文豪ストレイドッグス迷？言集①

(わがあるじのためここでしんでいただきます)

我が主の為ここで死んで頂きます

(にい、さま、だい、じょう、ぶ？)

兄、様、大、丈、夫？

(かれにはじさつまにあのさいのうがあるよ)

彼には自殺愛好家の才能があるよ

(そのたましいのしんがんためさせてもらった)

その魂の真贋試させてもらった

(ちんぴらごときがよくもなおみをきずつけたね？ いのうりょく「ささめゆき」)

チンピラ如きがよくもナオミを傷つけたね？ 異能力「細雪」

(しをおそれよころしをおそれよ しをのぞむものひとしくしにのぞまるるがゆえに)

死を惧れよ　殺しを惧れよ 死を望む者等しく死に望まるるが故に

(おはつにおめにかかるやつがれはあくたがわ そこなこむすめとおなじくいやしきぽーとまふぃあのいぬ)

お初にお目にかかる　僕は芥川 そこな小娘と同じく卑しきポートマフィアの狗

(そこにころがるおなかまはいわばきさまのまきぞえ)

そこに転がるお仲間はいわば貴様の巻添え

(それがきさまのごうだじんこ きさまはいきているだけでしゅういのにんげんをそこなう)

それが貴様の業だ人虎 貴様は生きているだけで周囲の人間を損なう

(やつがれの「らしょうもん」はあくじき あらゆるものをくらう)

僕の「羅生門」は悪食 凡るモノを喰らう

(きさまもきょうからたんていしゃがいちぐう しゃのかんばんをけがすまねはするな)

貴様も今日から探偵社が一隅 社の看板を汚す真似はするな

(せんなくないてゆるされるのはおうてくれるおやのあるこのみ！)

詮無く泣いて許されるのは負うてくれる親のある児のみ！

(おやにもすてられたようながきになくしかくなどない！)

親にも捨てられたような餓鬼に泣く資格など無い！

(はぁーい、そこまでー)

はぁーい、そこまでー

(やってみたまえよ、やれるものなら)

やってみ給えよ、やれるものなら

(れいさいたんていしゃごときが！ われらはこのまちのあんぶそのもの！)

零細探偵社ごときが！ 我らはこの町の暗部そのもの！

(われらにさからっていきのこったものなどいないのだぞ！)

我らに逆らって生き残った者などいないのだぞ！

(しかり、ほかのだれよりあなたはそれをしょうちしている もとぽーとまふぃあのだざいさん)

然り、外の誰より貴方はそれを承知している 元ポートマフィアの太宰さん

(どうようはたつじんをもころす)

動揺は達人をも殺す

(おまえがまねきいれたじたいだ じぶんでできることをかんがえておけ)

お前が招き入れた事態だ 自分で出来る事を考えておけ

(いのうをみるのははじめてかね？)

異能を見るのは初めてかね？

(やはりしごとおわりのいっぷくはかくべつだな)

やはり仕事終わりの一服は格別だな

(「くろとかげ」をよべ)

「黒蜥蜴」を呼べ

(ふたりとも「しゅうげきにさいしせんし」とほうこくされたいか？)

二人とも「襲撃に際し戦死」と報告されたいか？

(あくたがわせんぱいがたんていしゃごときにひくなどあってはならない！)

芥川先輩が探偵社ごときに退くなどあってはならない！

(ま、まふぃあよりたんていしゃのほうがぶっちぎりでぶっそうじゃん)

マ、マフィアより探偵社のほうがぶっちぎりで物騒じゃん

(せかいさいこうののうりょくをもつこのめいたんていらんぽさんのじょげんがほしいってなきついてきてさ)

世界最高の能力を持つこの名探偵乱歩さんの助言が欲しいって泣きついてきてさ

(ぼくのいのうりょく「ちょうすいり」はたんていしゃいやこのくにでもさいこうのいのうりょくだ！)

僕の異能力「超推理」は探偵社いやこの国でも最高の異能力だ！

(たんていしゃいえぜんのうりょくしゃのりそうです)

探偵社いえ全能力者の理想です

(まさかにりゅうたんていじゃあるまいし じょしゅなんていらないよ)

真逆二流探偵じゃあるまいし 助手なんて要らないよ

(やはりしぬならびじんとのしんじゅうにかぎる！)

矢張り死ぬなら美人との心中に限る！

(どうせならわたしとしんじゅうしてくれればよかったのに！)

どうせなら私と心中してくれれば良かったのに！

(どうりょうであるぼくにもなぞだね)

同僚である僕にも謎だね

(まふぃあのほうふくのてぐちはみぶんしょうとおなじだ さいぶがみぶんをしょうめいする)

マフィアの報復の手口は身分証と同じだ 細部が身分を証明する

(ぼくのざゆうのめいは「ぼくがよければすべてよし」だからな！)

僕の座右の銘は「僕が良ければすべてよし」だからな！

(ざゆうのめい「きよくあかるくげんきなじさつ」)

座右の銘「清く明るく元気な自殺」

(ざゆうのめい「いきているならいいじゃない」)

座右の銘「生きているならいいじゃない」

(あつしくんよくみていたまえ あれがたんていしゃをささえるのうりょくだ)

敦君よく見てい給え あれが探偵社を支える能力だ

(ほんとうに、すべておみとおしなのですね)

本当に、凡てお見通しなのですね

(ごめん、なさい)

ごめん、なさい

(らんぽさんはのうりょくしゃじゃないのだよ)

乱歩さんは能力者じゃないのだよ

(ふたりはこいびとどうしだったのだよ)

二人は恋人同士だったのだよ

(らんぽさんのあのたいどをたんていしゃのだれもとがめないりゆうがさ)

乱歩さんのあの態度を探偵社の誰も咎めない理由がさ

(あつしくん、たんていしゃでけがだけはぜったいにしちゃだめだよ)

敦君、探偵社で怪我だけは絶っ対にしちゃ駄目だよ

(まずいとおもったらすぐにげる ききさっちのうりょくだね)

マズいと思ったらすぐ逃げる 危機察知能力だね

(がんらいまふぃあってのはきしゅうようちがほんぶんだ)

元来マフィアってのは奇襲夜討が本分だ

(れんちゅうを、ぶっとばす？)

連中を、ぶっ飛ばす？

(なにしろあたしらはぶそうたんていしゃだからねえ)

何しろ妾らは武装探偵社だからねえ

(おどろきだなぁ さいきんのじょせいはたふだ)

驚きだなぁ 最近の女性は頑丈だ

(てきのことごとくをきりきざめ「やしゃしらゆき」)

敵の盡くを斬り刻め「夜叉白雪」

(わたしのなはきょうか むつきで３５にんころした)

私の名は鏡花 六ヶ月で35人殺した

(なぜしはふかぎゃくなのだ？ なぜひとはいずれかならずしぬ？)

何故死は不可逆なのだ？ 何故人は孰れ必ず死ぬ？

(あんたがあほだからさ)

アンタがアホだからさ

(だれもすくわぬものにいきるかちなどない)

誰も救わぬ者に生きる価値などない

(そうしたらぼくはいきていてもいいってことにならないだろうか？)

そうしたら僕は生きていても良いって事にならないだろうか？

(しはいのちのそうしつさ)

死は命の喪失さ

(あたしたちいしゃがどんなにてをつくしてもかんじゃのいのちはゆびのあいだからこぼれおちる)

妾達医者がどんなに手を尽くしても患者の命は指の間から零れ落ちる

(いのちをだいじにしないやつはぶっころしてやる！)

命を大事にしない奴はぶっ殺してやる！

(わたしののうりょく「きみしにたもうことなかれ」はあらゆるがいしょうをちゆさせる)

私の能力「君死給勿」は凡百外傷を治癒させる

(ほどほどのけがをなおそうとおもったらまずはんごろしにしなくちゃならない)

程々の怪我を治そうと思ったらまず半殺しにしなくちゃならない

(おもいがあるならことばにしなきゃだめだ)

思いがあるなら言葉にしなきゃ駄目だ

(かのじょはじぶんのいのうりょくをじぶんであやつれないんだ！)

彼女は自分の異能力を自分で操れないんだ！

(もうこれいじょうひとりだってころしたくない)

もうこれ以上一人だって殺したくない