二代目閻魔

(たいへんだ！せんだいえんまがきえちゃった)

大変だ！先代閻魔が消えちゃった

(おだぶつっていうかついにいやんなって)

お陀仏っていうか遂に嫌んなって

(どっかいっちゃった)

どっか行っちゃった

(ごったがえすもうじゃげんばはだいこんらん)

ごった返す亡者現場は大混乱

(かきゅうてきすみやかになんとかしなくちゃ)

可及的速やかに何とかしなくちゃ

(なんとなくえらばれたてんかのぴっちひったー)

なんとなく選ばれた天下のピッチヒッター

(ごくそつんなかじゃせいぎかんもってはたらいていたが)

獄卒ん中じゃ正義感持って働いていたが

(とうぜんけいけんないかんぜんですくわーく)

当然経験ない完全デスクワーク

(ひきつぎしりょうもないままただ)

引継ぎ資料もないままただ

(じゃっじじゃっじじゃっじ)

ジャッジジャッジジャッジ

(いっしょうのしゅるいがおおすぎてものさしじゃつみとかはかれない)

一生の種類が多すぎてモノサシじゃ罪とか測れない

(どうせじぶんのはかりしだいならりょうけいは)

どうせ自分の秤次第なら量刑は

(よのためあらためわれがためだれのため？)

世の為改め我が為誰の為？

(あーめんどい！)

あーめんどい！

(はいりょがたんないからばつ)

配慮が足んないから罰

(ひとをうらぎったからばつ)

人を裏切ったから罰

(そごをうんだからばつ)

齟齬を生んだから罰

(だれもかれもぜんかうんぱん)

誰もかれも前科ウン犯

(あしをひっぱったからばつ)

足を引っ張ったから罰

(うそをついたからばつ)

嘘をついたから罰

(なんかきにいらないからばつばつばつ！)

なんか気に入らないから罰罰罰！

(だんだんこんらんするじゃすてぃす)

だんだん混乱するジャスティス

(りそうとはどこにあるのかしこうをごまかすように)

理想とはどこにあるのか思考をごまかすように

(にえたぎいるどうをのまされたさんざっぱら)

煮えたぎいる銅を飲まされたさんざっぱら

(いくらさばこうがへらないだいじゅうたい)

いくら裁こうが減らない大渋滞

(たまにひっこぬいたしたがおどってとっちらかった)

たまに引っこ抜いた舌が踊って取っ散らかった

(すうこうにおさまったじんせいのれきしが)

数行に収まった人生の歴史が

(べるとこんべあーできょうもはこばれてる)

ベルトコンベアーで今日も運ばれてる

(きよくありきれなくてつかれきったたましいは)

清くありきれなくて疲れ切った魂は

(かがみにうつったまっかなかおにそっくりだった)

鏡に映った真っ赤な顔にそっくりだった

(しじょうのわたしであろうとしたけっかだれもがもほうはんでだれもが)

至上の私であろうとした結果誰もが模倣犯で誰もが

(じゃっじじゃっじじゃっじ)

ジャッジジャッジジャッジ

(すくいきれないものだらけおたおたしてひたすらからまわり)

掬いきれないものだらけオタオタしてひたすら空回り

(おとしたとがこそがいきたしょうこならぜんりょくでうけとめるだけ！！)

落とした咎こそが生きた証拠なら全力で受け止めるだけ！！

(はんかんかったからばつ)

反感かったから罰

(よくがはみでてるからばつ)

欲がはみ出てるから罰

(よわねはいたからばつ)

弱音吐いたから罰

(いっせーのでぜんかうんぱん)

いっせーので前科ウン犯

(うだうだやかましいからばつ)

うだうだやかましいから罰

(みえをきったからばつ)

見栄を切ったから罰

(つぎにきたいしたいからばつばつばつ！)

次に期待したいから罰罰罰！

(さいげんないざいにんよあいしてる！)

際限ない罪人よ愛してる！

(あやまちはりそうのかけら)

過ちは理想のカケラ

(せっとどりんくをのみほしきょうもげんきにわれこそが)

セットドリンクを飲み干し今日も元気に我こそが

(にだいめえんま)

二代目閻魔

(とかいきごんでちょうしこきすぎた)

とか意気込んで調子こきすぎた

(おとしにおとしてはちだいじごくもきゃぱおーばー)

落としに落として八大地獄もキャパオーバー

(そうほうからのくじょうがひーとあっぷして)

双方からの苦情がヒートアップして

(あとがまのはんだんでさばかれた)

後釜の判断で裁かれた

(たった)

タッタ