怖い話《従兄弟の日記》1

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問題文

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(だいがくせいのいとこが、5がつまつにとつぜんじさつしてしまいました。)

大学生の従兄弟が、5月末に突然自殺してしまいました。

(へやでくびをつっているところをおばさんがはっけんしたそうで、)

部屋で首を吊っているところを叔母さんが発見したそうで、

(あめのひのそうしきはとてもくらく、おもいふんいきでした。)

雨の日の葬式はとても暗く、重い雰囲気でした。

(いとこはめいろうかいかつでゆうじんもおおく、とてもじさつをするようなたいぷには)

従兄弟は明朗快活で友人も多く、とても自殺をするようなタイプには

(みえませんでしたがおばさんはとてもじじょうをきけるようなせいしんじょうたいには)

見えませんでしたが叔母さんはとても事情を聞けるような精神状態には

(みえませんでしたので、けっきょくりゆうはわからずじまいでした。)

見えませんでしたので、結局理由は分からずじまいでした。

(それからしばらくして、とつぜんおばさんから)

それから暫くして、突然叔母さんから

(いとこのへやをかたづけるてつだいをたのまれました。)

従兄弟の部屋を片付ける手伝いを頼まれました。

(きもちのきりかえのためそうじをしたいが、)

気持ちの切り替えの為掃除をしたいが、

(おもたいものがあるからちからをかりたいとのことでした。)

重たい物があるから力を借りたいとの事でした。

(あまりのりきではなかったのですがしんせきのたのみをことわるわけにもいかず、)

あまり乗り気ではなかったのですが親戚の頼みを断るわけにもいかず、

(わたしはでんしゃでおばさんのいえにむかいました。)

私は電車で叔母さんの家に向かいました。

(ちかくのえきにつくと、おばさんがくるまでむかえにきてくれました。)

近くの駅に着くと、叔母さんが車で迎えにきてくれました。

(そうしきのときからはだいぶんたちなおれたようで、かおいろもずいぶんとましになっています。)

葬式の時からは大分立ち直れたようで、顔色も随分とマシになっています。

(わたしはすこしあんしんし、くるまにのりこみました。)

私は少し安心し、車に乗り込みました。

(「ほんとにわるいわねぇ。わたしひとりではそだいごみとかをはこべなくて。)

「ほんとに悪いわねぇ。私一人では粗大ゴミとかを運べなくて。

(これ、ばいとだいね。」)

これ、バイト代ね。」

(おばさんは1まんえんさつをわたしてくれ、わたしはやるきがみなぎりました。)

叔母さんは1万円札を渡してくれ、私はやる気がみなぎりました。

(「そだいごみをはこぶいがいのしごとはありそう?)

「粗大ゴミを運ぶ以外の仕事はありそう?

(へやのものをぜんぶすててしまうよてい?」)

部屋の物を全部捨ててしまう予定?」

など

(「えぇ。ちかいうちにあのいえからはひっこすつもりなの。)

「えぇ。近いうちにあの家からは引っ越すつもりなの。

(なるだけひっこしのにもつはすくなくしておきたいから。」)

なるだけ引越しの荷物は少なくしておきたいから。」

(「そっか。まかせといてよ。ちなみにひっこしさきはきまってるの?」)

「そっか。任せといてよ。ちなみに引越し先は決まってるの?」

(「うん、ちょっとしりあいのいえにね・・・」)

「うん、ちょっと知り合いの家にね・・・」

(おばさんのことばはぎれがわるくなったため、)

叔母さんの言葉歯切れが悪くなった為、

(それいじょうふよういなはつげんをしないようだまっておくことにしたわたしは)

それ以上不用意な発言をしないよう黙っておく事にした私は

(かれしなのかな・・・などとかんがえながら、まどのそとをながめていました。)

彼氏なのかな・・・などと考えながら、窓の外を眺めていました。

(ようやくいえにつき、わたしたちはさっそくにかいにあるいとこのへやへむかいました。)

ようやく家に着き、私達は早速二階にある従兄弟の部屋へ向かいました。

(へやのなかはとうじのままおいてあるようで、)

部屋の中は当時のまま置いてあるようで、

(たなやいすにうすらとほこりがつもっていました。)

棚や椅子にうすらと埃が積もっていました。

(おばさんもひさびさにへやにはいるようで、へやのなかをゆっくりとみまわすと、)

叔母さんも久々に部屋に入るようで、部屋の中をゆっくりと見回すと、

(とつぜんすすりなきはじめてしまいました。)

突然啜り泣き始めてしまいました。

(「このへやはわたしがそうじするからいいよ。)

「この部屋は私が掃除するからいいよ。

(おばさんはとりあえずほかのところそうじしといて。」)

叔母さんはとりあえず他のところ掃除しといて。」

(「ごめんね・・・」)

「ごめんね・・・」

(おばさんはあやまりながらいちかいへおりていきました。)

叔母さんは謝りながら一階へ降りていきました。

(さて、なにからてをつけたものか。)

さて、何から手をつけたものか。

(とりあえずつもったほこりからてをつけることにしたわたしは、)

とりあえず積もった埃から手を付ける事にした私は、

(ろうかにおいてあったそうじきであちこちのほこりをすいはじめました。)

廊下に置いてあった掃除機であちこちの埃を吸い始めました。

(しばらくしてみえるほこりをとりのぞきおわったわたしは、そうじきをろうかにだし、)

暫くして見える埃を取り除き終わった私は、掃除機を廊下に出し、

(こんどはたいりょうにあるほんをひとまとめにすることにしました。)

今度は大量にある本をひとまとめにする事にしました。

(ほんだなやべんきょうづくえ、ゆかにまでおかれたほんをかたづけていると、)

本棚や勉強机、床にまで置かれた本を片付けていると、

(わたしはふとべっどのしたのしゅうのうだなにめがいきました。)

私はふとベッドの下の収納棚に目が行きました。

(もしかして、ていばんのものがかくしてあったりするのではないか。)

もしかして、定番の物が隠してあったりするのではないか。

(そんなげすなことをかんがえながらたなをあけたわたしは、すこしがっかりしました。)

そんな下衆な事を考えながら棚を開けた私は、少しがっかりしました。

(くろいたなのなかにはなにもはいってなかったのです。)

黒い棚の中には何も入ってなかったのです。

(むねんをかんじつつたなをしめると、なかでことんというおとがします。)

無念を感じつつ棚を閉めると、中でコトンという音がします。

(ふたたびあけると、さきほどはきづかなかったくろいほんがなかにはいっていました。)

再び開けると、先程は気付かなかった黒い本が中に入っていました。

(どうやらくろいたなのはしのほうにくろいほんをたてておいていたようで、)

どうやら黒い棚の端の方に黒い本を立てて置いていたようで、

(なかなかかもふらーじゅだな、とおもいつつ、)

なかなかカモフラージュだな、と思いつつ、

(わたしはほんをよんでみることにしました。)

私は本を読んでみる事にしました。

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