眼福

(なんにもやくにたたないことばかり)

何にも役に立たないことばかり

(おしえてほしいや)

教えて欲しいや

(あなたのそのくだらないはなしをあかりのふもとで)

あなたのそのくだらない話を灯りの麓で

(いまだけすべてみえないきこえないふりしてわらおうか)

今だけ全て見えない聞こえないふりして笑おうか

(なんにもやくにたたないことばかり)

何にも役に立たないことばかり

(おしえてほしいや)

教えて欲しいや

(きっとあなたとわたしは)

きっとあなたと私は

(いつまでもいっしょにいられない)

いつまでも一緒にいられない

(なにかたべようか)

何か食べようか

(ここではなしをしようか)

ここで話をしようか

(「そんじゃまたねあしたね」)

「そんじゃまたね明日ね」

(そんなふうにきょうをおえども)

そんな風に今日を終えども

(あしたなんてみたこともないのにさ)

明日なんて見たこともないのにさ

(ずいぶんあっけらかんとしてるわ)

随分あっけらかんとしてるわ

(のぞむのはかんたんだ)

望むのは簡単だ

(あなたのいるみらいが)

あなたのいる未来が

(ただこのめにうつるくらいでいい)

ただこの目に映るくらいでいい

(わたしはそれでがんぷくさ)

私はそれで眼福さ

(なんにもやくにたたないことばかり)

何にも役に立たないことばかり

(おしえてほしいや)

教えて欲しいや

(こうしてひっそりと)

こうしてひっそりと

(ときがすすむまましねたらぎょうこうさ)

時が進むまま死ねたら僥倖さ

(あめがふりおちはねるおとをきく)

雨が降り落ちはねる音を聞く

(あなたによりそっていま)

あなたに寄り添って今

(なんにもやくにたたないことばかり)

何にも役に立たないことばかり

(おしえてほしいや)

教えて欲しいや

(みずのないばすたぶにふたりつかりめをとじている)

水の無いバスタブにふたり浸かり目を閉じている

(あめがまどをつくここではなしをしようか)

雨が窓を突くここで話をしようか

(「きっとふたりはだいじょうぶさ」)

「きっと二人は大丈夫さ」

(こどもみたいにわらう)

子供みたいに笑う

(そのはなさきがほほをついてわらう)

その鼻先が頬を突いて笑う

(ことばをすててまたわらう)

言葉を捨ててまた笑う

(のぞむのはかんたんだ)

望むのは簡単だ

(あなたのいるみらいが)

あなたのいる未来が

(ただこのめにうつるくらいでいい)

ただこの目に映るくらいでいい

(わたしはそれでがんぷくさ)

私はそれで眼福さ

(「そんじゃまたねあしたね」)

「そんじゃまたね明日ね」

(そんなふうにきょうをおえども)

そんな風に今日を終えども

(あしたなんてみたこともないのにさ)

明日なんて見たこともないのにさ

(ずいぶんあっけらかんとしてるわ)

随分あっけらかんとしてるわ

(のぞむのはかんたんだ)

望むのは簡単だ

(あなたのいるみらいが)

あなたのいる未来が

(ただこのめにうつるくらいでいい)

ただこの目に映るくらいでいい

(わたしはそれでがんぷくさ)

私はそれで眼福さ

(わたしはそれでがんぷくさ)

私はそれで眼福さ