怖い話《電車にいた人》
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問題文
(ははおやからきいたはなし。)
母親から聞いた話。
(ははおやはいまでいうばりきゃりで、おおてこうこくだいりてんではたらいていた。)
母親は今でいうバリキャリで、大手広告代理店で働いていた。
(あさは6じだいのでんしゃにのり、かえりはしゅうでんかそのまえか。)
朝は6時台の電車に乗り、帰りは終電かその前か。
(そりゃしんしんともにすとれすをかんじるわけで、)
そりゃ心身ともにストレスを感じる訳で、
(かえりのでんしゃではためいきをつきながらぜつぼうかんにさいなまれていた。)
帰りの電車では溜息をつきながら絶望感に苛まれていた。
(じょうきゃくもまばらななか、ははおやからみてしょうめんみぎはしに)
乗客もまばらな中、母親から見て正面右端に
(あかちゃんをだっこしてふんふんとうたっているおんながいた。)
赤ちゃんを抱っこしてフンフンと歌っている女がいた。
(「こんなじかんにばかおやが・・・」)
「こんな時間に馬鹿親が・・・」
(そうおもい、ははおやがつめたいしせんをおくるとめがあい、)
そう思い、母親が冷たい視線を送ると目が合い、
(そのおんなはこちらにきづきはっとしたようにあたまをさげてうたうのをやめ、)
その女はこちらに気付きハッとしたように頭を下げて歌うのをやめ、
(うごきをちいさくし、あかちゃんをあやしていた。)
動きを小さくし、赤ちゃんをあやしていた。
(そのもうしわけなさそうにしているおんなをみると、いいとしでひとりみ、)
その申し訳なさそうにしている女を見ると、いい年で独り身、
(まいにちをしごとについやしているじぶんがなおさらみじめにかんじ、ますますいらだっていた。)
毎日を仕事に費やしている自分がなおさら惨めに感じ、益々苛立っていた。
(えきにつき、でんしゃをおりるさい、そのおんなをみおろしにらみつけたははおやはきょうがくした。)
駅に着き、電車を降りる際、その女を見下ろし睨みつけた母親は驚愕した。
(おんながだっこしていたのは「ぺんでかおがえがかれたきのまるた」だった。)
女が抱っこしていたのは「ペンで顔が描かれた木の丸太」だった。
(おんなはくりかえし、ははおやにあたまをさげたあと、あやしつづけていた。)
女は繰り返し、母親に頭を下げた後、あやし続けていた。
(ははおやはしごとをやめ、じもとのかいしゃにてんしょくした。)
母親は仕事を辞め、地元の会社に転職した。
(おれがうまれたときにとうじのことをつよくおもいだしたとか。)
俺が生まれた時に当時の事を強く思い出したとか。