空を駆け下りて

(ねえうんめいがくるってしまったひのそらをまだおぼえてる)

ねえ　運命が狂ってしまった日の　空をまだ覚えてる？

(せかいじゅうのかなしいにもおれんじがともる)

世界中の「悲しい」にもオレンジが灯る

(ぼくのかげがきみをのせてく)

僕の影が君を乗せてく

(ねえいつだっけしらないうちにうまくわらえなくなった)

ねえ　いつだっけ？　知らないうちに　うまく笑えなくなった

(あいぞうやよくぼうなんかにふみつけられてなにもしんじられなくなったんだ)

愛憎や欲望なんかに踏みつけられて　何も信じられなくなったんだ

(ぼくのせなかをなでるくろかみそらをかけおりたきみをのせて)

僕の背中を撫でる黒髪　空を駆け下りた君を乗せて

(どこかでおわるたそがれのそらあのころのぼくたちをつれていく)

何処かで終わる黄昏の空　あの頃の僕達を連れて行く

(ねえしってるよとっくにきみはこのよにはいないってこと)

ねえ　知ってるよとっくに君は　この世にはいないってこと

(ぶあいそうなしかめっつらもめもとのくまもからかわれることもないんだね)

無愛想なしかめっ面も目元の隈も　からかわれることもないんだね

(そしてきみのとけいのはりがきょうはすこしさびついただけさ)

そして君の時計の針が　今日は少し錆びついただけさ

(かれはがくびすじをくすぐってみずたまりにそっとしずんだ)

枯れ葉が首筋をくすぐって　水たまりにそっと沈んだ

(どうしてだろうなみだがとまんないよ)

どうしてだろう　涙が止まんないよ

(きみのきもちもしらないふりでそらになげすてたかみひこーき)

君の気持ちも知らないフリで　空に投げ捨てた紙ヒコーキ

(なにもいらないなにもしらずにあのころのぼくたちにもどれたら)

何もいらない何も知らずに　あの頃の僕達に戻れたら

(きみとかぜをきったさかみちはいまじゃだれかのなみだがながれて)

君と風をきった坂道は　今じゃ誰かの涙が流れて

(そこにあったおもいでをしるのはもうのこすところぼくくらいらしい)

そこにあった思い出を知るのは　もう残すところ僕くらいらしい

(じゅうねんたっていろあせていつかあきられてわすれさられて)

10年たって色褪せて　いつか飽きられて忘れ去られて

(そしてぼくもきみのもとへそれでもひびけ)

そしてボクも君のもとへ　それでも響け

(ぼくのせなかをなでるくろかみそらをかけおりたきみをのせて)

僕の背中を撫でる黒髪　空を駆け下りた君を乗せて

(どこかでおわるたそがれのそらあのころのぼくたちをつれていく)

何処かで終わる黄昏の空　あの頃の僕達を連れて行く

(なつくさのいろくちをつぐんできみとしらぬままよるをかける)

夏草の色　口を噤んで　君と知らぬまま夜を駆ける

(どこかでおわるたそがれのそらあのころのぼくたちにもどれたら)

何処かで終わる黄昏の空　あの頃の僕達に戻れたら