らんらんと泣いて

(さくらんのはて、みらいをなげいたようね？)

錯乱の果て、未来を嘆いた様ね?

(「わたしはいま　あたりまえのこと、うかいしてさけながら)

「私は今　当たり前のこと、迂回して避けながら

(そ、とびたいんだ。」)

そ、飛びたいんだ。」

(どこにいくんだい、ねえ)

何処に行くんだい、ねえ

(まちがいをさがしたいだけのきたいは)

間違いを探したいだけの期待は

(おとをしった　こえをしった)

音を知った　声を知った

(「ありていのことばはいまさわれないや」)

「有り体の言葉は今触れないや」

(ってくりかえすきみはどうだい？)

って繰り返す君はどうだい?

(たいていのきょりかんははしたないきょうをただきらっていて、)

大抵の距離感ははしたない今日をただ嫌っていて、

(つないだてなどないんだ)

繋いだ手など無いんだ

(ないているわたしはいまさらになにをもとめたんだ？)

泣いている私は今更に何を求めたんだ?

(そこにはいない　そこにはいないや。)

其処にはいない　其処にはいないや。

(さ？)

さ?

(こきざみによるふたり　さびたてつくずのよう)

小刻みに寄る二人　錆びた鉄屑の様

(ふかく、しずんでは　また　すいめんからうかびあがる)

深く、沈んでは　また　水面から浮かび上がる

(らんらん、となきさけんだかのじょにこたえを)

らんらん、と泣き叫んだ彼女に答えを

(いいたいはずがない)

言いたい筈がない

(いいたいはずがないよ、ああ)

言いたい筈がないよ、ああ

(したいな、っていう)

したいな、っていう

(いきたいな、っていう)

いきたいな、っていう

(なんかいめのかんじょう？)

何回目の感情?

(みたいはずがない)

見たい筈がない

(みたいはずがないよ、ああ)

見たい筈がないよ、ああ

(たくさんのとげをはいている)

沢山の棘を吐いている

(わたしはいま)

私は今

(ここにはいない　ここにはいない)

此処にはいない　此処にはいない

(くりかえしてまた)

繰り返してまた

(ふりかえってまた)

振り返ってまた

(あいたくはないかな、って)

会いたくはないかな、って

(きみがいった)

君が言った

(だいたいのかんじょうをかくしかくしとおして)

大体の感情を隠し隠し通して

(いたったそこのそこでなにをわらっている？)

至った底の底で何を笑っている?

(あたりまえのことをうかいしてさけて)

当たり前のことを迂回して避けて

(とびこんだいろにどうそまっている？)

飛び込んだ色にどう染まっている?

(よってははなれをくりかえし、くりかえして)

寄っては離れを繰り返し、繰り返して

(ないているふたりはなぜ、わらっている？)

泣いている二人はなぜ、笑っている?

(しずんではうかぶをくりかえし、くりかえした)

沈んでは浮かぶを繰り返し、繰り返した

(しょうもないふたりはどこでわらっている？)

しょうもない二人は何処で笑っている?

(せいかんをあきらめたかのじょにねがいを)

静観を諦めた彼女に願いを

(こうかいなんてない)

後悔なんてない

(こうかいなんてないよ、ああ)

後悔なんてないよ、ああ

(みかんせいでも)

未完成でも

(きしかいせいのじょう)

起死回生の情

(からまっているきょうを)

絡まっている今日を

(どこにすててきたんだろう)

何処に捨ててきたんだろう

(「したいはずがない、したいはずがないよ」)

「したい筈がない、したい筈がないよ」

(ああ、らんらんとなきさけんだかのじょにこたえを)

ああ、らんらんと泣き叫んだ彼女に答えを