怖い話《ヤッパリソウカ》
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問題文
(さくねんのあき、わたしとゆうじんがじっさいにたいけんしたできごとです。)
昨年の秋、私と友人が実際に体験した出来事です。
(それはつきに1、2どのぺーすでかいさいされる、なかまないでのつーりんぐのひでした。)
それは月に1、2度のペースで開催される、仲間内でのツーリングの日でした。
(そのひにあつまったのはぜんぶで5めい。けいかくは1ぱくふつかのしょうりょこうです。)
その日に集まったのは全部で5名。計画は1泊2日の小旅行です。
(おのおのじまんのあいしゃにまたがり、あさ7じにけんないにすむゆうじんaのまんしょんのちゅうしゃじょうに)
各々自慢の愛車に跨り、朝7時に県内に住む友人Aのマンションの駐車場に
(しゅうごうして、しずおかけんのしもだまでいき、1ぱくしていずしょとうをしゅうゆうしながら)
集合して、静岡県の下田まで行き、1泊して伊豆諸島を周遊しながら
(おいしいかいせんをたべまくり、かえりがけにはおんせんにたちよるけいかくでした。)
美味しい海鮮を食べまくり、帰りがけには温泉に立ち寄る計画でした。
(しょにちはてんこうにもめぐまれ、きもちのよいつーりんぐをたのしんでいたのですが、)
初日は天候にも恵まれ、気持ちの良いツーリングを楽しんでいたのですが、
(そのよくじつ、いざかえりのおんせんへというところで、てんきよほうにかえしてとつぜんの)
その翌日、いざ帰りの温泉へというところで、天気予報に反して突然の
(らいうにみまわれたわたしたちは、いったんみちのえきできんきゅうひなんをよぎなくされました。)
雷雨に見舞われた私達は、一旦道の駅で緊急避難を余儀なくされました。
(そのさい、みんなではなしあったけっか、そのひはそのままaのまんしょんまで、)
その際、みんなで話し合った結果、その日はそのままAのマンションまで、
(きゅうけいなしでかえることにしました。)
休憩なしで帰る事にしました。
(あめがこぶりになったたいみんぐでみちのえきをしゅっぱつしたのですが、)
雨が小降りになったタイミングで道の駅を出発したのですが、
(まわりがふくざつなやまにかこまれたちけいのせいか、とつぜんはげしくふったり、)
周りが複雑な山に囲まれた地形のせいか、突然激しく降ったり、
(かとおもうとしょうふりになったりをくりかえし、)
かと思うと小降りになったりを繰り返し、
(ばいくのりにとってはさいあくのこんでぃしょんがつづきました。)
バイク乗りにとっては最悪のコンディションが続きました。
(ぎじゅつてきにいちばんじょうずなsがつねにさいこうびをはしるやくまわりで、)
技術的に一番上手なSが常に最後尾を走る役回りで、
(せんとうをはしるのはわたしのたんとうだったのですが、そのときはよゆうがなかったので、)
先頭を走るのは私の担当だったのですが、その時は余裕がなかったので、
(みんながちゃんとついてきているのかどうかもわからず、)
みんながちゃんと付いてきているのかどうかも分からず、
(とにかくaのまんしょんをめざしいてひたすらにはしっていました。)
とにかくAのマンションを目指しいてひたすらに走っていました。
(やっとのおもいでずぶぬれになりながらaのまんしょんにたどりつくと、)
やっとの思いでずぶ濡れになりながらAのマンションに辿り着くと、
(ほどなくしてさんにんがとうちゃくしましたが、さいこうびをはしっていたはずのsがいません。)
程なくして三人が到着しましたが、最後尾を走っていたはずのSがいません。
(ほんらいならsのとうちゃくをまつべきところでしたが、みんなびしょぬれで)
本来ならSの到着を待つべきところでしたが、みんなびしょ濡れで
(あまりにもさむかったのと、いちばんうんてんぎじゅつのすぐれたsのことですから、)
あまりにも寒かったのと、一番運転技術の優れたSの事ですから、
(とくにしんぱいすることもなく、みんなでaのへやまでいって、)
特に心配する事もなく、みんなでAの部屋まで行って、
(からだをかわかしながらsをまつことになりました。)
体を乾かしながらSを待つ事になりました。
(「それにしてもs、おそいな」)
「それにしてもS、遅いな」
(「どっかですっころんだんじゃねぇの?」)
「どっかですっ転んだんじゃねぇの?」
(「とまりだったからきがえがあってよかったよ」)
「泊まりだったから着替えがあってよかったよ」
(そんなかるくちをたたきながら、ふとけいたいをみると、)
そんな軽口を叩きながら、ふと携帯を見ると、
(なんどもsからのちゃくしんがあったことにきづきました。)
何度もSからの着信があった事に気付きました。
(いやなよかんがして、あわてておりかえしのでんわをかけようとしたとき、)
嫌な予感がして、慌てて折り返しの電話を掛けようとした時、
(とつぜんaがこえをあらげたことで、でんわのおりかえしをさえぎられました。)
突然Aが声を荒げた事で、電話の折り返しを遮られました。
(「おいn!なんでおまえいつまでもびしゃびしゃなんだよ!!!」)
「おいN!なんでお前いつまでもビシャビシャなんだよ!!!」
(nは、さいこうびのsのまえをはしっていました。)
Nは、最後尾のSの前を走っていました。
(そのnにわたしたたおるは、みずがしたたるほどびしゃびしゃにぬれています。)
そのNに渡したタオルは、水が滴るほどビシャビシャに濡れています。
(「・・・わから、ない・・・なんで、だろう・・・」)
「・・・ワカラ、ナイ・・・ナンデ、ダロウ・・・」
(そういうnをかこうように、ふろーりんぐのゆかにはおおきなみずたまりができています。)
そう言うNを囲うように、フローリングの床には大きな水溜りが出来ています。
(わたしがそのじょうきょうをはあくしきれず、あっけにとられているととつぜん、)
私がその状況を把握しきれず、呆気に取られていると突然、
(てにもったけいたいがなりました。sからのでんわでした。)
手に持った携帯が鳴りました。Sからの電話でした。
(おそるおそるでんわにでると、sはふるえるこえで、こういいました。)
恐る恐る電話に出ると、Sは震える声で、こう言いました。
(「もしもし、おれ、いま、けいさつにいるんだけど・・・nが・・・)
「もしもし、俺、今、警察にいるんだけど・・・Nが・・・
(はしのらんかんにぶつかって・・・そのまましたのかわにおちて・・・)
橋の欄干にぶつかって・・・そのまま下の川に落ちて・・・
(し・・・しんだぞ!!」)
し・・・死んだぞ!!」
(「いや・・・でも・・・nはいま・・・」)
「いや・・・でも・・・Nは今・・・」
(わたしのうわずったこえにいへんをさっしたのか、)
私の上擦った声に異変を察したのか、
(そのばにいたぜんいんがnのほうへしせんをむけました。)
その場にいた全員がNの方へ視線を向けました。
(「お・・・おい・・・nおまえ・・・しんだらしいぞ!!1」)
「お・・・おい・・・Nお前・・・死んだらしいぞ!!1」
(わたしのことばに、nはさびしそうにうすらわらいをうかべ、こういいました。)
私の言葉に、Nは寂しそうに薄ら笑いを浮かべ、こう言いました。
(「・・・やっぱり・・・そうか・・・」)
「・・・ヤッパリ・・・ソウカ・・・」
(そういったしゅんかん、nのしんたいからしろいけむりのようなものがでて、みるみるりんかくが)
そう言った瞬間、Nの身体から白い煙のようなものが出て、みるみる輪郭が
(ぼやけていき、2、3びょうでぬれたたおるとみずたまりをのこしてきえてしまいました。)
ぼやけていき、2、3秒で濡れたタオルと水溜りを残して消えてしまいました。
(そのあとはぜんいんで、nがあんちされているけいさつにむかうため、)
その後は全員で、Nが安置されている警察に向かう為、
(ぬれたつなぎにあわててそでをとおし、ばいくのあるちゅうしゃじょうにおりると、)
濡れたつなぎに慌てて袖を通し、バイクのある駐車場に降りると、
(nのとめていたところだけがふしぜんにあいていました。)
Nの停めていたところだけが不自然に空いていました。