王子とこじき 36

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数1難易度(4.5) 4177打 長文
作者 マーク・トウェイン

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(へんどんはひゅーともみあっていたが、だんだんあたまがさえてきた。) ヘンドンはヒューともみ合っていたが、だんだん頭が冴えてきた。 ((もともと、ひゅーはわるがしこいやつだった。きっと、ながいあいだにわるだくみをじっこうしたのだ) (元々、ヒューは悪賢いやつだった。きっと、長い間に悪だくみを実行したのだ (こいつをちからずくでいま、やっつけてもむだかもしれない)) こいつを力ずくで今、やっつけても無駄かもしれない) (そこで、いくらかてをゆるめると、ひゅーはひろまからにげさったのだ。) そこで、いくらか手を緩めると、ヒューは広間から逃げ去ったのだ。 (そのとき、じっといすにすわってかんがえこんでいたえどわーどのこえがひびいた。) その時、じっと椅子に座って考え込んでいたエドワードの声が響いた。 (「じつにおかしなことだ。まったくわけがわからないではないか」) 「実におかしなことだ。まったく訳がわからないではないか」 (へんどんは、すぐにこたえた。) ヘンドンは、すぐに答えた。 (「なにをおっしゃいます、ひゅーがわるいのです」) 「なにをおっしゃいます、ヒューが悪いのです」 (するとえどわーどはびっくりしたように) するとエドワードはびっくりしたように (「ひゅー?わたしがいまかんがえているのは、きゅうでんからいなくなったこくおうを) 「ヒュー?私が今考えているのは、宮殿からいなくなった国王を
(だれもさがしてはいないことだ」) 誰も探してはいないことだ」 ((そうだった。このこはいぎりすこくおうだといっていたっけ)) (そうだった。この子はイギリス国王だと言っていたっけ) (そうおもいなおしてはみたものの、へんどんにとって) そう思い直してはみたものの、ヘンドンにとって (いまはとても、えどわーどのごきげんをとってはいられない。) 今はとても、エドワードのご機嫌をとってはいられない。 (ところがえどわーどは、つづけてこういうのだった。) ところがエドワードは、続けてこう言うのだった。 (「すぐこくおうをさがしだせ、というおふれがでないはずはない。) 「すぐ国王を探し出せ、というおふれが出ないはずはない。 (やくにんどもは、なにをしているのだ・・・そうだ、いいことをおもいついたぞ) 役人どもは、なにをしているのだ・・・そうだ、いいことを思いついたぞ (へんどん、わたしはいまこそてがみをしたためる」) ヘンドン、私は今こそ手紙をしたためる」 (そういって、えどわーどはおおきなつくえのまえにすわるとぺんをもった。) そう言って、エドワードは大きな机の前に座るとペンを持った。 (「ねんのために、てがみはえいごとらてんごとぎりしあごでかこう。) 「念のために、手紙は英語とラテン語とギリシア語で書こう。
など
(みっつのことばでてがみをかけるのは、いぎりすこくおうくらいしかいないだろうからな。) 三つの言葉で手紙を書けるのは、イギリス国王くらいしかいないだろうからな。 (へんどん、あすにでもこのてがみをもって、ろんどんへいってくれ」) ヘンドン、明日にでもこの手紙を持って、ロンドンへ行ってくれ」 (こういわれると、へんどんもあわてた。) こう言われると、ヘンドンも慌てた。 (「ろんどんとおっしゃるが、ろんどんのどこへ?」) 「ロンドンとおっしゃるが、ロンドンのどこへ?」 (「きゅうでんさ。おじのはーふぉーどきょうにわたせばいい」) 「宮殿さ。おじのハーフォード卿に渡せばいい」 ((これはえらいことになった。あたまのおかしいこのてがみをもって、) (これはえらいことになった。頭のおかしい子の手紙を持って、 (きゅうでんなんかへやられたら、いったいどうなるか)) 宮殿なんかへやられたら、いったいどうなるか) (「おそれながら、へいか。ごらんになっていたとおり、いまのわたしはおおきなじけんに) 「恐れながら、陛下。ご覧になっていた通り、今の私は大きな事件に (まきこまれております。わたしが、まいるすへんどんだと、) 巻き込まれております。私が、マイルス・ヘンドンだと、 (どうしてもみとめさせないことには・・・」) どうしても認めさせないことには・・・」 (「だまれ、へんどん!」えどわーどはつくえをたたいて、ぴしりといった。) 「黙れ、ヘンドン!」エドワードは机を叩いて、ぴしりと言った。 (「・・・そなたひとりのことよりも、いぎりすぜんたいのことがさきだ。) 「・・・そなたひとりのことよりも、イギリス全体のことが先だ。 (それに、わたしがこくおうとしてきゅうでんへもどれば、わるいようにはしない」) それに、私が国王として宮殿へ戻れば、悪いようにはしない」 (そして、いっしんにぺんをうごかしててがみをかきはじめた。) そして、一心にペンを動かして手紙を書き始めた。 (そのうしろすがたをみながら、(はて、こうしたうすぐらいへやのなかでみると) その後ろ姿を見ながら、(はて、こうした薄暗い部屋の中で見ると (たしかにきひんがあって、ほんもののおうさまのようにみえるのは、どういうことだろう・・) 確かに気品があって、本物の王様のように見えるのは、どういうことだろう・・ (ほほう。みればほんとうにらてんごがかけるらしい。これでは、めいれいどおり) ほほう。見れば本当にラテン語が書けるらしい。これでは、命令通り (あしたはろんどんへいかなければならないかもしれないが・・・。) 明日はロンドンへ行かなければならないかもしれないが・・・。 (さて、わたしのことはいったいどうしたらいいのだろうか)) さて、私のことは一体どうしたらいいのだろうか) (へんどんがおもいなやんでいるあいだに、えどわーどはてがみをかきあげてわたした。) ヘンドンが思い悩んでいる間に、エドワードは手紙をかきあげて渡した。 (そしてそれを、へんどんはともかくぽけっとにいれたのである。) そしてそれを、ヘンドンはともかくポケットに入れたのである。 (このとき、とつぜんとびらがあいてえでぃすがこんどはしっかりとしたあしどりではいってきた。) この時、突然扉が開いてエディスが今度はしっかりとした足取りで入ってきた。 (へんどんは、こんなにはやくふたたびえでぃすにあえるとはおもっていなかったので) ヘンドンは、こんなに早く再びエディスに会えるとは思っていなかったので (「よかった、よかった、えでぃす。そなたがうそをつくひととはおもえない。) 「よかった、よかった、エディス。そなたが嘘をつく人とは思えない。 (どうかもういちど、わたしをよくみて・・・」) どうかもう一度、私をよく見て・・・」 (ところが、えでぃすはひややかにへんどんにいすをすすめた。) ところが、エディスは冷ややかにヘンドンに椅子を勧めた。 (そして「わたしがまいりましたのは、あなたにごちゅうこくもうしあげようとして) そして「私が参りましたのは、あなたにご忠告申し上げようとして (まいったのです。あなたはまじめなかたで、ごじぶんのゆめをほんとうのことと) 参ったのです。あなたは真面目な方で、ご自分の夢を本当のことと (おもっていらっしゃるのです」こういいきった。) 思っていらっしゃるのです」こう言い切った。 (へんどんが、おもわずくちをはさもうとすると、てでさえぎってつづけた。) ヘンドンが、思わず口を挟もうとすると、手で遮って続けた。 (「・・・もうそんなゆめははやくおわすれになることです。) 「・・・もうそんな夢は早くお忘れになることです。 (なぜかといえば、あまりそのことにこだわると、あなたのみがあぶないからです。) なぜかといえば、あまりそのことにこだわると、あなたの身が危ないからです。 (・・・あなたがわたくしどものみうちのものにそっくりでいらっしゃるから、) ・・・あなたが私共の身内の者にそっくりでいらっしゃるから、 (なお、きけんなのです」) なお、危険なのです」 (「いいえ、おくさま。かみにかけてもうします。わたしは、いまあなたがおっしゃった) 「いいえ、奥様。神にかけて申します。私は、今あなたがおっしゃった (みうちのもの・・・そのひとこそ、わたしです、ほんにんです」) 身内の者・・・その人こそ、私です、本人です」 (「・・・ああ、しんじこんでいらっしゃるのですね。) 「・・・ああ、信じ込んでいらっしゃるのですね。 (でも、どうかおきをつけください。いま、このむらでは、しゅじんにさからうものは) でも、どうかお気をつけください。今、この村では、主人に逆らうものは (ひとりもおりません。ひとをしあわせにするのも、ふこうにするのも、) 一人もおりません。人を幸せにするのも、不幸にするのも、 (しゅじんのきぶんひとつなのです。そして、あなたがしゅじんのあにに) 主人の気分ひとつなのです。そして、あなたが主人の兄に (それほどにていないのなら、しゅじんもあなたのゆめをこわさずにほうっておくでしょう。) それほど似ていないのなら、主人もあなたの夢を壊さずに放っておくでしょう。 (ところが、あなたはしゅじんのあににそっくりです。) ところが、あなたは主人の兄にそっくりです。 (それだけでも、あなたをひどいめにあわせます。なんとしてでもせけんのひとに) それだけでも、あなたをひどい目にあわせます。なんとしてでも世間の人に (あなたをうそつきのぺてんしだとおもいこませます・・・) あなたを嘘つきのペテン師だと思い込ませます・・・ (そして、あなたのみかたをするものは、このむらじゅう、やしきじゅうにだれひとりいないのです」) そして、あなたの味方をする者は、この村中、屋敷中に誰一人いないのです」 (これをきいて、へんどんはおもいきっていった。) これを聞いて、ヘンドンは思い切っていった。 (「そうかもしれません。こどものときからいっしょにそだって、) 「そうかもしれません。子どもの時から一緒に育って、 (かつてわたしをあいしてくれたひとに、うらぎりのことばをいわせるほどのちからが) かつて私を愛してくれた人に、裏切りの言葉を言わせるほどの力が (ひゅーにはあるのでしょうから」) ヒューにはあるのでしょうから」 (これをきいて、えでぃすはかおをあかくして、めをふせた。) これを聞いて、エディスは顔を赤くして、目を伏せた。 (だが、それでもまだこういうのだった。) だが、それでもまだこう言うのだった。 (「すぐにここをでていってください。でないと、しゅじんにころされます」) 「すぐにここを出て行ってください。でないと、主人に殺されます」 (「では、ひとつだけおたずねします。わたしのかおをよくごらんください。) 「では、一つだけお尋ねします。私の顔をよくごらんください。 (そしてわたしにへんじをしてください・・・わたしは、まいるすへんどんでしょうか」) そして私に返事をしてください・・・私は、マイルス・ヘンドンでしょうか」 (「いいえ・・・わたしは、あなたにおめにかかったことすらありません。) 「いいえ・・・私は、あなたにお目にかかったことすらありません。 (ともかく、はやくにげてください。でないと、とんでもないことになります」) ともかく、早く逃げてください。でないと、とんでもないことになります」 (だが、このえでぃすのことばはおそかった。) だが、このエディスの言葉は遅かった。 (このとき、ひゅーのよんだやくにんたちが、どかどかとふみこんできて) この時、ヒューの呼んだ役人たちが、どかどかと踏み込んできて (へんどんにおそいかかったのだ。) ヘンドンに襲い掛かったのだ。 (へんどんもえどわーどもつかまってしまったのだ。) ヘンドンもエドワードも捕まってしまったのだ。
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