ノイズ

(ぼくたちはほんとのこころをかくしてる)

「ぼくたちは　ほんとのこころを　かくしてる」

(のどにふれるくちびるとあわになりきえるこえ)

喉に触れる唇と泡になり消える声

(あのひからきみのおとのとなりにいつだってぼくのこえ)

あの日からきみの音のとなりにいつだって　ぼくの声

(みつけてとどいて)

「みつけてとどいて」

(きみはきこえる)

きみは聴こえる？

(おわりとはじまりはせなかあわせ)

おわりとはじまりは背中合わせ

(まわりのくらがりをこえてさがせ)

周りの暗がりを越えて探せ

(きみをきかせて)

きみを　聴かせて

(ぼくがもしうたをすてられたららくになるの)

ぼくがもし歌を捨てられたら楽になるの？

(にげてもにげてもおとはぼくをさいなめるの)

逃げても逃げても音はぼくを苛めるの？

(ぼくがもしうたをけしされたららくになるの)

ぼくがもし歌を消し去れたら楽になるの？

(やみくもにさけびつづけるきみはもういないのに)

闇雲に叫び続けるきみはもういないのに

(うずのまえたつてのひらにうただけ)

渦の前立つ手のひらに歌だけ

(ぼくにしかないぶきはこれだけ)

ぼくにしかない武器はこれだけ

(いざおどりでよう)

いざ　躍り出よう

(くるくるおどるころがりまわるおとのうえ)

くるくる躍る転がりまわる　音の上

(まじわるかなでるうたうすなのおとのゆくえ)

交わる奏でる歌う　砂の音の行方

(ぐるぐるめぐるきみがつむいでるおとのるつぼへ)

ぐるぐる廻るきみが紡いでる音の坩堝へ

(とどけるようたを)

届けるよ歌を

(ねぇきいてよ)

ねぇ聴いてよ

(ざつおんそうおんはねるつらねる)

雑音騒音跳ねる連ねる

(かいてんくうてんゆれるけんばん)

回転空転揺れる鍵盤

(おとのうずあふれるてのばす)

音の渦溢れる手伸ばす

(おぼれるきみみつけだす)

溺れるきみ見つけ出す

(ずっときみにあいたかった)

「ずっときみに　あいたかった」

(あえてよかったきみに)

「あえてよかった　きみに」

(あいたかったあいたかった)

「あいたかった　あいたかった」

(あえてよかったきみに)

「あえてよかった　きみに」

(ひとりたたかうひびをおわろう)

ひとり戦う日々を終わろう

(あふれでるおとをつかもう)

溢れ出る音をつかもう

(ふたりで)

「ふたりで」

(きみとわらう)

きみと笑う

(めざすはとおくかすかにみえるつきあかり)

目指すは遠くかすかに見える　月明り

(てをとるあしふみならすそのゆびしめすひかり)

手を取る足踏みならす　その指しめす光

(つぎはぎだらけのふめんにそっとくちづけしよう)

継ぎ接ぎだらけの譜面にそっと　くちづけしよう

(きみがいるなら)

きみがいるなら

(いけるのさ)

行けるのさ

(くるくるおどるころがりまわるおとのうえ)

くるくる踊る転がり回る　音の上

(まじわるかなでるうたうすなのおとのゆくえ)

交わる奏でる歌う　砂の音の行方

(ぐるぐるめぐるどこまでもつづくおとのるつぼへ)

ぐるぐる廻るどこまでも続く　音の坩堝へ

(こころならせば)

こころ鳴らせば

(とどくのさ)

届くのさ

(きみへ)

きみへ