冬を描く

(ふゆのおとずれは)

冬の訪れは

(はがちればすぐに)

葉が散ればすぐに

(ぼくはこきゅうする)

僕は呼吸する

(しろいいきをはきだす)

白い息を吐きだす

(みをかくすように)

身を隠すように

(あるいてるまちのそらを)

歩いてる街の空を

(おちていく)

落ちていく

(かけらをみていた)

欠片を見ていた

(ふゆがおりてきて)

冬が降りてきて

(まちをそめていく)

街を染めていく

(おとがとおくなる)

音が遠くなる

(ひどくつめたいきせつ)

ひどく冷たい季節

(あるくあしあとも)

歩く足跡も

(うそをつくきょうも)

噓をつく今日も

(すべておおうように)

全て覆うように

(かくしていく)

隠していく

(てのひらにのせて)

手のひらにのせて

(とけてきえるひとつぶも)

溶けて消える一粒も

(ぽけっとのなかで)

ポケットの中で

(さがしているゆびさきも)

探している指先も

(ゆきがふってまちにだって)

雪が降って街にだって

(あなたのことばも)

あなたの言葉も

(ぼくにとってあわになって)

僕にとって泡になって

(とけたまほうみたい)

溶けた魔法みたい

(ゆきよふってふゆにまって)

雪よ降って冬に舞って

(よるがおわるまで)

夜が終わるまで

(てのひらからあたためてほしい)

手のひらから暖めてほしい

(ふゆになってまちにだって)

冬になって街にだって

(かくしたきもちも)

隠した気持ちも

(だれにだってあいたくって)

誰にだって会いたくって

(かわらずにいるから)

変わらずにいるから

(ゆきよふってふゆにまって)

雪よ降って冬に舞って

(こいがおわるまで)

恋が終わるまで

(すべてをおおいかくしてほしい)

すべてを覆い隠してほしい

(ふゆがすぎていた)

冬が過ぎていた

(はるをまちわびた)

春を待ち侘びた

(ぼくはこきゅうする)

僕は呼吸する

(あわいゆめをみている)

淡い夢を見ている

(だれかのあしあと)

誰かの足跡

(かさねてあるいた)

重ねて歩いた

(きょうをかくすように)

今日を隠すように

(みをかがめて)

身をかがめて

(そらのむこうから)

空の向こうから

(あすのかなたまで)

明日の彼方まで

(ぼくがいるばしょを)

僕がいる場所を

(そめていくせかいごと)

染めていく世界ごと

(とおくはなれても)

遠く離れても

(きおくはたしかに)

記憶はたしかに

(ぼくをつないでる)

僕を繋いでる

(あしあとがつづいてる)

足跡が続いてる

(ゆきがふってまちにだって)

雪が降って街にだって

(たしかなことばが)

たしかな言葉が

(ここにあってちゅうにまって)

ここにあって宙に舞って

(ぼくをつつんでいる)

僕をつつんでいる

(ゆきよふってまちにだって)

雪よ降って街にだって

(とかしたこころが)

溶かした心が

(とわになってあいになって)

永久になって愛になって

(かわらずにいるから)

変わらずにいるから

(ゆきよふってふゆにまって)

雪よ降って冬に舞って

(こいがおわるまで)

恋が終わるまで

(すべてをおおいかくしてほしい)

全てを覆い隠してほしい