四つの顔 -8-

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師匠シリーズ
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関連タイピング

問題文

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(そんなことをかんがえながらいえにかえりつき、かるくかいたあせをながすために)

そんなことを考えながら家に帰り着き、軽くかいた汗を流すために

(しゃわーをあびた。しゃんぷーをしているとき、いつもいじょうにせなかのほうが)

シャワーを浴びた。シャンプーをしている時、いつも以上に背中の方が

(きになった。めをとじているあいだ、うしろにだれかがいたらいやだというあのかんじ。)

気になった。目を閉じている間、後ろに誰かがいたら嫌だというあの感じ。

(しゃんぷーがしみるのをがまんしてちらちらとうすめをあけながら)

シャンプーが沁みるのを我慢してチラチラと薄目を開けながら

(はやめにせんぱつをきりあげる。)

早めに洗髪を切り上げる。

(ふろばからでてしばらくふとんのうえでまったりしていたが、)

風呂場から出てしばらく布団の上でまったりしていたが、

(おもいついてぱそこんのでんげんをいれる。)

思いついてパソコンの電源を入れる。

(ぶらうざをたちあげ、いつものけいじばんにはいりこんだとたん、)

ブラウザを立ち上げ、いつもの掲示板に入り込んだ途端、

(さいしんのかきこみにめをうばわれた。)

最新の書き込みに目を奪われた。

(「またdがきた。でていったあとにとってをみたらまたかぎがかかっていた」)

「またDがきた。出て行ったあとに取っ手を見たらまた鍵が掛かっていた」

(やましたさんだ。なんなんだこれは。)

山下さんだ。なんなんだこれは。

(いっしゅんぞくっとしたが、すぐにそのかきこみのいみをりかいする。)

一瞬ゾクッとしたが、すぐにその書き込みの意味を理解する。

(かきこまれたのは「dがふえている」というやましたさんのかきこみをみてから)

書き込まれたのは「Dが増えている」という山下さんの書き込みを見てから

(さわださんとふたりでかれのへやへいったあとだ。)

沢田さんと二人で彼の部屋へ行った後だ。

(かぎをかけてでていったdとはおれたちのことにちがいない。)

鍵を掛けて出ていったDとは俺たちのことに違いない。

(なんのわるふざけなんだこれだ。)

なんの悪ふざけなんだこれだ。

(るすにみせかけてどこかにかくれていたのか。あれほどさがしまわったのに。)

留守に見せかけてどこかに隠れていたのか。あれほど探し回ったのに。

(きぶんがわるい。やましたさんがなぜそんなことをするのか、)

気分が悪い。山下さんが何故そんなことをするのか、

(りゆうがおもいうかばなかった。)

理由が思い浮かばなかった。

(かいだんばなしをまにうけてのってきたおれたちにいたずらをしかけたということなのか。)

怪談話を真に受けて乗ってきた俺たちにイタズラを仕掛けたということなのか。

など

(「わさださんがれんらくどりちがってましたよ」)

「ワサダさんが連絡取り違ってましたよ」

(わさだとはさわださんのはんどるねーむだ。)

ワサダとは沢田さんのハンドルネームだ。

(そうかきこんでしばらくまってみたがはんのうがなかった。)

そう書き込んでしばらく待ってみたが反応がなかった。

(もうおちていたのだろう。)

もう落ちていたのだろう。

(ばからしくなってぱそこんをきりふとんにねころがった。)

バカらしくなってパソコンを切り布団に寝転がった。

(まったく、しんぱいしてそんした。)

まったく、心配して損した。

(けれどねむりにつくすこしまえ、さっきのかきこみのたいむすたんぷが)

けれど眠りにつく少し前、さっきの書き込みのタイムスタンプが

(ふとあたまにうかんだ。)

ふと頭に浮かんだ。

(あれ?)

あれ?

(そのじかんって、おれたちがまだへやにいたじかんじゃないか?まさか。)

その時間って、俺たちがまだ部屋にいた時間じゃないか?まさか。

(そんなはずはない。たぶんおれたちがへやをでてすぐにかきこんだんだろう。)

そんなはずはない。たぶん俺たちが部屋を出てすぐに書き込んだんだろう。

(かくればじょからはいでてきて。ほくそえみながら。)

隠れ場所から這い出てきて。ほくそ笑みながら。

(そんなことをおもいながらまぶたをとじた。)

そんなことを思いながら瞼を閉じた。

(よくじつ、ばいとがおわってこれからいえにかえりゆうはんをたべようというときに)

翌日、バイトが終わってこれから家に帰り夕飯を食べようという時に

(さわださんからでんわがあった。)

沢田さんから電話があった。

(きのうのやましたさんのかきこみをみて、ふぉーらむのかんりにんをしているめんばーに)

昨日の山下さんの書き込みを見て、フォーラムの管理人をしているメンバーに

(れんらくをとったのだそうだ。)

連絡を取ったのだそうだ。

(やはりさわださんもかきこみじかんがおかしいことにきがついたらしい。)

やはり沢田さんも書き込み時間がおかしいことに気がついたらしい。

(やましたさんが「まだdがきた」とかきこんだのは)

山下さんが「まだDがきた」と書き込んだのは

(じぶんたちがまだへやにいたじかんだった、とさわださんはだんげんする。)

自分たちがまだ部屋にいた時間だった、と沢田さんは断言する。

(「へやにいたときとけいみたからまちがいない」)

「部屋にいたとき時計見たから間違いない」

(だからあのかきこみはべつのだれかがしたものか、)

だからあの書き込みは別の誰かがしたものか、

(あるいはほんにんがべつのばしょにいてかきこんだか、そのどちらかだと。)

あるいは本人が別の場所にいて書き込んだか、そのどちらかだと。

(そうおもってかんりにんにといあわせると、「ほぼまちがいなくやましたさんが)

そう思って管理人に問い合わせると、「ほぼ間違いなく山下さんが

(いつものぱそこんでせつぞくしたもの」とのかいとうがあったのだとか。)

いつものパソコンで接続したもの」との回答があったのだとか。

(あくせすかいせきでわかるのだそうだ。)

アクセス解析で分かるのだそうだ。

(「これってどうおもう?」)

「これってどう思う?」

(「どうって。さあ。たしかにふしぎですけど」)

「どうって。さあ。確かに不思議ですけど」

(そうこたえたものの、あたまのなかにはいくつかのかのうせいがうかんでいた。)

そう答えたものの、頭の中にはいくつかの可能性が浮かんでいた。

(ひとつめ。やましたさんはいつもじぶんのいえではなく、)

ひとつめ。山下さんはいつも自分の家ではなく、

(べつのばしょからねっとにせつぞくしていた。)

別の場所からネットに接続していた。

(ふたつめ。おれたちがおふでであい、やましたさんだとにんしきしているじんぶつは、)

ふたつめ。俺たちがオフで出会い、山下さんだと認識している人物は、

(はんどるねーむ「やました」をなのるじんぶつとはべつじんだった。)

ハンドルネーム「山下」を名乗る人物とは別人だった。

(みっつめ。さわださんがあんないしてくれたあのへやは、)

みっつめ。沢田さんが案内してくれたあの部屋は、

(やましたさんのへやではなかった・・・・・)

山下さんの部屋ではなかった・・・・・

(げんじつてきなのは、ひとつめか。)

現実的なのは、ひとつめか。

(どうしてねっとかんきょうがあるのにわざわざじぶんのへやいがいで?)

どうしてネット環境があるのにわざわざ自分の部屋以外で?

(というぎもんはのこるが、ありえなくはない。)

という疑問は残るが、ありえなくはない。

(ふたつめはきもちのわるいかいとうだが、これまでのけいじばんやおふでのやりとりなどで)

ふたつめは気持ちの悪い回答だが、これまでの掲示板やオフでのやり取りなどで

(どういつじんぶつであることをうたがうりゆうはないようにおもわれた。)

同一人物であることを疑う理由はないように思われた。

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