arizona / 稲葉浩志

(へっどらいとをけしてはしろうひえたじめんにねころがろう)

ヘッドライトを消して走ろう 冷えた地面にねころがろう

(なにかがとおくでほえているそれでもぼくはこわくない)

何かが遠くで吠えている それでも僕は怖くない

(みみにうるさいほどのしずけさふるさとをはなれたりあるさ)

耳にうるさいほどの静けさ ふるさとを離れたリアルさ

(だいちをふみしめくらすもののさけびをちいさなせなかにきけば)

大地を踏みしめ 暮らす者の 叫びを小さな背中に聞けば

(いたいよいたいよだれかそこをなでておくれ)

痛いよ痛いよ だれかそこをなでておくれ

(ともにすごしたあなたとのよろこびだけがよみがえりいたいよ)

ともに 過ごした あなたとの 歓びだけがよみがえり痛いよ

(いわかげはただたかくそびえかぜがしげみをおどらせてる)

岩影はただ高くそびえ 風がしげみを 踊らせてる

(ときのたんいはおおきくかわりなやめるたびびとたちをいやす)

時の単位は大きく変わり 悩める旅人たちを癒す

(みずのないかわをおよぐようにぼくらはひっしにもがいてた)

水のない河を泳ぐように 僕らは必死にもがいてた

(むすばれることはなれることでひとのきずなはつよくなってゆく)

結ばれること 離れることで 人の絆は強くなってゆく

(ゆめだろうすべてはうまれてくることしぬこと)

夢だろうすべては 生まれてくること 死ぬこと

(このままうもれてすてきなうまれかわりなどしんじてみようか)

このまま埋もれて 素敵な生まれかわりなど信じてみようか

(なにかがたりないとかわいたのどをふるわせて)

何かが足りないと 渇いた喉をふるわせて

(もはやひとりではいきられぬひよわなこころがさまよう)

もはやひとりでは 生きられぬ ひ弱な心がさまよう

(ゆめだろうゆめでしょうどこまでもねむりつづけよう)

夢だろう 夢でしょう どこまでも 眠りつづけよう

(あなたがただでぼくにくれたくちづけはほしのようにかがやきつづける)

あなたが ただで 僕にくれた くちづけは星のように 輝きつづける