女の子って何で出来てる？

(あたししえるのまえではさいごまでかわいいすがたでいたかったな)

「あたし、シエルの前では最後まで可愛い姿でいたかったな…」

(りじー)

「リジー！」

(こんなこんなかわいくないすがたぜったいにしえるにだけはみせたくなかった)

「こんな…こんな可愛くない姿、絶対にシエルにだけは見せたくなかった」

(でもこんどはあたしがあなたをまもってみせる)

「でも、今度はあたしが貴方を守って見せる…！」

(わがなはえいこくきしだんだんちょうあれくしすれおんみっどふぉーどこうしゃくがむすめ)

「我が名は英国騎士団団長アレクシス・レオン・ミッドフォード侯爵が娘」

(えりざべすじょおうのばんけんのつま)

「エリザベス。女王の番犬の妻！」

(らんらららんらんらん)

ラン　ララ　ランランラン

(おんなのこってなにでできてる)

女の子って何で出来てる？

(おさとうすぱいすししゅうにだんす)

お砂糖　スパイス　刺繡にダンス

(すてきなすてきななにもかもそんなこんなでできてるの)

素敵な素敵な何もかも　そんなこんなでできてるの

(でもあたしはほかのおんなのことひとつだけちがってた)

「でも、あたしは他の女の子とひとつだけ違ってた」

(あたしがほーるでおどるのわるつじゃなかった)

「あたしがホールで踊るのはワルツじゃなかった」

(わぁっ)

「わあっ！」

(ふみこみがあまいぞしえるまあいいきょうはここまで)

「踏み込みが甘いぞ、シエル！まあいい、今日はここまで」

(だいじょうぶしえる)

「大丈夫？シエル」

(あんなつよいおんなのひとぼくはこわいなぼくのおよめさんになるのがりじーでよかった)

「あんな強い女の人…僕は怖いな。僕のお嫁さんになるのがリジーでよかった」

(ひとつとししたのかわいいあたしのふぃあんせ)

「ひとつ年下の可愛いあたしのフィアンセ」

(あたしそのときにきめたのしえるにまもられるおよめさんであろうって)

「あたし、その時に決めたの。シエルに守られるお嫁さんであろうって」

(およめさんってなにでできてる)

お嫁さんって何でできてる？

(ふわふわどれすぶーけにれーす)

ふわふわドレス　ブーケにレース

(かわいいかわいいなにもかもそんなこんなでできてるの)

可愛い可愛い何もかも　そんなこんなでできてるの

(でもあのひ)

「でもあの日…」

(ふぁんとむはいヴけがもえてるぞ)

「ファントムハイヴ家が燃えてるぞ～！」

(それはえいえんにかなわなくなってしまった)

「それは永遠に叶わなくなってしまった」

(まっくろなきもちのままないてないて)

「真っ黒な気持ちのまま泣いて、泣いて…」

(いっかげつがすぎたころとつぜんしえるがかえってきたまっくろなしつじをつれて)

「一ヶ月が過ぎたころ、突然シエルが帰ってきた。真っ黒な執事を連れて」

(ただいまえりざべす)

「…ただいま、エリザベス」

(つらくくるしいおもいをいっぱいしてちいさくほそくなってしまったあたしのふぃあんせ)

「辛く苦しい思いをいっぱいして小さく細くなってしまったあたしのフィアンセ

(あたしそのときにきめたのあたしはしえるをまもれるおよめさんになろうって)

「あたし、その時に決めたの。あたしはシエルを守れるお嫁さんになろうって」

(でもかわいいほうがいいな)

「でも…可愛いほうがいいな」

(おないどしのこはみんなかわいいはいひーるをはいているけど)

「同い年の子はみんな可愛いハイヒールを履いているけど…」

(はやくおとなにならなきゃってせのびしてるしえるのために)

「早く大人にならなきゃって背伸びしてるシエルのために」

(あたしはかかとのひくいこどもっぽいくつをはいてとなりでわらうの)

「あたしは踵の低い子供っぽい靴を履いて隣で笑うの」

(いまのわたしはなにでできてる)

今の私は何で出来てる？

(かかとのひくいくつあなたまもるけん)

踵の低い靴　貴方守る剣

(あぁかわいくないなにもかもかわいくなくていいいまだけは)

あぁ　可愛くない何もかも　可愛くなくていい　今だけは

(それであなたをまもれるなら)

それで貴方を守れるなら！