終戦の詔勅

(しきりにむこをさっしょうしさんがいのおよぶところ)

頻ニ無辜ヲ殺傷シ惨害ノ及フ所

(しんにはかるべからざるにいたる)

真ニ測ルヘカラサルニ至ル

(しかもなおこうせんをけいぞくせんかついにわがみんぞくのめつぼうをしょうらいするのみならず)

而モ尚交戦ヲ継続セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス

(ひいてじんるいのぶんめいをもはきゃくすべし)

延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ

(かくのごとくんばちんなにをもってかおくちょうのせきしをほし)

斯クノ如クムハ朕何ヲ似テカ億兆ノ赤子ヲ保シ

(こうそこうそうのしんれいにしゃせんや)

皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ

(これちんがていこくせいふをしてきょうどうせんげんにおうぜしむるにいたれるゆえんなり)

是レ朕カ帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セシムルニ至レル所以ナリ

(ちんはていこくとともにしゅうしとうあのかいほうにきょうりょくせるしょめいほうにたいし)

朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対シ

(いかんのいをひょうぜざるをえず)

遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス

(ていこくしんみんにしてせんじんにしししょくいきにじゅんじひめいにたおれたるもの)

帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者

(およびそのいぞくにおもいをはせばごないためにさく)

及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ五内為ニ裂ク

(かつせんしょうをおいさいかをこむりかぎょうをうしないたるもののこうせいにいたりては)

且戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ

(ちんのふかくしんねんするところなり)

朕ノ深ク軫念スル所ナリ

(おもうにこんごていこくのうくべきくなんはもとよりじんじょうにあらず)

惟フニ今後帝国ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス

(なんじしんみんのちゅうじょうもちんよくこれをしる)

爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル

(しかれどもちんはじうんのおもむくところたえがたいきをたたえ)

然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所堪ヘ難キヲ堪ヘ

(しのびがたきをしのびもってばんせいのためにたいへいをひらかんとほっす)

忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス

(ちんはここにこくたいをごじしえてちゅうりょうなるなんじしんみんのせきせいにしんきし)

朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ

(つねになんじしんみんとともにありもしそれじょうのげきするところ)

常ニ爾臣民ト共ニ在リ若シ夫レ情ノ激スル所

(みだりにじたんをしげくしあるいはどうほうはいせいたがいにじきょくをみだり)

濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ乱リ

(ためにたいどうをあやまりしんぎをせかいにうしなうがごときは)

為ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ

(ちんもっともこれをいましむよろしくきょこくいっかしそんあいつたへ)

朕最モ之ヲ戒ム宜シク挙国一家子孫相伝へ

(かたくしんしゅうのふめつをしんじにんおもくしてみちとおきをおもい)

確ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ

(そうりょくをしょうらいのけんせつにかたむけどうぎをあつくししそうをかたくし)

総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ

(ちかってこくたいのせいかをはつようしせかいのしんうんにおくれざらんことをきすべし)

誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ

(なんじしんみんそれよくちんがいをたいせよ)

爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ体セヨ