残灯花火

(よあせりのくらがりさりしなつのよい)

夜焦りの暗がり　去りし夏の宵

(ふたりながめてるの)

二人眺めてるの

(やみそらにはなたれるほどはかなく)

闇空に放たれるほど儚く

(ふらせいまこのせいにあかりはまだとおく)

降らせ今この静に　灯りはまだ遠く

(ゆらぎゆらがれるほど)

揺らぎ揺らがれるほど

(ただうかべばきえるそらをみあげた)

ただ浮かべば消える空を見上げた

(あなたにといかける)

あなたに問いかける

(さびしさとわかれはきりはなされぬのか)

寂しさと別れは　切り離されぬのか

(なるそらはなびのちるをみやって)

響る空花火の散るを見遣って

(なつがぼくらをそめあげるひかりになって)

夏が僕らを染め上げる光になって

(またねをいわさぬまま)

またねを言わさぬまま

(きみがぼくのてをつよくにぎれる)

君が僕の手を強く握れる

(かすかないみをさがすのかな)

微かな意味を探すのかな

(よかぜになぎをみるはなしはないのに)

夜風に凪を見る　話は無いのに

(ふたりながめてるの)

二人眺めてるの

(ただうかぶつきよあかりのした)

ただ浮かぶ月夜灯りの下

(もういかなきゃじゃあねまたあしたね)

もう行かなきゃじゃあねまた明日ね

(なんていいだすことですらままならぬいまの)

なんて言い出すことですら儘ならぬ今の

(ふたりずじょうにかがやけるほどみたしている)

二人頭上に輝けるほど満たしている

(ららきみがうそをかたりだして)

らら君が嘘を語り出して

(またねをいわんとするなら)

またねを言わんとするなら

(わすれないでとなみだごえかたりあっても)

忘れないでと涙声語り合っても

(いみなどないのかな)

意味など無いのかな

(よあせりのくらがりさりしなつのよい)

夜焦りの暗がり　去りし夏の宵

(ふたりながめてるの)

二人眺めてるの

(なるそらはなびのちるを)

響る空花火の散るを

(わらって)

笑って

(なつがぼくらをそめあげるひかりになって)

夏が僕らを染め上げる光になって

(またねをいわさぬまま)

またねを言わさぬまま

(やみよをさいごにかざらせるひかりに)

闇夜を最後に飾らせる光に

(ぼくらはいみをさがすのかな)

僕らは意味を探すのかな

(ゆめをみたんだきみがまたおとなになって)

夢を見たんだ君がまた大人になって

(またねもいわさぬまま)

またねも言わさぬまま

(わすれないよとかすれて)

忘れないよとかすれて

(きえてしまうけど)

消えてしまうけど

(それはみらいのはなし)

それは未来の話