魔法使いの約束「ベネットの酒場」5話

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問題文
(べねっとのみせ。)
……ベネットの店……。
(あなたが、しゃいろっく。)
……あなたが、シャイロック……。
(ええ、ぜひ。)
ええ、ぜひ……。
(ずっとさがしていたんです。)
ずっと探していたんです……。
(っ、ああ、ゆめがかなうひがくるなんて。)
……っ、ああ、夢が叶う日が来るなんて……。
(てんごくのもんをくぐったようなせいねんのかんげきぶりに、)
天国の門をくぐったような青年の感激ぶりに、
(まゆをさげて、しゃいろっくはわらった。)
眉を下げて、シャイロックは笑った。
(せいねんのせをだいて、みせのなかへとみちびく。)
青年の背を抱いて、店の中へと導く。
(かれのてがふれたしゅんかん、)
彼の手が触れた瞬間、
(せいねんはかみなりにうたれたようにふるえあがった。)
青年は雷に打たれたように震えあがった。
(たえかねたように、めがしらをおおってなきだす。)
耐えかねたように、目頭を覆って泣き出す。
(かんどうてきなしーんをむるがひやかした。)
感動的なシーンをムルがひやかした。
(しゃいろっく、わるいおとこだな。)
シャイロック、悪い男だな。
(どんなわかれかたをしたの?)
どんな別れ方をしたの?
(あなたじゃないんですから。)
あなたじゃないんですから。
(どうか、なかないでください。)
どうか、泣かないでください。
(おあいしたことはありませんよね?)
お会いしたことはありませんよね?
(は、はいっ。)
は、はい……っ。
(おれはろれんぞといいます。)
俺はロレンゾと言います。
(しんだそふから、このみせのことをきいて。)
死んだ祖父から、この店のことを聞いて……。
(さむい、ふゆのひ。こごえて)
寒い、冬の日……。凍えて
(しにかけていたときに、べねっとのみせのしゅじんに)
死にかけていた時に、ベネットの店の主人に
(さけをおごってもらったといっていました。)
酒を奢ってもらったと言っていました。
(あのとき、あのいっぱいがなければ、)
あの時、あの一杯がなければ、
(じぶんはしんでいただろうって。)
自分は死んでいただろうって……。
(あんなうまいさけはのんだことがないって。)
あんなうまい酒は飲んだことがないって。
(なんどもみせをさがしたけれど、)
何度も店を探したけれど、
(みつからないまま。)
見つからないまま……。
(あのさけをもういちど、っていいながら、)
あの酒をもう一度、って言いながら、
(じいさまはしんでいきました。)
じいさまは死んでいきました。
(そのごふこうがつづいて、)
その後不幸が続いて、
(かぞくがりさんして。だけど、)
家族が離散して……。だけど、
(べねっとのさけのはなしがわすれられなくて。)
ベネットの酒の話が忘れられなくて……。
(っ、やっと、みつけることができた。)
……っ、やっと、見つけることが出来た……。
(しゃいろっくははんかちをわたして、)
シャイロックはハンカチを渡して、
(やさしくほほえんだ。)
優しく微笑んだ。
(なんとなく、おもいだしましたよ。)
なんとなく、思い出しましたよ。
(あなたのおじいさまのこと。)
あなたのおじいさまのこと……。
(それでは、あのよるとおなじおさけをだしましょう。)
それでは、あの夜と同じお酒を出しましょう。
(ゆきとみかづきのあおいよるのかくてるです。)
雪と三日月の青い夜のカクテルです。
(さあ、おすわりになって。)
さあ、お座りになって。
(よかったね、ろれんぞさん。)
良かったね、ロレンゾさん。
(このおみせにくるのがゆめだったんだね。)
このお店に来るのが夢だったんだね。
(ゆめがかなって、ほんとうによかったね。)
夢が叶って、本当に良かったね。
(はいっ、ありがとうございますっ。)
はい……っ、ありがとうございます……っ。
(しゃいろっくがかれにだしたのは、)
シャイロックが彼に出したのは、
(ぎゃくさんかくのぐらすにいれられた)
逆三角のグラスに入れられた
(ぐんじょういろのおさけだった。)
群青色のお酒だった。
(ぐんじょうのかくてるのなかには、)
群青のカクテルの中には、
(つきのひかりと、こなゆきが、まどからみるけしきのように)
月の光と、粉雪が、窓から見る景色のように
(ひそやかにゆらめいている。)
ひそやかに揺らめいている。
(たいせつそうに、ひとくちのんで、)
大切そうに、一口飲んで、
(ろれんぞさんはしずかになみだをこぼした。)
ロレンゾさんは静かに涙をこぼした。