Sharon

(ただいまのかわりに)

「ただいま」の代わりに

(とびらのおとをころして)

扉の音を殺して

(くらいへやへとぬきあしさしあしで)

暗い部屋へと抜き足差し足で

(はいりこんでねむるひびのさきに)

入り込んで眠る日々の先に

(やっとかるくなったかばんをかたにかけて)

やっと軽くなったカバンを肩に掛けて

(こどものこえとびかうみち)

子供の声飛び交う道

(ねぶそくらしくもない)

寝不足らしくもない

(はやあるきですすむ)

早歩きで進む

(さびしいとつげることさえ)

「寂しい」と告げることさえ

(ためらってたあなたには)

躊躇ってたあなたには

(あふれだしそうを)

「溢れ出しそう」を

(あふれださしてほしいんだ)

溢れ出さして欲しいんだ

(どんなことばもちからぶそくなら)

どんな言葉も力不足なら

(はやくどあをあけよう)

早くドアを開けよう

(ただきをつけてとつたえ)

ただ「気をつけて」と伝え

(かえりをまちわびてた)

帰りを待ち侘びてた

(あなたのやさしさにはもうようはない)

あなたの優しさにはもう用はない

(わがままだけきかせて)

わがままだけ聞かせて

(ゆめやいきがいって)

夢や生き甲斐って

(ばかでかいえそらごとのなか)

馬鹿でかい絵空事の中

(あなたがいなくちゃ)

あなたがいなくちゃ

(なんにもないのとおなじ)

何にもないのと同じ

(ただいまおかえりのくだりが)

「ただいま、おかえり」のくだりが

(やけにひびく)

やけに響く

(とはいえくらしとは)

とはいえ暮らしとは

(りそうよりずっとせわしなく)

理想よりずっと忙しなく

(すぐにかばんのなかおもくなって)

すぐに鞄の中重くなって

(ようりょうのわるさに)

要領の悪さに

(われながらにあきれる)

我ながらに呆れる

(さびしいとつげることさえ)

「寂しい」と告げることさえ

(ためらってたあなたから)

躊躇ってたあなたから

(あふれだしそうを)

「溢れ出しそう」を

(あふれださしたのはぼくなのに)

溢れ出さしたのは僕なのに

(やくそくはもうぼろぼろになってた)

約束はもうボロボロになってた

(それでもわらってくれた)

それでも笑ってくれた

(うそつきがえらそうなこと)

嘘つきが偉そうな事

(またいうけれどゆるしてほしい)

また言うけれど許してほしい

(ゆうげんじっこうにはほどとおくても)

有言実行にはほど遠くても

(ちかうことで)

誓う事で

(あなたにささえてもらいながら)

あなたに支えてもらいながら

(すくわれながら)

救われながら

(ただきをつけてとつたえ)

ただ「気をつけて」と伝え

(かえりをまちわびてた)

帰りを待ち侘びてた

(あなたのやさしさにはもうようはない)

あなたの優しさにはもう用はない

(わがままだけきかせて)

わがままだけ聞かせて

(ゆめやいきがいって)

夢や生き甲斐って

(ばかでかいえそらごとのなか)

馬鹿でかい絵空事の中

(あなたがいなくちゃ)

あなたがいなくちゃ

(なんにもないのとおなじ)

何にもないのと同じ

(ただいまおかえりのくだりが)

「ただいま、おかえり」のくだりが

(ないひもきこえる)

ない日も聞こえる

(あしたははやくかえれるよ)

明日は早く帰れるよ

(おそらくだけど)

おそらくだけど

(いつもごめんほんと)

いつもごめんほんと