祈りの餌食

(しんこうのはてむくのねがい)

信仰の果て　無垢の願い

(そらのかっぷこーひーをそそぐ)

空のカップ、コーヒーを注ぐ

(こわれたとしてどしがたいな)

請われたとして度し難いな

(つごうのよいすうこうなひびだ)

都合の良い崇高な日々だ

(きんこうのかせくずのけはい)

均衡の枷 屑の気配

(われたかっぷとうひをのぞむ)

割れたカップ、逃避を望む

(あなたのいうあいとやらに)

あなたの言う「愛」とやらに

(きっとだれもきづきやしないな)

きっと誰も気づきやしないな

(みたされないわかっていても)

満たされない　分かっていても

(もとめあうことをとめられず)

求め合う事を止められず

(あのひのざんぞうがちらついた)

あの日の残像がちらついた

(めいていひどくがらんどうさいだん)

酩酊、酷く伽藍堂祭壇

(ひたすらにすがっていても)

只管に縋っていても

(のこされるものはしついだけ)

残されるモノは失意だけ

(はくしゅかっさいがなってやまない)

拍手喝采が鳴って止まない

(きそんせいをきらった)

既存性を嫌った

(いのりのこえはしゃおんせいの)

祈りの声は遮音性の

(あなたのけんおにかきけされていく)

あなたの嫌悪に掻き消されていく

(きげんつきのすうはいが)

期限付きの崇拝が

(あらたなうみをうんだ)

新たな膿を生んだ

(つくられたかみのげんそうで)

造られた神の幻想で

(ばかをてまねきいてる)

馬鹿を手招いてる

(つらなったぎねんはかまわずに)

連なった疑念は構わずに

(すべてををゆるしてめをとじた)

全てをを赦して目を閉じた

(きらびやかなあいおらいと)

綺羅びやかなアイオライト

(とめどなくながれるえんせいのち)

止め処なく流れる厭世の血

(さながらしんだとうげんきょうだった)

宛ら死んだ桃源郷だった

(せいさん、にぶくひかるせいめいだ)

凄惨、鈍く光る生命だ

(きたいすらすぐにきえて)

期待すら直ぐに消えて

(すくわれたあしとけいべつのめ)

掬われた足と軽蔑の眼

(されどかっさいはなってやまなくて)

然れど喝采は鳴って止まなくて

(いまもてんをあおいでいるこっけいなすがただ)

今も天を仰いでいる滑稽な姿だ！

(きょうしんはえごのざんぞうさ)

狂信はエゴの残像さ

(もうもくなあほうがかみをころしていく)

盲目な阿呆が神を殺していく

(きょげんはきのしゅうえんは)

虚言吐きの終焉は

(なんともぶざまなようそう)

なんとも無様な様相

(すくわれぬゆえのぼうそうで)

救われぬ故の暴走で

(なにもみえなくなる)

何も見えなくなる

(だせいのらいさんはここちよいか)

「惰性の礼賛は心地良いか？」

(すべてをむししてめをとじた)

全てを無視して目を閉じた

(ひとりですくいをまっている)

独りで救いを待っている

(あなたのねがいはとどかないけれど)

あなたの願いは届かないけれど

(ふくいんがぼくをよんでいる)

福音が僕を呼んでいる

(はるかとおくへいこう)

遥か遠くへ行こう

(いのりのえじきとなっていく)

祈りの餌食となっていく

(あなたをただみることしかできず)

あなたをただ見ることしかできず

(ひげきてきなしゅうまくは)

悲劇的な終幕は

(ぞんがいあじきなかった)

存外、味気無かった

(つまりはかみなどぼくたちの)

つまりは神など僕達の

(つごうよいそうぞう)

都合良い創造

(あいぞうもいかりこうかいも)

愛憎も怒り後悔も

(すべてをあいしてめをとじた)

全てを愛して目を閉じた