幸せなボケ老人

(まぁうらじだからぐちゃぐちゃでいっか)

まぁ裏地だからぐちゃぐちゃでいっか

(まるまったかみくずのよこ)

丸まった紙屑の横

(だんだんとしかいのはしのほう)

段々と視界の端の方

(さらがかさんでいく)

皿が嵩んで行く

(へいたんなまいにちがつづいてはなすこともなくなって)

平坦な毎日が続いて話す事もなくなって

(きまずくなっていえをでるのだろうか)

気まずくなって家を出るのだろうか

(ずっとすきなものだけたべてそしたらはやじにすんのかな)

ずっと好きな物だけ食べてそしたら早死にすんのかな

(っておもってうたってかいてりゃあそれだけでいいや)

って思って歌って描いてりゃあそれだけでいいや

(ぼくがうごけなくなってなにもうみだせなくなって)

僕が動けなくなって何も生み出せなくなって

(そしたらなさけもなくわすれておくれ)

そしたら情けもなく忘れておくれ

(いつだっていまになれあおいあおいそらながめてしまうの)

いつだって今に慣れ青い青い空眺めてしまうの

(にじゅうでおやをはなれ)

二十で親を離れ

(とりあえずいきてきづいたらさんじゅうだ)

とりあえず生きて気づいたら三十だ

(それまでのきおくはきれいさっぱりおぼえてません)

それまでの記憶はきれいさっぱり覚えてません

(あさひがてらすしゃったーのらくがきがうつくしくて)

朝陽が照らすシャッターのラクガキが美しくて

(うごいていたあしがとまっていく)

動いていた足が止まって行く

(ぼくがうたをうたってるあいだきっとせかいはうつくしくて)

僕が歌を歌ってる間きっと世界は美しくて

(そらがあおくていけにはこいがおよぐだろう)

空が青くて池には鯉が泳ぐだろう

(ぼくがえをかいてるあいだきっとせかいはうつくしくて)

僕が絵を描いてる間きっと世界は美しくて

(みんなわらってしあわせにいきてるだろう)

みんな笑って幸せに生きてるだろう

(いつだってかわっていってしまう)

いつだって変わって行ってしまう

(だからおもいではうつくしいのだけれどもうもどれないから)

だから思い出は美しいのだけれどもう戻れないから

(あのひをおもってあのひをうたったって)

あの日を思ってあの日を歌ったって

(いまのぼくはつまんないままだぼくだけがたのしいだけだ)

今の僕はつまんないままだ僕だけが楽しいだけだ

(よくかきまぜてもよくかきまぜても)

よくかき混ぜてもよくかき混ぜても

(あれまったくもってあわだたないぼくのすきなおとたちよ)

あれ？全くもって泡立たない僕の好きな音達よ

(ぼくのぱっとしないせかいみんなつまんないはなしで)

僕のパッとしない世界みんなつまんない話で

(わらってないてうたっている)

笑って泣いて歌っている

(いやただなんかほら)

「いやただ…なんかほら…」

(くわずぎらいなのだろうあじわおうともしないで)

食わず嫌いなのだろう味わおうともしないで

(すきなものだけてーぶるにならべて)

好きな物だけテーブルに並べて

(ぼくがうたをうたってるあいだきっとせかいはうつくしくて)

僕が歌を歌ってる間きっと世界は美しくて

(そらがあおくていけにはこいがおよぐだろうｍｙｂａｂｙ)

空が青くて池には鯉が泳ぐだろう”My baby”

(ぼくがえをかいてるあいだきっとせかいはうつくしくて)

僕が絵を描いてる間きっと世界は美しくて

(きっとずっとずっとすきなものだけたべて)

きっとずっとずっと好きな物だけ食べて

(そしたらはやじにすんのかな)

そしたら早死にすんのかな

(っておもってうたってかいてりゃあそれだけでいいや)

って思って歌って描いてりゃあそれだけでいいや

(しんじゃったって)

死んじゃったって

(つまんないおとがきこえるしょくたくでごみくずならべて)

つまんない音が聞こえる食卓でゴミ屑並べて

(まんめんのえみでわらうぼくがいた)

満面の笑みで笑う僕がいた