もののけ姫 ②エボシの秘密と怒るアシタカ
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問題文
(あなたはやまのかみのもりをうばいたたりがみにしてもあきたらずそのいしびやで)
あなたは山の神の森を奪いタタリ神にしても飽き足らずその石火矢で
(さらにあらたなうらみとのろいをうみだそうというのか)
更に新たな恨みと呪いを生み出そうというのか!!?
(そなたにはきのどくだったあのつぶてたしかにわたしがはなったもの)
そなたには気の毒だった。あのつぶて確かに私が放ったもの。
(おろかないのししめのろうならわたしをのろえばいいものを)
愚かなイノシシめ。呪うなら私を呪えばいいものを…
(そのみぎうではわたしをころそうとしているのか)
その右腕は私を殺そうとしているのか。
(のろいがきえるならわたしもそうしようだがこのみぎうでそれだけではとまらぬ)
呪いが消えるなら私もそうしよう。だが、この右腕、それだけではとまらぬ。
(ここのものすべてをころすまでしずまらぬか)
ここの者全てを殺すまで鎮まらぬか。
(えぼしさまそのわかもののちからあなどってはなりません)
エボシさまその若者の力あなどってはなりません。
(おわかいかたわたしものろわれたみゆえあなたのいかりやかなしみはよくわかる)
お若い方、私も呪われた身ゆえあなたの怒りや悲しみはよく分かる。
(わかるがどうかそのひとをころさないでおくれ)
わかるが、どうかその人を殺さないでおくれ。
(そのひとはわしらをひととしてあつかってくださったたったひとりのひとだ)
その人はワシらを人として扱って下さった、たった一人の人だ。
(わしらのやまいをおそれずわしのくさったにくをあらいぬのをまいてくれた)
ワシらの病を恐れずワシの腐った肉を洗い布を巻いてくれた。
(いきることはまことにくるしくつらいよをのろいひとをのろいそれでもいきたい)
生きることはまことに苦しく辛い…世を呪い人を呪いそれでも生きたい…
(どうかおろかなわしにめんじて)
どうか愚かなワシに免じて…
(またきていたかよるになるとああしてもどってくるのだ)
また来ていたか。夜になるとああして戻ってくるのだ。
(やまをとりもどそうときをうえにくるあしたかここにとどまりちからをつくさぬか)
山を取り戻そうと木を植えにくる。アシタカ、ここにとどまり力を尽くさぬか。
(あなたはししがみのもりまでうばうつもりか)
あなたはシシ神の森まで奪うつもりか!!?
(もりにひかりがはいりやまいぬたちがしずまればここはゆたかなくにになる)
森に光が入り山犬達が鎮まればここは豊かな国になる。
(ふるいかみがいなくなればもののけたちもただのけものになろう)
古い神がいなくなればもののけ達もただのケモノになろう。
(さすればもののけひめもにんげんにもどろう)
さすればもののけ姫も人間に戻ろう。
(やまいぬにこころをうばわれたあわれなむすめだわたしをころそうとねらいつづけている)
山犬に心を奪われた哀れな娘だ。私を殺そうと狙い続けている。
(ししがみのちはあらゆるやまいをいやすときいている)
シシ神の血はあらゆる病を癒すと聞いている。
(そなたのあざをけすちからもあるかもしれぬぞ)
そなたのアザを消す力もあるかもしれぬぞ。