません。)
けれどもこの間のように、Kの黒い姿は其所には立っていません。
(わたくしはあんじをうけたひとのように、とこのうえにひじをついておきあがりながら、)
私は暗示を受けた人のように、床の上に肱を突いて起き上りながら、
(きっとけいのへやをのぞきました。)
きっとKの室を覗きました。
(らんぷがくらくともっているのです。それでとこもしいてあるのです。)
洋燈が暗く点っているのです。それで床も敷いてあるのです。
(しかしかけぶとんははねかえされたようにすそのほうにかさなりあっているのです。)
然し掛蒲団は跳返されたように裾の方に重なり合っているのです。
(そうしてけいじしんはむこうむきにつっぷしているのです。)
そうしてK自身は向うむきに突ッ伏しているのです。