先生 中編 -8-

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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
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1 | berry | 7831 | 神 | 7.9 | 97.9% | 416.0 | 3326 | 68 | 60 | 2025/04/27 |
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問題文
(ぶらうんかんのむこうがわではぷろれすちゅうけいをやっていた。)
ブラウン管の向こう側ではプロレス中継をやっていた。
(こわいかおのがいこくじんれすらーがまっとのなかやそとでおおあばれしていたけれど、)
恐い顔の外国人レスラーがマットの中や外で大暴れしていたけれど、
(こくいっこくとそのひょうじょうはかわり、どのしゅんかんにもおなじかおはなかった。)
刻一刻とその表情は変わり、どの瞬間にも同じ顔はなかった。
(にらむかお、つよがるかお、いたがるかお、わらうかお、ほえるかお。)
睨む顔、強がる顔、痛がる顔、笑う顔、吠える顔。
(つくろいものをしているばあちゃんとならんで、ぼくはてれびのまえにずっとすわっていた。)
繕い物をしているばあちゃんと並んで、僕はテレビの前にずっと座っていた。
(つぎのひ、すこしげんきになったしげちゃんがあさからそとへあそびにいったのを)
次の日、少し元気になったシゲちゃんが朝から外へ遊びに行ったのを
(みおくってから、ぼくはなつやすみがっこうへいくじゅんびをはじめた。)
見送ってから、僕は夏休み学校へ行く準備を始めた。
(せんせいにどうやってどうくつのことをはなそうかかんがえながらいちおうしゅくだいをやるふりを)
先生にどうやって洞窟のことを話そうか考えながら一応宿題をやるふりを
(していると、ばあちゃんがはたきをもってへやにはいってきた。)
していると、ばあちゃんがハタキを持って部屋に入ってきた。
(ぱたぱたとかぐやかべをたたいてまわり、ちょっとおもいものをどかすときに)
パタパタと家具や壁を叩いて回り、ちょっと重いものをどかす時に
(「えっへ」といいながらしょういちじかんはたきをかけていた。)
「エッヘ」と言いながら小一時間ハタキをかけていた。
(ぼくははやくでていきたかったけれど、なんとなくたいみんぐをうしなって)
僕は早く出ていきたかったけれど、なんとなくタイミングを失って
(どんどんほこりっぽくなっていくへやのなかでいらいらしていた。)
どんどん埃っぽくなっていく部屋の中でイライラしていた。
(するとひととおりはたきをかけおわったのか、ばあちゃんがこしをたたきながら)
すると一通りハタキを掛け終わったのか、ばあちゃんが腰を叩きながら
(めのまえにたつとぼくのかおをまじまじとみつめてきた。)
目の前に立つと僕の顔をまじまじと見つめてきた。
(そして、「あんた、つかれちょらんか」といった。)
そして、「あんた、つかれちょらんか」と言った。
(このに、みっかのあいだはたしかにいろいろあってつかれている。)
この二、三日のあいだは確かに色々あって疲れている。
(それでもたろちゃんがすぐたいいんできるとわかったし、)
それでもタロちゃんがすぐ退院できると分かったし、
(きのうあえなかったせんせいにはやくあいたかった。あって、はなしをしたかった。)
昨日会えなかった先生に早く会いたかった。会って、話をしたかった。
(ぼくは「べつに」といってたちあがり、さんぽしてくる、)
僕は「別に」と言って立ち上がり、散歩してくる、
(とばあちゃんをのこしてへやをでた。)
とばあちゃんを残して部屋を出た。
(そとはあいかわらずかんかんとひがてっていて、)
外はあいかわらずカンカンと火が照っていて、
(はんそでからのびるうでのなんじゅうにもなったひやけのあとがうずいた。)
半袖から伸びる腕の何重にもなった日焼けの跡が疼いた。
(かおみしりのおばさんとすれちがって「おはようございます」)
顔見知りのおばさんとすれ違って「おはようございます」
(なんてあいさつしながら、なんにもないみちをてくてくあるいていると)
なんて挨拶しながら、なんにもない道をてくてく歩いていると
(なんだかあしがおもいようなきがする。やっぱりつかれてるな。)
なんだか足が重いような気がする。やっぱり疲れてるな。
(あさごはんもおちゃわんいっぱいしかたべられなかったし。)
朝ご飯もお茶碗一杯しか食べられなかったし。
(それでもぼくのあしはすばらしくはやくうごいた。にゅうどうぐもがきたのやまの)
それでも僕の足は素晴らしく早く動いた。入道雲が北の山の
(りょうせんにおおきなかげをおとしている、そのさきをめざして。)
稜線に大きな影を落としている、その先を目指して。
(あっばーすちょうやこううまいやちょう、ふぁーてぃまちょうなどぶんれつ・けんこくを)
アッバース朝や後ウマイヤ朝、ファーティマ朝など分裂・建国を
(くりかえしたいすらむこっかはとるこやいべりあはんとう、)
繰り返したイスラム国家はトルコやイベリア半島、
(きたいんどなどにかくじつにせいりょくをのばしていった。)
北インドなどに確実に勢力を伸ばしていった。
(そのなかでろーまていこくのこうけいしゃびざんつていこくのりょうどにしんこうした)
その中でローマ帝国の後継者ビザンツ帝国の領土に侵攻した
(せるじゅーくちょうはきりすときょうのせいちえるされむまでもあっぱくしたので、)
セルジューク朝はキリスト教の聖地エルサレムまでも圧迫したので、
(ろーまきょうこうのごうれいのしたについたせいほうしょこくがこしをあげじゅうじぐんがけっせいされた。)
ローマ教皇の号令の下についた西方諸国が腰を上げ十字軍が結成された。
(せいこうにおわっただいいっかいえんせいのあとも、じゅうじぐんはとるこじんやえじぷとの)
成功に終わった第一回遠征の後も、十字軍はトルコ人やエジプトの
(さらでぃんなどあいてをかえながらだいに、だいさん、だいよんとつづいてけっきょく)
サラディンなど相手を変えながら第二、第三、第四と続いて結局
(だいななかいくらいまでいったらしいけれどいすらむせいりょくとはけっちゃくはつかなかった。)
第七回くらいまでいったらしいけれどイスラム勢力とは決着はつかなかった。
(それはそうだろう。いまだってたーばんをまいたりすかーふをしたりして)
それはそうだろう。今だってターバンを巻いたりスカーフをしたりして
(「いんしゅあらー」なんていってるひとがたくさんいるところを)
「インシュアラー」なんて言ってる人がたくさんいる所を
(てれびでみるんだから。みんなやられちゃったはずはない。)
テレビで見るんだから。みんなやられちゃったはずはない。
(あのひとたちが、せんせいからおしえてもらうれきしのさきにいるのだ。)
あの人たちが、先生から教えてもらう歴史の先にいるのだ。
(そうおもうと、せんせいのくちからかたられるとおいせかいのできごとも、)
そう思うと、先生の口から語られる遠い世界の出来事も、
(けっしてふぁんたじーのせかいのものがたりではなく)
けっしてファンタジーの世界の物語ではなく
(このぼくのいきているいまにつながっているのだとじっかんする。)
この僕の生きている今に繋がっているのだと実感する。
(すごいことがおきたら、そのすごいことがいまのにんげんのしゃかいのどこかにえいきょうしていり。)
凄いことが起きたら、その凄いことが今の人間の社会のどこかに影響している。
(だからぼくはほかのかもくにはないくらい、はらはらどきどきしながら)
だから僕はほかの科目にはないくらい、ハラハラドキドキしながら
(せんせいのじゅぎょうをうけた。かんじがたくさんでてくるちゅうごくのれきしはさわりだけで)
先生の授業を受けた。漢字がたくさん出てくる中国の歴史はさわりだけで
(かんべんしてもらったけれど。)
勘弁してもらったけれど。
(「で、どうしたの」)
「で、どうしたの」
(せかいしのこうぎがおわったやすみじかん、どうくつであったことをどうはなそうか)
世界史の講義が終わった休み時間、洞窟であったことをどう話そうか
(なやんでいるさいちゅうにせんせいのほうからきいてきた。おかげでぼくはびびって)
悩んでいる最中に先生の方から訊いてきた。おかげで僕はビビって
(にげたことをうまくごまかせずに、ぜんぶはなしてしまった。)
逃げたことを上手くごまかせずに、全部話してしまった。
(かっこわるいな。げんめつしたかな。)
かっこ悪いな。ゲンメツしたかな。
(せんせいはまどぎわのいつものせきにこしかけてしんけんなかおをしてきいている。)
先生は窓際のいつもの席に腰掛けて真剣な顔をして聞いている。
(はながらのしろいふくがさしこむたいようのひかりをはんしゃしてきらきらかがやいてみえた。)
花柄の白い服が射し込む太陽の光を反射してキラキラ輝いて見えた。
(けさ、せんせいはきのうぼくがこなかったことをおこりもせずに、)
今朝、先生は昨日僕がこなかったことを起こりもせずに、
(いつものえがおでにかいのまどからこうていのぼくにてをふってくれた。)
いつもの笑顔で二階の窓から校庭の僕に手を振ってくれた。
(きょうもだけど、きのうもほかのこはこなかったらしいから、)
今日もだけど、昨日もほかの子はこなかったらしいから、
(きっとせんせいはごぜんちゅうずっときょうしつでぼくをまっていたはずなのだ。)
きっと先生は午前中ずっと教室で僕を待っていたはずなのだ。