修羅ノ庭

(はなとちるやわからころもめすたまゆらの)

華と散る夜話　唐衣召す　たまゆらの

(きゃらひたひたとなんばんのむすめきたれり)

伽羅　ひたひたと　南蛮の娘　来たれり

(もうそうｕｐｇｅｔｓまいそう)

～妄想　up　gets　埋葬！～

(ぬえにじょうかくかくまいそう)

～鵺、弐　淨　赫赫　舞僧！～

(ささのはのかげむらくもとおぼろづきよを)

笹の葉の影　叢雲と朧月夜を

(げにまんくのしゅぬりのうきふねでいく)

げに万紅の　朱塗りの浮船　でいく

(はなひらくおとのどうこくとりがかたるむじょうのぎょうそう)

花開く音の慟哭　鳥が語る無常の形相

(かぜのまいのほこらしさにつきがねじれてすざくへ)

風の舞の誇らしさに　月が捻れて朱雀へ

(ああただいのりねがへよ)

嗚呼、只、祈り願へよ

(はかなきさだめこのむじょうを)

儚き定め　個の無常を

(こよいはさつきのまにまに)

今宵は　皐月のまにまに

(かたわらにきみかなわぬゆめまぼろし)

傍らに君、叶わぬ夢幻

(いいややこややせんせいにいってやろ)

―良い嬰児　椰々　先制に一手　夜路―

(はい)

胚。

(あちぎなしとてせせらわらふからすやしゃと)

あちぎなしとて　せせら笑ふ鴉夜叉と

(あなやとくれるいぬねこはさすがなり)

あなやと暮れる　犬　猫は　さすがなり

(あまつのあめいたうふりしひとのといをつゆとこたえ)

天津の雨いたう降りし　人の問いを露と答え

(からきたてまつるそなたのそうしいわけなしうそごと)

唐木たてまつる其方の　草紙　いわけなし　嘘言

(ああありしひのしぐれ)

嗚呼、在りし日の時雨

(とめどなくふるまなこに)

とめどなく降る　眼に

(こよいはつきこまやかなり)

今宵は、月こまやかなり

(そのすがたにはじょうさえにほふ)

其の姿には　情さえ　にほふ

(ああただいのりねがえよ)

嗚呼、只、祈り願えよ

(はかなくまどふげにゆうひに)

果敢無く惑ふ　げに夕日に

(そのゆめはおとぎのまにまに)

其の夢は　御伽のまにまに

(さらわれていくかなわぬよおとりなり)

攫われていく　叶わぬ余、囮なり

(いいややこややせんせいにいってやろ)

―良い嬰児　椰々　先制に一手　夜路―