ドルミア

(いちまるきゅうごうさんさんなな)

『1095337』

(めものみおぼえのないすうじ)

メモの見覚えのない数字

(とりあえずつづきをかたしてそうそうみてみよう)

「とりあえず続きを片して早々見てみよう。」

(うなるつうしんきかたるはやはりあのはなし)

唸る通信機　語るはやはりあの話

(もういいよだってここにいるんだもん)

「もういいよ。だってここにいるんだもん。」

(そっとけした)

そっと消した

(あしたもここでずっとねむるのかい)

「明日もここでずっと眠るのかい？」

(ゆれるこーどききなれたえらーおん)

揺れるコード聞きなれたエラー音

(どるみあどるみあおきてまたいっしょにたびをしよう)

「ドルミア、ドルミア起きて！また一緒に旅をしよう。」

(すすまないとけいのはりまたわらったきみのかおがみたいな)

進まない時計の針「また笑った君の顔が見たいな。」

(やつらにみつからぬようにひたすらにきみをなおすひびさ)

奴らに見つからぬようにひたすらに君を治す日々さ

(きょうもろけっとあがったみたいまたがらくたのやまをあさる)

「今日もロケットが上がったみたい。」またガラクタの山を漁る

(おもいっきりつくはずのためいきそっとのみこむ)

思いっきりつくはずのため息　そっと呑み込む

(うかぶきほうおよぐかみきみがばらばらにされたときのことをおもいだしたよ)

浮かぶ気泡液を泳ぐ髪「君がバラバラにされた時のことを思い出したよ。」

(あれからどのくらいたつのだろう)

あれからどのくらい経つのだろう

(くさるまいにちはくらべてもどれもおんなじだ)

腐る毎日は比べてもどれも同じだ

(きっとここだっていつかやつらにみつかるのに)

きっとここだっていつか奴らに見つかるのに

(あしたはひさびさにまちにでるかことばとはうらはらにゆがむひょうじょう)

「明日は久々に街に出るか。」言葉とは裏腹に歪む表情

(どるみあどるみあきいてあたらしいみせがでるみたい)

「ドルミア、ドルミア聞いて！新しい店が出るみたい。」

(ぬぐえないきょうふしんがあくむのだんぺんをぼくにみせる)

拭えない恐怖心が悪夢の断片を僕に見せる

(やめてよさんざんだあしおとがやけにみみにつく)

やめてよ散々だ　足音がやけに耳に付く

(くろいかげはじょじょにおしよせてかくれてもみぎてにはぱーつ)

黒い影は徐々に押し寄せて　隠れても右手にはパーツ

(そろりそろりいきをころすむすうのあしおとがこどうをせかす)

そろりそろり息を殺す　無数の足音が鼓動を急かす

(あふれだすきみとのおもいでこのぱーつときのうのすうじで)

溢れ出す君との思いで　このパーツと昨日の数字で

(きっとたぶんなおるはずさただはしった)

きっと多分治るはずさ　ただ走った

(どるみあ)

「ドルミア！」

(ごめんねばれちゃったみたいいんすとーるがおわるころにぼくは)

「ごめんね。バレちゃったみたい。」インストールが終わるころに僕は

(どるみあどるみあばいばい)

「ドルミア、ドルミアバイバイ。」

(せいじゃくあかいえんたーきーまじわらないとけいのはり)

静寂　赤いエンターキー　交わらない時計の針

(もうわらったきみのかおはみれないけどたぶんきみはめをさますから)

もう笑った君の顔は見れないけど　多分君は目を覚ますから

(ひたすらににしのほうににげてひたすらににしのほうににげて)

ひたすらに西の方に逃げて　ひたすらに西の方に逃げて

(またわらってそらをとべよ)

また笑って空を飛べよ