怖い話《めぐみちゃん》
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問題文
(だいがくじだい、ともだち6にんとえいかいわさーくるなんてどうこうかいをつくって)
大学時代、友達6人と英会話サークルなんて同好会を作って
(いつもいっしょにこうどうしていました。)
いつも一緒に行動していました。
(えいかいわさーくるなんていってもなまえばかりのてんけいてきなおあそびさーくるで、)
英会話サークルなんて言っても名前ばかりの典型的なお遊びサークルで、
(かつどうはじゅぎょうがおわったあとにあつまっておしゃべりしたり、)
活動は授業が終わった後に集まってお喋りしたり、
(けんしゅうというめいもくでりょこうにいったりとかそんなていどで、)
研修という名目で旅行に行ったりとかそんな程度で、
(あとはまいにちのようにあるのみかいくらい。)
あとは毎日のようにある飲み会くらい。
(そのさーくるにわたしとどうがくねんのめぐみちゃんがいました。)
そのサークルに私と同学年のめぐみちゃんがいました。
(せがちっちゃくてほんわかしたふんいきのかわいいこで、)
背がちっちゃくてほんわかした雰囲気の可愛い子で、
(いつもはしっこのほうでにこにこわらっていました。)
いつも端っこの方でニコニコ笑っていました。
(さーくるにはいったりゆうも、こうこうからいっしょだったともだちと、)
サークルに入った理由も、高校から一緒だった友達と、
(なかばごういんにさそわれたからといったふうな、すごくおとなしいこでした。)
半ば強引に誘われたからといった風な、凄く大人しい子でした。
(あるひののみかいのあと、いつものようにみんなでふぁみれすでよなかまで)
ある日の飲み会の後、いつものようにみんなでファミレスで夜中まで
(とりとめなくはなしていると、しんや2じくらいだったでしょうか。)
取り留めなく話していると、深夜2時くらいだったでしょうか。
(めぐみちゃんがとつぜんあせったようすで、「ごめん、おかあさんおこるからかえるね」)
めぐみちゃんが突然焦った様子で、「ごめん、お母さん怒るから帰るね」
(とこまったようににがわらいしながらあしばやにかえっていきました。)
と困ったように苦笑いしながら足早に帰って行きました。
(おだやかでせいそなかんじのこだったので、いえがきびしいおじょうさまなのかな、)
穏やかで清楚な感じの子だったので、家が厳しいお嬢様なのかな、
(なんてみんなでしばらくはなしていたら、ふいにわたしのけいたいがなりました。)
なんてみんなで暫く話していたら、不意に私の携帯が鳴りました。
(めぐみちゃんのけいたいからのちゃくしん。どうしたのかなとおもってでると、)
めぐみちゃんの携帯からの着信。どうしたのかなと思って出ると、
(「めぐみのははです。」ひくいじょせいのこえでした。)
「めぐみの母です。」低い女性の声でした。
(おどろいたわたしが、あ、はじめまして、なんてしどろもどろにあいさつすると、)
驚いた私が、あ、初めまして、なんてしどろもどろに挨拶すると、
(まわりのみんなもきゅうにしずかになってでんわぐちのこえにみみをかたむけました。)
周りのみんなも急に静かになって電話口の声に耳を傾けました。
(「あなたたちまだだいがくせいでしょう。こんなじかんまであそびあるくなんてなにかんがえてるの。)
「あなた達まだ大学生でしょう。こんな時間まで遊び歩くなんて何考えてるの。
(まいにちまいにちいいかげんにしなさいよ」)
毎日毎日いい加減にしなさいよ」
(わたしはとにかくすみません、すみませんとくりかえしあやまりました。)
私はとにかくすみません、すみませんと繰り返し謝りました。
(まいにちよなかまであそびあるいていたじかくはありましたし、いかられるのもとうぜんでした。)
毎日夜中まで遊び歩いていた自覚はありましたし、怒られるのも当然でした。
(しばらくでんわごしにおせっきょうをうけて、さいごはぶちっときられました。)
暫く電話越しにお説教を受けて、最後はブチっと切られました。
(わたしたちはなんだかいきしょうちんしてしまい、そのひはだれがいいだすでもなくかいさんし、)
私達はなんだか意気消沈してしまい、その日は誰が言い出すでもなく解散し、
(きたくすることにしました。)
帰宅する事にしました。
(そのひをさかいに、のみかいやいべんとがおわったあと、わたしやさーくるのせんぱいに)
その日を境に、飲み会やイベントが終わった後、私やサークルの先輩に
(めぐみちゃんのおかあさんからでんわがくることがおおくなりました。)
めぐみちゃんのお母さんから電話が来ることが多くなりました。
(「きゅうじつにめぐみをよびだすなめいわくだ」)
「休日にめぐみを呼び出すな迷惑だ」
(「りょこうのおかねといってめぐみからおかねをまきあげただろう」)
「旅行のお金と言ってめぐみからお金を巻き上げただろう」
(「くさいからめぐみのまえでこうすいをつけるな」)
「臭いからめぐみの前で香水をつけるな」
(「めぐみにごみみたいなものをぷれぜんとするな」)
「めぐみにゴミみたいなものをプレゼントするな」
(「おまえらみたいなあたまのわるいくずはめぐみにあくえいきょうだ:」)
「お前らみたいな頭の悪いクズはめぐみに悪影響だ:」
(「しね」)
「死ね」
(はじめのころとちがってないようもいいがかりのようなものばかりで、)
始めの頃と違って内容も言いがかりのようなものばかりで、
(だんだんいいかたもらんぼうになってきていました。)
段々言い方も乱暴になってきていました。
(とてもかけないようなひどいことばもとんできて、べんかいするきりょくもおきません。)
とても書けないような酷い言葉も飛んできて、弁解する気力も起きません。
(しかしそのたびによくじつ、めぐみちゃんはもうしわけなさそうになきそうなかおで)
しかしその度に翌日、めぐみちゃんは申し訳なさそうに泣きそうな顔で
(あやまってくることもあって、わたしたちもしかたないとあきらめていたんですが)
謝ってくることもあって、私達も仕方ないと諦めていたんですが
(「めぐみをあそびにさそうの、やめよう」)
「めぐみを遊びに誘うの、やめよう」
(さーくるないでめぐみちゃんといちばんなかのよかったこがあるひとつぜんそうきりだしました。)
サークル内で恵ちゃんと一番仲の良かった子がある日突然そう切り出しました。
(しょうじきむりもないことでしたが、みんなはさすがにかわいそう、とくちぐちにはんたいしました。)
正直無理もない事でしたが、みんなは流石に可哀想、と口々に反対しました。
(ほんにんがわるいわけではないし、わたしもきがすすみませんでした。)
本人が悪いわけではないし、私も気が進みませんでした。
(なによりかのじょはめぐみちゃんとこうこうからのともだちで、いちばんなかがいいこなはずです。)
何より彼女はめぐみちゃんと高校からの友達で、一番仲がいい子なはずです。
(それにかのじょのところにはめぐみちゃんのおかあさんからのでんわはきていません。)
それに彼女のところにはめぐみちゃんのお母さんからの電話は来ていません。
(わたしたちがわけをきいてみると、かのじょはふるえたこえでこたえました。)
私達が訳を聞いてみると、彼女は震えた声で答えました。
(「だって、めぐみのおかあさんってたか2のときになくなったんだよ。)
「だって、めぐみのお母さんって高2の時に亡くなったんだよ。
(あのでんわ、だれ?」)
あの電話、誰?」