目覚め -1-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文

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(だいがくいっかいせいのふゆだった。)

大学一回生の冬だった。

(そのころあぱーとでひとりぐらしをしていたおれは、)

そのころアパートで一人暮らしをしていた俺は、

(ねるときにまめでんきゅうだけをつけるようにしていた。)

寝る時に豆電球だけを点けるようにしていた。

(じっかにいたころはまめでんきゅうもつけないことがおおかったが、)

実家にいたころは豆電球も点けないことが多かったが、

(あぱーとではひとつだけあるべらんだにめんしたまどにあつでのかーてんをしていて、)

アパートでは一つだけあるベランダに面した窓に厚手のカーテンをしていて、

(よるはいつもそれをすきまなくしめきっていた。)

夜はいつもそれを隙間なく締め切っていた。

(だからまめでんきゅうもけしていると、よなかめがさめたときにかんぜんにまっくらやみに)

だから豆電球も消していると、夜中目が覚めた時に完全に真っ暗闇に

(なってしまい、でんきゅうのひもをさがすのもてさぐりで、)

なってしまい、電球の紐を探すのも手探りで、

(こころぼそいおもいをすることになるのだ。それがいやだったのだろう。)

心細い思いをすることになるのだ。それが嫌だったのだろう。

(あるよるいつものようにあかりをおとし、まめでんきゅうだけにしてべっどにたおれこんで、)

ある夜いつものように明かりを落とし、豆電球だけにしてベッドに倒れ込んで、

(ねむりについた。よなかのじゅうにじくらいだったとおもう。)

眠りについた。夜中の十二時くらいだったと思う。

(それからどれくらいねむっただろうか。)

それからどれくらい眠っただろうか。

(いしきのくうはくきかんがとつぜんおわり、あたまがはんぶんかくせいした。)

意識の空白期間が突然終わり、頭が半分覚醒した。

(めがあいていることでじぶんがめざめたことをしる。)

目が開いていることで自分が目覚めたことを知る。

(あたりはよるのうみのそこのようにしずかだ。)

あたりは夜の海の底のように静かだ。

(てんじょうのまめでんきゅうがほのかにしつないをてらしている。なんじくらいだろうか。)

天井の豆電球が仄かに室内を照らしている。何時くらいだろうか。

(かべのかけどけいをみる。めがねがないとはりがよくみえない。)

壁の掛け時計を見る。眼鏡がないと針がよく見えない。

(たんしんがしんやのさんじあたりをさしているようにもみえるが、)

短針が深夜の三時あたりを指しているようにも見えるが、

(まくらもとのどこかにあるであろうめがねをさがすのもおっくうだった。)

枕元のどこかにあるであろう眼鏡を探すのもおっくうだった。

(あたまはさめていてもからだはまだめいれいをこばんでいる。)

頭は覚めていても身体はまだ命令を拒んでいる。

など

(ぼんやりと、どうしてめがさめたのかかんがえる。)

ぼんやりと、どうして目が覚めたのか考える。

(でんわやめざましどけいのおとがなっていたこんせきはない。にょういもない。)

電話や目覚まし時計の音が鳴っていた痕跡はない。尿意もない。

(さいきんのすいみんぱたーんをおもいだしてもじつにきそくてきで、)

最近の睡眠パターンを思い出しても実に規則的で、

(こんなへんなじかんにめがさめるひつぜんせいはなかった。)

こんな変な時間に目が覚める必然性はなかった。

(いつもわりとねつきはよく、よなかになんどもめがさめるようなことはなくて、)

いつも割と寝つきは良く、夜中に何度も目が覚めるようなことはなくて、

(あさまでぐっすりということがおおかったのだが・・・・・)

朝までぐっすりということが多かったのだが・・・・・

(それでもたまにあるこんなときには、)

それでもたまにあるこんな時には、

(えたいのしれないきょうふしんがこころのおくそこでさわぐのをかんじる。)

得体の知れない恐怖心が心の奥底で騒ぐのを感じる。

(りゆうはない。あるいはむぼうびにいしきをとだえさせることにたいするげんしょてきなきょうふ、)

理由はない。あるいは無防備に意識を途絶えさせることに対する原初的な恐怖、

(ただよるがこわい、というそのほんのうがよみがえるのかもしれない。)

ただ夜が怖い、というその本能が蘇るのかも知れない。

(べっどであおむけのままもういちどねむろうとしてめをとじる。)

ベッドで仰向けのままもう一度眠ろうとして目を閉じる。

(ふかくいきをつくと、まどろみはじぶんのすぐしたにあった。)

深く息をつくと、まどろみは自分のすぐ下にあった。

(よくじつししょうにあったときに、ふとおもいついたことをいってみた。)

翌日師匠に会った時に、ふと思いついたことを言ってみた。

(おかるとにかんしてしとあおいでるひとだ。)

オカルトに関して師と仰いでるひとだ。

(「めがさめるとき、めをあけようとおもったかどうか、ねえ」)

「目が覚めるとき、目を開けようと思ったかどうか、ねえ」

(ししょうはさほどおもしろくもなさそうにくりかえした。)

師匠はさほど面白くもなさそうに繰り返した。

(「ええ。きのうのよなかにめがさめておもったんですけど。)

「ええ。昨日の夜中に目が覚めて思ったんですけど。

(めをあけるまえにさきにいしきがかくせいしていて、そのかくせいしたいしきで)

目を開ける前に先に意識が覚醒していて、その覚醒した意識で

(「めをあけよう」とおもっているのか、それともめをあけたしゅんかんに)

「目を開けよう」と思っているのか、それとも目を開けた瞬間に

(いしきがかくせいしてるのか。どっちなのかとおもいまして」)

意識が覚醒してるのか。どっちなのかと思いまして」

(どっちでもいいんじゃない、というかおをしたがいちおうかんがえているようだ。)

どっちでもいいんじゃない、という顔をしたが一応考えているようだ。

(「こじんてきにはめをとじたまま「あ、いまゆめからさめた」とおもったことはないなあ。)

「個人的には目を閉じたまま「あ、今夢から醒めた」と思ったことはないなあ。

(でもひとによるんじゃない?」)

でも人によるんじゃない?」

(「のうのどこかのはんしゃでめがあいて、そのめがあいたことでいしきがかくせいする、)

「脳のどこかの反射で目が開いて、その目が開いたことで意識が覚醒する、

(とか」)

とか」

(「さあねえ。でもそれならめがみえないひとはどうなるんだ」)

「さあねえ。でもそれなら目が見えない人はどうなるんだ」

(そうか。そういうひとたちはゆめからさめてもくらやみのなかだ。)

そうか。そういう人たちは夢から覚めても暗闇の中だ。

(つまりめがさめるきっかけはしかくてきなものではない。)

つまり目が覚める切っ掛けは視覚的なものではない。

(でもふだんしかくにたよっているじぶんたちが、)

でも普段視覚に頼っている自分たちが、

(そのしかくをふさがれていたらどうだろうか。)

その視覚を塞がれていたらどうだろうか。

(がんきゅうががいきにふれないようにかんぜんにてーぷかなにかでひらかないようにしてから)

眼球が外気に触れないように完全にテープか何かで開かないようにしてから

(ねむってみると、めがさめるしゅんかんはどのようにちかくされるのか?)

眠ってみると、目が覚める瞬間はどのように知覚されるのか?

(かんがえているときょうみがわいてきて、こんどためしてみようとおもった。)

考えていると興味が湧いてきて、今度試してみようと思った。

(「めがあくことがかくせいのきっかけなら、ずっとめざめないかもよ」)

「目が開くことが覚醒の切っ掛けなら、ずっと目覚めないかもよ」

(ししょうがいやらしいことをいう。でも、それはそれでおもしろいとおもうじぶんがいた。)

師匠がいやらしいことを言う。でも、それはそれで面白いと思う自分がいた。

(「でも」と、ししょうがことばをきり、そしてなにげないくちょうでつづけた。)

「でも」と、師匠が言葉を切り、そして何気ない口調で続けた。

(「ふだんじゅくすいできているひとが、よなかきゅうにめがさめるりゆうならしっている」)

「普段熟睡できている人が、夜中急に目が覚める理由なら知っている」

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