怖い話《不気味なYouTubeチャンネル》
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問題文
(これは、ゆうじんのｒくんがおしえてくれた、)
これは、友人のＲくんが教えてくれた、
(ｙｏｕｔｕｂｅにまつわるきみょうなたいけんだんだ。)
ＹｏｕＴｕｂｅにまつわる奇妙な体験談だ。
(とうじ、ｒくんはおかるとけいのｙｏｕｔｕｂｅちゃんねるにはまっていた。)
当時、Ｒくんはオカルト系のＹｏｕＴｕｂｅチャンネルにハマっていた。
(みなさんもごぞんじのとおり、ｙｏｕｔｕｂｅはなにかしちょうするとかんれんどうがや)
皆さんもご存じの通り、ＹｏｕＴｕｂｅは何か視聴すると関連動画や
(けいこうのにたどうががどんどんおすすめにでてくる。)
傾向の似た動画がどんどんオススメに出てくる。
(そのどうがも、おすすめとしてひょうじされたものがぐうぜんめにとまったらしい。)
その動画も、オススメとして表示されたものが偶然目に留まったらしい。
(さむねいるはどちらかというとじみなつくりだったという。)
サムネイルはどちらかというと地味な作りだったという。
(たいとるはうろおぼえだったが、たしか「うみであったこわいはなしまとめ」とか、)
タイトルはうろ覚えだったが、確か「海であった怖い話まとめ」とか、
(そういうよくあるかんじだった。)
そういうよくある感じだった。
(ためしにくりっくしてみると、しろいかべをはいけいに、ひとりのだんせいがうつった。)
試しにクリックしてみると、白い壁を背景に、一人の男性が映った。
(２０だいこうはんくらいだろうか。くろかみめがねにやせがたで、じみなみためだった。)
20代後半くらいだろうか。黒髪眼鏡に痩せ型で、地味な見た目だった。
(そのだんせいがてもとのかんぺらしきかみをみながら、ぼそぼそこわいはなしをろうどくしている。)
その男性が手元のカンペらしき紙を見ながら、ぼそぼそ怖い話を朗読している。
(しかしはなしかたはききとりづらいし、こえもあまりよくない。)
しかし話し方は聞き取りづらいし、声もあまり良くない。
(へんしゅうもろくにされておらず、ほぼのーかっとのろくがに、)
編集もろくにされておらず、ほぼノーカットの録画に、
(かろうじてこうかおんやじまくをつけた、というていどだった。)
かろうじて効果音や字幕を付けた、という程度だった。
(あーあんまりくおりてぃたかくないな、つまんないなとｒくんはおもった。)
あーあんまりクオリティ高くないな、つまんないなとＲくんは思った。
(いつもならすぐにしちょうをやめるのだが、)
いつもならすぐに視聴を辞めるのだが、
(ふと、そのどうがのさいせいかいすうがみょうにおおいことがきになった。)
ふと、その動画の再生回数が妙に多い事が気になった。
(こんなとぼしいくおりてぃにもかかわらず、２まんかいくらいはさいせいされていたという。)
こんな乏しいクオリティにも関わらず、2万回くらいは再生されていたという。
(しかも、こめんとも１５０けんちかくついている。)
しかも、コメントも150件近くついている。
(なんだ？じつはこのあとめちゃくちゃおもしろいてんかいになるのか？)
なんだ？実はこの後めちゃくちゃ面白い展開になるのか？
(それともえんじょうあんけんかな？)
それとも炎上案件かな？
(きょうみをひかれて、ｒくんはそのままどうがをさいせいしつづけた。)
興味を引かれて、Ｒくんはそのまま動画を再生し続けた。
(しかし、３０ぷんあるどうがのほぼしゅうばんまでみても、しょうじきぜんぜんおもしろくなかった。)
しかし、30分ある動画のほぼ終盤まで見ても、正直全然面白くなかった。
(じかんむだにしたな、それにしてもなんでさいせいかいすうがこんなにいってるんだ？)
時間無駄にしたな、それにしてもなんで再生回数がこんなにいってるんだ？
(ｒくんがそうおもったときだった。)
Ｒくんがそう思った時だった。
(ふいに、がめんのだんせいがみょうにはっきりとしたくちょうで、)
ふいに、画面の男性が妙にはっきりとした口調で、
(「では、こんしゅうのてんばつのじかんでーす」といった。)
「では、今週の天罰の時間でーす」と言った。
(てんばつ？とｒさんがいぶかしんでいると、だんせいはさきほどまでもっていたかんぺのかみとは)
天罰？とＲさんが訝しんでいると、男性は先程まで持っていたカンペの紙とは
(べつのかみをてにとると、そこにかかれているらしいなまえをつぎつぎによみあげはじめた。)
別の紙を手に取ると、そこに書かれているらしい名前を次々に読み上げ始めた。
(「ふくおかけん、よこだみさとさん。きょうとふ、おかのしのぶさん。)
「福岡県、ヨコダミサトさん。京都府、オカノシノブさん。
(かながわけん、ふじやよいさん。あいちけん、いどしょうじさん。」)
神奈川県、フジヤヨイさん。愛知県、イドショウジさん。」
(こんなちょうしで、ちめいとひとのなまえをつぎつぎよみあげていくのが５ふんいじょうもつづいた。)
こんな調子で、地名と人の名前を次々読み上げていくのが5分以上も続いた。
(なんだこれ？とｒくんがぽかんとしていると、)
なんだこれ？とＲくんがポカンとしていると、
(ふいにしっているなまえがきこえてきた。「とうきょうと、ｅがわｎひこさん。」)
ふいに知っている名前が聞こえてきた。「東京都、ＥガワＮヒコさん。」
(それは、きょねんうつできゅうしょくしたはてにみずからいのちをたってしまった)
それは、去年鬱で休職した果てに自ら命を絶ってしまった
(じょうしのｅさんのなまえだった。ぐうぜんのいっちかもしれないが、)
上司のＥさんの名前だった。偶然の一致かもしれないが、
(おもいがけないなまえをきいてしまいｒさんはぎょっとした。)
思いがけない名前を聞いてしまいＲさんはギョっとした。
(そうしていると、とうとつになまえのよみあげがおわった。)
そうしていると、唐突に名前の読み上げが終わった。
(さいごにだんせいが、かみからかおをあげてこちらをまっすぐみていった。)
最後に男性が、紙から顔を上げてこちらを真っ直ぐ見て言った。
(「いじょうが、こんしゅうてんばつがくだってしぬひとです。)
「以上が、今週天罰が下って死ぬ人です。
(それではまだつぎのどうがでおあいしましょう」)
それではまだ次の動画でお会いしましょう」
(ｒくんは、おもわずどうがのとうこうびをみた。)
Rくんは、思わず動画の投稿日を見た。
(きょねんの９がつ。ちょうど、ｅさんのふほうをきいたのとおなじじきだ。)
去年の9月。ちょうど、Eさんの訃報を聞いたのと同じ時期だ。
(ｒさんはきみがわるくなった。)
Rさんは気味が悪くなった。
(そしてついきになって、こめんとらんをのぞいてしまった。)
そしてつい気になって、コメント欄を覗いてしまった。
(そこにはずらりと、)
そこにはズラリと、
(「よこだみさとしにました。ありがとうございました。こうつうじこでした」)
「ヨコダミサト死にました。ありがとうございました。交通事故でした」
(「にしかわようこしにました。かじです。)
「ニシカワヨウコ死にました。火事です。
(ありがとうございました。またおねがいします」)
ありがとうございました。またお願いします」
(「さわのゆうじしにました。ありがとうございます。できしです」)
「サワノユウジ死にました。ありがとうございます。溺死です」
(「よしなかしょうたしにました。ありがとうございました。)
「ヨシナカショウタ死にました。ありがとうございました。
(てんらくしでした。つぎのおねがいします」)
転落死でした。次のお願いします」
(そしてそのなかには、)
そしてその中には、
(「ｅがわｎひこしにました。ありがとうございました。とびおりでした」)
「EガワNヒコ死にました。ありがとうございました。飛び降りでした」
(ｒきみはしょうどうてきに、ｙｏｕｔｕｂｅをけしていた。)
R君は衝動的に、ＹｏｕＴｕｂｅを消していた。
(ｅさんは、とびおりでしんだときいていた。)
Ｅさんは、飛び降りで死んだと聞いていた。
(しばらくして、しちょうりれきからもういちどどうがをみようとしたが、)
暫くして、視聴履歴からもう一度動画を見ようとしたが、
(すでにさくじょされていたという。)
既に削除されていたという。
(あのどうがはなんだったのか。てんばつとはなんなのか。)
あの動画はなんだったのか。天罰とはなんなのか。
(みなさんも、もしこんなどうがをみかけたときは、)
皆さんも、もしこんな動画を見かけた時は、
(じぶんのなまえがないか、くれぐれもきをつけてください。)
自分の名前がないか、くれぐれも気を付けてください。