樹の乙女～千年のヴィ―ゲンリート～

(いきていてごめんなさい)

生きていてごめんなさい

(よわねをはいたしょうじょむらのひととはちがうしろいかみ)

弱音を吐いた少女　村の人とは違う白い髪

(もりのおくのせんねんじゅ)

森の奥の千年樹

(かのじょはひざまずいてともだちがほしいってねがった)

彼女は跪いて　友達が欲しいって願った

(ぼくはかのじょのねがいかなえてあげたかった)

僕は彼女の願い　叶えてあげたかった

(だけどこのからだではできない)

だけどこの体ではできない

(そんなときにあらわれたきまぐれなまどうしが)

そんなときに現れた　気まぐれな魔道士が

(せいれいのぼくをひとにうまれかわらせた)

精霊の僕を人に　生まれ変わらせた

(ぼくはまだしらないもりのそとのせかいのことを)

僕はまだ知らない　森の外の世界のことを

(だからわからないあのこはどうしてないてるの？)

だからわからない　あの子はどうして泣いてるの？

(へいわでたいくつすばらしいことのはずなのに)

平和で退屈　素晴らしいことのはずなのに

(だけどわからないあなたはどうしてないてるの？)

だけどわからない　あなたはどうして泣いてるの？

(ゆめもしゅぞくもかちかんもことなるふたりがいまであった)

夢も種族も価値観も異なる二人が　今出会った

(せんねんのちかいひびけちのはてまで)

千年の誓い響け地の果てまで

(ほろびのうんめいつなぎとめるヴぃーげんりーと)

滅びの運命　つなぎとめるヴィーゲンリート

(あなたとのちがいだけどひかれあった)

あなたとの違い　だけど惹かれあった

(まもってあげるだからそばにいて)

守ってあげる　だからそばにいて

(せいれいのぼくがにんげんのわたしへとかわる)

精霊の僕が人間の私へと変わる

(このすがたでならあなたとわかりあえるかもね)

この姿でなら　あなたと分かり合えるかもね

(あたらしいまちでのくらしがこころをふるわせる)

新しい街での暮らしが　心を震わせる

(どんなばしょだってふたりいっしょならだいじょうぶ)

どんな場所だって　二人一緒なら大丈夫

(ひととしていきるよろこびすこしずつわかりはじめていった)

人として生きる喜び　少しずつわかり始めていった

(せんねんのちかいひびけそらをこえて)

千年の誓い響け空を越えて

(ほろびのうんめいつなぎとめるヴぃーげんりーと)

滅びの運命　繋ぎとめるヴィーゲンリート

(かわってくふたりさびしくはあるけれど)

変わってく二人　寂しくはあるけれど

(あなたのえがおみれるならばいい)

あなたの笑顔見れるならばいい

(よるのばんさんかいであったうみのくにのおう)

夜の晩餐会　出会った海の国の王

(ほろびのうんめいそこからうごきはじめたんだ)

滅びの運命　そこから動き始めたんだ

(わたしをあいしたかれはとなりのくにのおうじょの)

私を愛した彼は　隣の国の王女の

(きゅうこんをこばみいかりのほのおがくにをつつむ)

求婚を拒み　怒りの炎が国を包む

(はなればなれになるふたりいまならわかるあなたへのおもい)

離れ離れになる二人　今ならわかるあなたへの想い

(せんねんのちかいひびけあなたのもとへ)

千年の誓い響けあなたのもとへ

(たとえせいれいにもどれないとしても)

たとえ精霊に戻れないとしても

(かためたけついはもうゆらぐことはない)

固めた決意はもう揺らぐことはない

(あなたのことをあいしている)

あなたのことを愛している

(たとえせかいのすべてのひとがあなたをさげすみわらっても)

たとえ世界のすべての人が　あなたを蔑み笑っても

(わたしがあなたをまもるからあなたはいつでもわらっていて)

私があなたを守るから　あなたはいつでも笑っていて

(たとえせかいのすべてのひとがわたしをさげすみわらっても)

（たとえ世界のすべての人が　私を蔑み笑っても）

(ひつようとしてくれるひとがいるそれだけでしあわせだった)

（必要としてくれる人がいる　それだけで幸せだった）

(もしもあなたがぶじいきのびてそしてさいかいできたならば)

もしもあなたが無事生き延びて　そして再会できたならば

(もりでふたりなかよくくらそうよここでいつまでもまっているから)

森で二人仲良く暮らそうよ　ここでいつまでも待っているから

(くらいいどのそこよぞらにはきれいなつき)

暗い井戸の底　夜空には綺麗な月

(むねにはふかくささったないふ)

胸には深く刺さったナイフ

(きんのかみのしかくはいずこかへとたちさり)

金の髪の刺客は　何処かへと立ち去り

(あくいのしんじつはやみのなか)

悪意の真実は闇の中

(すきとおったしろいかみぶきようなえがお)

透き通った白い髪　不器用な笑顔

(どうかどうかいきていていきつづけて)

どうかどうか生きていて　生き続けて

(もしもあなたにあえたらつたえたいことがあったの)

もしもあなたに会えたら　伝えたいことがあったの

(もしもうまれかわれるならば)

もしも生まれ変われるならば

(うまれかわれるのならば・・・)

生まれ変われるのならば・・・