空っぽに花を挿す

(ふこうでもないくるしくもない)

不幸でもない　苦しくもない

(たまになんのためにいきてるんだろうなっておもう)

たまに何のために生きてるんだろうなって思う

(それくらいだけ)

それくらいだけ

(はるがきたなまぬるいかぜがふいた)

春が来た　生ぬるい風が吹いた

(なぜだろうかおがあがんない)

なぜだろう　顔が上がんない

(ぼくのしあわせはなんだなんだなんだほんとうのぼくはどこにいるんだ)

僕の幸せは何だ？何だ？何だ？本当の僕はどこにいるんだ

(ぼくをうつせぼくをうつせきみがかがみになってぼくをうつせ)

僕を映せ僕を映せ　君が鏡になって僕を映せ

(どのかがみのぼくもわらってしんでっちゃうんだ)

どの鏡の僕も　笑って死んでっちゃうんだ

(じぶんでじぶんをうつしたらじぶんでじぶんをうつしたら)

自分で自分を映したら　自分で自分を映したら

(ぐちゃぐちゃなかおがこちらをみていた)

ぐちゃぐちゃな顔がこちらを見ていた

(このままずっとはなをみてきみとゆびさして)

このままずっと花を見て　君と指差して

(きょうかいにかべをつくってわのなかでわらうだけでいいかもな)

境界に壁を作って　輪の中で笑うだけでいいかもな

(だって)

だって

(からになったぺんをにぎってしろいかみにぐっとおしつけて)

空になったペンを握って　白い紙にぐっと押し付けて

(あれでてこないなんてやってるまに)

「あれ出てこない」なんてやってる間に

(ぐちゃぐちゃなかみとうたいたいとうめいなじがかさなって)

グチャグチャな紙と「歌いたい」透明な文字が重なって

(あさにおこされてじんせいにうもれていく)

朝に起こされて　人生に埋もれていく

(きょうもさいはきょうもさいはおなじひだ)

今日も賽は今日も賽は　同じ日だ

(なにもないますにたってきみとわらってそれだけでじゅうぶんだった)

何もないマスに立って　君と笑ってそれだけで十分だった

(ぺんもみあたらないからぺんもみあたらないから)

ペンも見当たらないから　ペンも見当たらないから

(しろいままおもいでだけをはっていこうか)

白いまま思い出だけを貼って行こうか

(はながさいていたそらがあおかった)

花が咲いていた　空が青かった

(そこにたっていてきみにめをうばわれた)

そこに立っていて君に目を奪われた

(これでいいきがしたずっとこのまま)

これだけでいい気がした　ずっとこのまま

(このままじゃぜんぶうしなうから)

このままじゃ全部失うから

(このしかいをこのおもいをこのめでみたけしきを)

この視界をこの思いをこの目で見た景色を

(のこしたいのこしたいからまたみたいから)

残したい残したいから　また見たいから

(うたをうたってえをかいてぜんぶしるしておきたいんだ)

歌を歌って絵を描いて全部　記しておきたいんだ

(そのためでいいじゃないかきちょうをうたったってむだだって)

そのためでいいじゃないか　記帳を歌ったって無駄だって

(やっぱなにもやっぱなにも)

やっぱ何もやっぱ何も

(なくなったみたいだはなびらちる)

なくなったみたいだ　花びら散る

(でもまだどっかにいるうたをうたいたいぼくを)

でもまだどっかにいる　歌を歌いたい僕を

(ふぶきでぜんぶかくしてよふぶきでぜんぶかくしてよ)

ふぶきで全部隠してよふぶきで全部隠してよ

(きれいだ)

綺麗だ

(ぼくをかくせぼくをかくせはなびらまいあがるちゅうはきみだ)

僕を隠せ僕を隠せ　花びら舞い上がる宙は君だ

(さいしょからなにもなかったろういつだってたあいもないこと)

最初から何もなかったろう　いつだって他愛もない事

(しるしてただけだったぜんぶそうだったんだろう)

記してただけだった　全部そうだったんだろう

(ふときみをみたらまたわらってぼくをみた)

ふと君を見たらまた笑って僕を見た

(もうわからないからはなをいこうきれいだ)

もうわからないから花を行こう　綺麗だ

(きみとみたはるが)

君と見た春が