痛み／クレヨン社

(あかくくれるこうしゃのうらで)

赤く暮れる　校舎の裏で

(わかりあえないもどかしさになぐりあい)

分かり合えない　もどかしさに殴り合い

(きれたくちびるちのあじといたみ)

切れた唇　血の味と痛み

(わるぶることがゆうきだとしんじてた)

ワルぶることが　勇気だと信じてた

(こみあげてくるあついなにかを)

込み上げてくる　熱い何かを

(おさえるすべもしらなかったのはｔｅｅｎａｇｅ)

抑える術も　知らなかったのは　Teen age

(こんくりーとのきょうしつはくらく)

コンクリートの　教室は暗く

(つめたくかんじせをむけてたけど)

冷たく感じ　背を向けてたけど

(しょうねんをそつぎょうするひふりむいてみたけしきを)

少年を卒業する日　振り向いて見た景色を

(そっとそっとむねにきざんだ)

そっと　そっと　胸に刻んだ

(いつかおとなのひょうじょうになれて)

いつか大人の　表情に慣れて

(ひとみのいろはこんなにもかわったよ)

瞳の色は　こんなにも変わったよ

(ぼくのなかでだいじなものが)

僕のなかで　大事なものが

(さびたせんろになろうとすることに)

錆びた線路になろうとすることに

(きづくきづくきづく)

気づく　気づく　気づく

(だれものせなかくたびれたけはい)

誰もの背中　くたびれた気配

(おんなじようなこーとをきたひとのむれ)

おんなじようなコートを　着た人の群れ

(とりもとばないきりとられたそら)

鳥も飛ばない　切り取られた空

(にしびのびるのためいきでかれはがまう)

西日のビルの　溜め息で　枯れ葉が舞う

(みかけのじゆうでかざりたてられ)

見かけの自由で　飾り立てられ

(めにうつるのはついにかわきはてたたうんすけいぷ)

目に映るのは　ついに乾き果てた　タウンスケイプ

(ああひとごみでふいにかたをおされ)

ああ　人混みで　不意に肩を押され

(こうさてんのとちゅうでたちどまる)

交差点の途中で　立ち止まる

(わたりきるまえになにかやりのこしてるきがして)

渡り切る前に　何か　やり残してる気がして

(ぼくはぼくはたまらなくなる)

僕は　僕は　たまらなくなる

(らっしゅのほーむでくびをすくめて)

ラッシュのホームで　首をすくめて

(ちのけのないふうけいにうもれてないか？)

血の気のない　風景に埋もれてないか？

(あみだなのうえおいていかれた)

網棚の上　置いていかれた

(ざっしみたいなきぶんにひたりきってないか？)

雑誌みたいな　気分に浸りきってないか？

(いつわりのうたうたってないか？)

偽りの唄　唄ってないか？

(にせもののゆめかわされつづけてないか？)

偽物の夢　買わされ続けてないか？

(きずつくことにおびえてないか？)

傷つくことに　おびえてないか？

(ひたむきでいたいじぶんをだましてないか？)

ひたむきでいたい　自分を騙してないか？

(いたずらにときをにくんでないか？)

いたずらに時を　憎んでないか？

(まねかれるままにあしたへながされてないか？)

招かれるままに　明日へ流されてないか？

(あせもながさずあまえてないか？)

汗も流さず　甘えてないか？

(なまぬるいへやかいならされちゃいないか？)

生ぬるい部屋　飼い慣らされちゃいないか？

(みないふりしてにげていないか？)

見ないふりして　逃げていないか？

(ものわかりのいいふりをしてあきらめてないか？)

物分りのいい　ふりをして諦めてないか？