黒い羊

(しんごうはあおなのかそれともみどりなのか)

信号は青なのかそれとも緑なのか

(どっちなんだ)

どっちなんだ

(あやふやなものははっきりさせたい)

あやふやなものははっきりさせたい

(ゆうぐれどきのしょうてんがいのざっとうをとおりぬけるのがめんどうで)

夕暮れ時の商店街の雑踏を通り抜けるのが面倒で

(ふみきりをわたってとおまわりしてかえる)

踏切を渡って遠回りして帰る

(ほうかごのきょうしつはにがてだ)

放課後の教室は苦手だ

(そのばにいるだけでわかりあえてるようで)

その場にいるだけで分かり合えてるようで

(はなしあいにならないししらけてしまったぼくはむくちになる)

話し合いにならないし白けてしまった僕は無口になる

(いいたいこといいあってかいけつしようなんてらくてんてきすぎるよ)

言いたいこと言い合って解決しようなんて楽天的過ぎるよ

(だれかがためいきをついたそうそれがほんとうのこえだろう)

誰かがため息をついたそうそれが本当の声だろう

(くろいひつじそうだぼくだけがいなくなればいいんだ)

黒い羊そうだ僕だけがいなくなればいいんだ

(そうすればとまってたはりはまたうごきだすんだろう)

そうすれば止まってた針はまた動き出すんだろう

(ぜんいんがなっとくするそんなこたえなんかあるものか)

全員が納得するそんな答えなんかあるものか

(はんたいがぼくだけならいっそむしすればいいんだ)

反対が僕だけならいっそ無視すればいいんだ

(みんなからせっとくされるほうがいごこちわるくなる)

みんなから説得されるほうが居心地悪くなる

(めくばせしてるなかまにはぼくはやっかいものでしかない)

目配せしてる仲間には僕は厄介者でしかない

(まっしろなむれにわるめだちしてるじぶんだけが)

真っ白な群れに悪目立ちしてる自分だけが

(まっくろなひつじ)

真っ黒な羊

(といったっておなじいろにそまりたくないんだ)

といったって同じ色に染まりたくないんだ

(うすぐらいへやのあかりをつけるたいみんぐって)

薄暗い部屋の明かりをつけるタイミングって

(いったいいつなんだろう)

一体いつなんだろう

(すまほにはあいのないかこだけがのこってる)

スマホには愛の無い過去だけが残ってる

(にんげんかんけいのこたえあわせなんかぼくにはできないし)

人間関係の答えあわせなんか僕には出来ないし

(そこにいなければよかったとこうかいする)

そこにいなければ良かったと後悔する

(じんせいのたいはんはおもうようにはいかない)

人生の大半は思うようには行かない

(なっとくできないことばかりだしあきらめろと)

納得できないことばかりだしあきらめろと

(さとされてたけど)

諭されてたけど

(それならやっぱなっとくなんかしないまま)

それならやっぱ納得なんかしないまま

(そのたびになんどもつばをはいて)

そのたびに何度も唾を吐いて

(かみついちゃいけませんか)

噛み付いちゃいけませんか

(ぜんぶぼくのせいだ)

全部僕のせいだ

(くろいひつじそうだぼくだけがいなくなればいいんだ)

黒い羊そうだ僕だけがいなくなればいいんだ

(そうすればとまってたはりはまたうごきだすんだろう)

そうすれば止まってた針はまた動き出すんだろう

(ぜんいんがなっとくするそんなこたえなんかあるものか)

全員が納得するそんな答えなんかあるものか

(はんたいがぼくだけならいっそむしすればいいんだ)

反対が僕だけならいっそ無視すればいいんだ

(みんなからせっとくされるほうがいごこちわるくなる)

みんなから説得されるほうが居心地悪くなる

(めくばせしてるなかまにはぼくはやっかいものでしかない)

目配せしてる仲間には僕は厄介者でしかない

(わかってるよ)

わかってるよ

(しろいひつじなんてぼくはぜったいなりたくないんだ)

白い羊なんて僕は絶対なりたくないんだ

(そうなったしゅんかんにぼくはぼくじゃなくなってしまうよ)

そうなった瞬間に僕は僕じゃなくなってしまうよ

(まわりとちがうそのことでだれかにめいわくかけたか)

周りと違うそのことで誰かに迷惑かけたか

(かみのけをそめろというおとなはなにがきにいらない)

髪の毛を染めろという大人は何が気に入らない

(はんぎゃくのしょうちょうになるとでもおもっているのか)

反逆の象徴になるとでも思っているのか

(じぶんのいろとはちがうそれだけでやっかいものか)

自分の色とは違うそれだけで厄介者か

(みずからのしんじつをすてしろいひつじのふりをするものよ)

自らの真実を捨て白い羊のふりをするものよ

(くろいひつじをみつけゆびをさしてわらうのか)

黒い羊を見つけ指を差して笑うのか

(それならぼくはいつだって)

それなら僕はいつだって

(それでもぼくらはいつだって)

それでも僕らはいつだって

(ここでわるめだちしてよう)

ここで悪目立ちしてよう