夜想曲

(ひとつだけゆるされるならとおざかるよあけ)

"ひとつだけ許されるなら…" 遠ざかる夜明け

(ゆきばしょはきめられていない)

行き場所は決められていない

(こどくのおきばもない)

孤独の置き場もない

(にぎったてはもとめるほどにもつれて)

握った手は求めるほどに もつれて

(きえることないきおくのあとにおさないきみがすむ)

消える事ない記憶の痕に 幼い君が住む

(まもるためのはをとがらせて)

守るための刃をとがらせて

(むくわれぬあいにささげよう)

報われぬ愛に捧げよう

(くものまにつきはみちかけ)

雲の間に 月は満ち欠け

(かすかなねがいとぎれても)

微かな願い途切れても

(ひきさかれやがてまたひきあう)

引き裂かれ やがてまた引き合う

(それがひつぜんなら)

それが必然なら…

(ひとつだけゆるされるなら)

ひとつだけ許されるなら

(ただきずをわけあいたい)

ただ傷を分け合いたい

(ぼくらはどこへむかうのとおざかるよあけ)

僕らはどこへ向かうの？遠ざかる夜明け

(きみのめをそのほおをかなしみがぬらさぬように)

君の目を その頬を 悲しみが濡らさぬように

(てらしていよう)

照らしていよう

(このみちにしずまぬひがさすように)

この路に 沈まぬ陽が射すように

(すがるのはこわいからじゃない)

執着るのは 怖いからじゃない

(うしなうものなどない)

失うものなどない

(もたれかかるきみをつつんでねむりたい)

もたれかかる君を包んで 眠りたい

(おともなくすなはながれて)

音もなく 砂は流れて

(すべてがかこにかわっても)

すべてが過去に変わっても

(しっこくのそらはさらにふかくふたりだけをかくす)

漆黒の空は さらに深く 二人だけを隠す

(このいのちつづいてゆくなら)

この命 続いて(ゆ)くなら

(きみのためだけにいかされるだけそのさいごまで)

君のためだけに生かされるだけ その最期まで

(ひとつだけゆるされるなら)

ひとつだけ 許されるなら

(ただきずをわけあいたい)

ただ 傷を分け合いたい

(こたえはもうさがさないはてのないよるへ)

答えはもう探さない 果てのない夜へ…

(きみのめをそのほおをかなしみがぬらさぬように)

君の目を その頬を 悲しみが濡らさぬように

(てらしていよう)

照らしていよう

(このみちにしずまぬひがさすように)

この路に 沈まぬ陽が射すように