田村 キリ
関連タイピング
問題文
(いかにきじんもたしかにきけ)
いかに鬼神も確かに聞け
(むかしもさるためしあり)
昔もさる例あり
(せんかたといいげきしんにつかえしおにも)
千方と云い逆臣に仕へし鬼も
(をおいをそむくてんばんにて)
王威を背く天罰にて
(せんかたをすつればたちまちほろびうせしぞかし)
千方を捨つれば忽ち亡び失せしぞかし
(ましてやまぢかきすずかやま)
ましてや間近き鈴鹿山
(ふりさけみればいせのうみ)
ふりさけ見れば伊勢の海
(ふりさけみればいせのうみ)
ふりさけ見れば伊勢乃海
(あののまつばらむらだちきたって)
安濃の松原むらだち来たつて
(きじんなこくうん)
鬼神ハ黒雲
(てっかをふらしつつ)
鐵火を降らしつゝ
(すせんぎにみをへんじてやまの)
數千騎に身を変じて山乃
(ごとくにみえたるところに)
如くにみえたる處に
(あれをみよふしぎやな)
あれを見よ不思議やな
(あれをみよふしぎやな)
あれを見よ不思議やな
(みかたのぐんびょうのはたのうえに)
味方の軍兵の旗の上に
(せんじゅかんのんのひかりをはなってこくうにひぎょうし)
千手観音の光を放って虚空に飛行し
(せんのみてごとに)
千乃御手毎に
(だいひのゆみには)
大悲の弓には
(ちえのやをはげて)
智慧の矢をはげて
(ひとたびはなせばせんのやさき)
一度放せば千乃矢先
(あめあられとふりかかって)
雨霰と降りかゝつて
(きじんのうえにみだれおつれば)
鬼神の上に乱れ落つれば
(ことごとくやさきにかかって)
ことごとく矢先にかゝつて
(きじんなのこらずうたれにけり)
鬼神ハ残らず討たれにけり
(ありがたし)
ありがたし
(ありがたしやまことにしゅそお)
ありがたしや實に呪詛
(しょどくやくねび)
諸毒薬念彼
(かんのんのちからをあわせてすなわちげんじゃくおほんにん)
観音ノ力を合はせて即ち還著於本人
(すなわちげんじゃくおほんにんの)
即ち還著於本人乃
(かたきはほろびにけりこれ)
敵ハ亡びにけりこれ
(かんのんのぶっりきなり)
観音乃佛力なり