意味怖《雨》

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投稿者投稿者やゆいいね2お気に入り登録
プレイ回数332難易度(4.6) 1440打 長文
解説


雨が降っているのに友人がしし座流星群を見に行こう
と誘うのはおかしい。
僕が聞いた雨の音は
隣の女が風呂場で手首を切った時のシャワーの音。
更にずぶ濡れの女を見て、外も見ずに雨が降っていると
思い込んでしまったのだろう。
夕方うたた寝した時に既にシャワーの音がしていたという事が
20時過ぎに会った隣の女は・・・。

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問題文

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(きょうはすごくいそがしくてつかれたな・・・。)

今日はすごく忙しくて疲れたな・・・。

(ゆうがた、じたくにかえるなりぼくはたたみのうえにねころがりめをつぶる。)

夕方、自宅に帰るなり僕は畳の上に寝転がり目をつぶる。

(このちく40ねんのもくぞうにかいだてのあぱーとでひとりぐらしをはじめてからはんとしたつ。)

この築40年の木造二階建てのアパートで一人暮らしを始めてから半年経つ。

(すめばみやことはよくいったものだ。)

住めば都とはよく言ったものだ。

(さいしょはきになっていたじゅうみんのはなしごえ、てれびのおと、)

最初は気になっていた住民の話し声、テレビの音、

(あしおとすらもいまとなってはやさしいこもりうたのようにきこえてくる。)

足音すらも今となっては優しい子守唄の様に聞こえてくる。

(さらにおいうちをかけるかのように、)

更に追い打ちをかけるかのように、

(ざーざーとふりはじめたあめのおとがつかれきったぼくをねむりへとさそった。)

ザーザーと降り始めた雨の音が疲れ切った僕を眠りへと誘った。

(どのくらいねたのだろうか。)

どのくらい寝たのだろうか。

(「ぴろーんっ!」)

「ピローンッ!」

(めーるのおとでめがさめる。)

メールの音で目が覚める。

(ゆうじんからだった。)

友人からだった。

(「こんや、ししざりゅうせいぐんがみれるらしいからいっしょにみにいかないか?」)

「今夜、しし座流星群が見れるらしいから一緒に見に行かないか?」

(というないようだった。)

という内容だった。

(とけいをみるとじこくは20じをさしていた。)

時計を見ると時刻は20時を指していた。

(きょうみはあったが、からだがつかれすぎていてとてもみにいけるじょうたいではない。)

興味はあったが、体が疲れすぎていてとても見に行ける状態ではない。

(「わるい。きょうはたいちょうがわるいからぱすで」)

「悪い。今日は体調が悪いからパスで」

(ゆうじんにことわりのめーるをかえす。)

友人に断りのメールを返す。

(しばらくして、いえのいんたーほんが「ぴんぽん」となった。)

暫くして、家のインターホンが「ピンポン」と鳴った。

(ぼくはおもいからだをあげ、げんかんをあけるととなりにすむおんながたっていた。)

僕は思い体を上げ、玄関を開けると隣に住む女が立っていた。

など

(あめでぬれたのかぜんしんずぶぬれだった。)

雨で濡れたのか全身ずぶ濡れだった。

(「あの、きゅうきょとおくにいくことになったのでごあいさつにとおもいまして・・・」)

「あの、急遽遠くに行く事になったのでご挨拶にと思いまして・・・」

(とおんながいった。)

と女が言った。

(「あぁ、そうなんですか。わざわざごていねいにありがとうございます。」)

「あぁ、そうなんですか。わざわざご丁寧にありがとうございます。」

(ぼくがそうこたえると、おんなはえしゃくをしてさっていった。)

僕がそう答えると、女は会釈をして去って行った。

(いまどき、わざわざひっこしのあいさつにくるなんてけんきょなひとだな・・・。)

今時、わざわざ引越しの挨拶に来るなんて謙虚な人だな・・・。

(ぼくはそんなことをおもいながら、よるごはんをたべ、)

僕はそんな事を思いながら、夜ご飯を食べ、

(こんどはちゃんとねようとふとんにはいりねむりについた。)

今度はちゃんと寝ようと布団に入り眠りについた。

(ざーざーとあめはまだふりつづけていた。)

ザーザーと雨はまだ降り続けていた。

(よくあさ、そとがさわがしくてめがさめる。)

翌朝、外が騒がしくて目が覚める。

(どうやらとなりのおんながふろばでてくびをきってじさつしたらしい。)

どうやら隣の女が風呂場で手首を切って自殺したらしい。

(とおくへいくってそういういみだったのか・・・。)

遠くへ行くってそういう意味だったのか・・・。

(なんだかぼくはいたたまれないきもちになった。)

何だか僕はいたたまれない気持ちになった。

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