ピノッキオの冒険 12

関連タイピング
-
めっちゃいい曲....
プレイ回数9295歌詞かな200打 -
Mrs.GREEN APPLEの青と夏です!
プレイ回数10万歌詞1030打 -
みんなの速さは何かな
プレイ回数253長文201打 -
タイピング練習に関する長文です
プレイ回数13万長文1159打 -
プレイ回数1883歌詞1425打
-
幽閉サテライトさんの曲&幻想万華鏡のopテーマの華鳥風月です。
プレイ回数494歌詞かな798打 -
プレイ回数643歌詞831打
-
Mrs.GREEN APPLEのVIPです!
プレイ回数248歌詞かな939打
問題文
(こうして、よがあけてしばらくたったころ、にんぎょうつかいがにこにこしながら)
こうして、夜が明けてしばらくたった頃、人形遣いがにこにこにながら
(ぴのっきおのねむっているところへやってきました。)
ピノッキオの眠っているところへやってきました。
(「やあ、ぴのっきお、ゆうべはだいぶさわいでいたようすだな」)
「やあ、ピノッキオ、夕べはだいぶ騒いでいた様子だな」
(「ええ、あんなにたのしいおもいをしたのは、はじめてです」)
「ええ、あんなに楽しい思いをしたのは、初めてです」
(「そうか。それはよかった。また、いつでもあそびにくるがいい。)
「そうか。それはよかった。また、いつでも遊びに来るがいい。
(さあ、これをもってはやくいえへおかえり」)
さあ、これを持って早く家へお帰り」
(にんぎょうつかいは、ぴかぴかのきんかをごまい、ぴのっきおにさしだしました。)
人形遣いは、ぴかぴかの金貨を五枚、ピノッキオに差し出しました。
(「えっ、これをぼくにくれるんですか?」)
「えっ、これを僕にくれるんですか?」
(「ゆうべ、おまえは、しきりにおじいさんのなまえをよんでいたっけな。)
「夕べ、おまえは、しきりにお爺さんの名前を呼んでいたっけな。
(そのおじいさんへのおみやげさ」)
そのお爺さんへのお土産さ」
(「わあ、うれしい。にんぎょうつかいさん、ありがとう」)
「わあ、うれしい。人形遣いさん、ありがとう」
(ぴのっきおは、にんぎょうつかいになんどもなんどもおれいをいって、)
ピノッキオは、人形遣いに何度も何度もお礼を言って、
(にんぎょうたちのひとりひとりを、しっかりとだきしめると)
人形たちの一人一人を、しっかりと抱きしめると
(いえへむかってぴょんぴょんとかけだしました。)
家へ向かってぴょんぴょんと駆け出しました。
(ところが、いえへいきつくまえに、ぴのっきおはみちのむこうから)
ところが、家へ行きつく前に、ピノッキオは道の向こうから
(ねこときつねがとぼとぼとあるいてくるのに、ばったりとでくわしました。)
猫と狐がとぼとぼと歩いてくるのに、ばったりと出くわしました。
(みれば、ねこはめがわるく、きつねはあしがわるいようです。)
見れば、猫は目が悪く、狐は足が悪いようです。
(めのわるいねこをたすけながら、あしをひきずってちかづいてきたきつねは、)
目の悪い猫を助けながら、足を引きずって近づいてきた狐は、
(ぴのっきおにていねいなおじぎをしました。)
ピノッキオに丁寧なお辞儀をしました。
(「これはこれは、ぴのっきおさん、いま、おかえりですか?」)
「これはこれは、ピノッキオさん、今、お帰りですか?」
(「おやっ、きみ、ぼくのなまえをしっているのかい」)
「おやっ、君、僕の名前を知っているのかい」
(ぴのっきおはおどろいて、ききかえしました。)
ピノッキオは驚いて、聞き返しました。
(「それは、ぞんじあげておりますとも。)
「それは、存じ上げておりますとも。
(たったいま、おたくのおじいさんに、おあいしてきたばかりですからね」)
たった今、おたくのお爺さんに、お会いしてきたばかりですからね」
(「へえ、おじいさんにあってきたんだって?おじいさん、なにをしていた?」)
「へえ、お爺さんに会って来たんだって?お爺さん、何をしていた?」
(「しゃついちまいで、ふるえていらしたようですけどね」)
「シャツ一枚で、震えていらしたようですけどね」
(「ああ、かわいそうに。でもだいじょうぶ。)
「ああ、かわいそうに。でも大丈夫。
(これからはふるえたりしなくてもすむんだ。)
これからは震えたりしなくてもすむんだ。
(ぼく、いままでとちがって、たいへんなおかねもちになったんだもの」)
僕、今までと違って、大変なお金持ちになったんだもの」
(「あなたがおかねもち?かみのふくをきて、ぱんくずのぼうしをかぶった)
「あなたがお金持ち?紙の服を着て、パンくずの帽子をかぶった
(おかねもちですか?へっへっへっへ」)
お金持ちですか?へっへっへっへ」
(「ふっふっふっふ」)
「フッフッフッフ」
(きつねとねこは、おなかをかかえてわらいだしました。)
狐と猫は、お腹を抱えて笑い出しました。
(「なぜわらったりするのさ。うそだとおもうんならしょうこをみせてやらあ。)
「なぜ笑ったりするのさ。嘘だと思うんなら証拠を見せてやらあ。
(どうだい、きんかがごまいもあるんだ」)
どうだい、金貨が五枚もあるんだ」
(ぴのっきおは、ぽけっとからきんかをとりだすと)
ピノッキオは、ポケットから金貨を取り出すと
(てのうえで、ちゃりんちゃりんところがしてみせました。)
手の上で、チャリンチャリンと転がして見せました。
(そのおとをみみにしたとたん、きつねはおもわず、からだがわるいようにみせかけるために)
その音を耳にしたとたん、狐は思わず、体が悪いように見せかけるために
(わざとひきずっていたあしを、ぴくりとうごかしてしまいました。)
わざと引きずっていた足を、ぴくりと動かしてしまいました。
(ねこはねこで、みえないはずのめをぱっとひらいてしまいました。)
猫は猫で、見えないはずの目をぱっと開いてしまいました。
(でも、きんかにむちゅうのぴのっきおは、そんなことはきがつきません。)
でも、金貨に夢中のピノッキオは、そんなことは気がつきません。
(きつねは、ねこにちらりとめくばせをしてみせると、なにげないようすでたずねました。)
狐は、猫にちらりと目配せをしてみせると、何気ない様子で尋ねました。
(「いやはや、ほんとうにぴのっきおさんはたいしたおかねもちなんですなあ。)
「いやはや、本当にピノッキオさんは大したお金持ちなんですなあ。
(それで、そのおかねをいったいなににつかうおつもりなんです?」)
それで、そのお金を一体何に使うおつもりなんです?」
(「まずさいしょ、おじいさんにじょうとうのうわぎをかってあげるんだ。)
「まず最初、お爺さんに上等の上着を買ってあげるんだ。
(ぱんにばたーに、くだものにおかし。それから、すとーぶもひとつほしいなあ。)
パンにバターに、果物にお菓子。それから、ストーブも一つ欲しいなあ。
(そうそう、そのまえにがっこうのきょうかしょをかわなけりゃあ。)
そうそう、その前に学校の教科書を買わなけりゃあ。
(ぼく、きのうもっていたきょうかしょをひとにうってしまったんだもの」)
僕、昨日持っていた教科書を人に売ってしまったんだもの」
(「なにをしようっていうんですね。)
「なにをしようっていうんですね。
(わざわざおかねをだして、そんなくだらないものをかったりして」)
わざわざお金を出して、そんなくだらないものを買ったりして」
(「べんきょうにつかうのさ。ぼく、あしたからはもうにどとなまけたりしないで)
「勉強に使うのさ。僕、明日からはもう二度となまけたりしないで
(がっこうへかようんだ」)
学校へ通うんだ」
(「およしなさい、およしなさい」)
「およしなさい、およしなさい」
(ねこがよこからくちをだしました。)
猫が横から口を出しました。
(「がっこうなんて、やめておいたほうがりこうですよ。ごらんなさい。)
「学校なんて、やめておいた方が利口ですよ。ごらんなさい。
(わたしがめをわるくしたのは、がっこうであんまりべんきょうをしすぎたせいなんですからね」)
私が目を悪くしたのは、学校であんまり勉強をしすぎたせいなんですからね」
(「ふうん、がっこうってそういうところなのかなあ」)
「ふうん、学校ってそういうところなのかなあ」
(ぴのっきおは、ちょっとしんぱいになりました。)
ピノッキオは、ちょっと心配になりました。
(そのとき、いちわのことりがぴのっきおのそばへまいおりてきて、)
その時、一羽の小鳥がピノッキオのそばへ舞い降りてきて、
(しきりにさえずりはじめました。)
しきりにさえずり始めました。
(「ぴのっきお、ぴのっきお。ねこやきつねのいうことなんか)
「ピノッキオ、ピノッキオ。猫や狐の言うことなんか
(ぜったいにきいてはだめですよ。そのふたりは、どちらもたいへんなわるものなんですからね」)
絶対に聞いてはだめですよ。その二人は、どちらも大変な悪者なんですからね」
(ところが、ことりのこえはそこでぷっつりととぎれてしまいました。)
ところが、小鳥の声はそこでぷっつりと途切れてしまいました。
(ねこがいきなり、ことりにとびかかったかとおもうと)
猫がいきなり、小鳥にとびかかったかと思うと
(たちまち、むしゃむしゃとたいらげてしまったのです。)
たちまち、むしゃむしゃとたいらげてしまったのです。
(ぴのっきおは、あきれてかおをしかめました。)
ピノッキオは、あきれて顔をしかめました。
(「ひどいことをするなあ」)
「ひどいことをするなあ」
(「なあに、きにすることはありませんよ」)
「なあに、気にすることはありませんよ」
(きつねは、ちょっとこえをひそめました。)
狐は、ちょっと声をひそめました。
(「ぴのっきおさん、あなたがもっていらっしゃるきんかですが、)
「ピノッキオさん、あなたが持っていらっしゃる金貨ですが、
(そのきんかを、もっとふやしたいとおもいませんか?」)
その金貨を、もっと増やしたいと思いませんか?」
(「そりゃあふえればうれしいさ。)
「そりゃあ増えればうれしいさ。
(でも、どうやればふやしたりできるんだい?」)
でも、どうやれば増やしたりできるんだい?」
(「それがかんたん。ここからしばらくいったところに)
「それが簡単。ここからしばらく行ったところに
(「ふしぎがはら」というのはらがありますが、そののはらにちいさなあなをほって)
「不思議ヶ原」という野原がありますが、その野原に小さな穴を掘って
(きんかをいちまいうずめますと、そこからいっぽんめのめがかおをだして)
金貨を一枚うずめますと、そこから一本目の芽が顔を出して
(みるみるたいぼくにそだちます。さて、そのきのえだにいったいどんなものがなるとおもいます?)
みるみる大木に育ちます。さて、その木の枝に一体どんなものなると思います?
(「なんだろう?」)
「なんだろう?」
(「きんかです。えだいちめんに、かぞえきれないほどのきんかがみのって、)
「金貨です。枝一面に、数えきれないほどの金貨が実って、
(きらきらとひかりはじめるのです」)
きらきらと光り始めるのです」
(「へえっ」)
「へえっ」
(ぴのっきおは、すっかりむちゅうになってしまいました。)
ピノッキオは、すっかり夢中になってしまいました。
(「きつねくん、そののはらへいくみちをしっているの?」)
「狐くん、その野原へ行く道を知っているの?」
(「もちろんしっていますとも。ごあんないしましょうか」)
「もちろん知っていますとも。ご案内しましょうか」
(「うん、たのむたのむ。でもそのまえに、ぼく、いえによって)
「うん、頼む頼む。でもその前に、僕、家に寄って
(おじいさんにことわってこなけりゃあ」)
お爺さんに断ってこなけりゃあ」
(「おっとっと」)
「おっとっと」
(きつねはあわててぴのっきおをとめました。)
狐はあわててピノッキオを止めました。
(「いえによってるひまなどありませんよ。)
「家に寄ってる暇などありませんよ。
(ぐずぐずしていると、ほかのものにいいばしょをとられてしまいますからね」)
ぐずぐずしていると、他の者にいい場所をとられてしまいますからね」
(ぴのっきおはこまって、ちょっとかんがえこみましたが)
ピノッキオは困って、ちょっと考え込みましたが
(すぐにこころをきめて、きっぱりとうなずきました。)
すぐに心を決めて、きっぱりとうなずきました。
(「おじいさんには、ふえたきんかをみせてびっくりさせてやればいいや。)
「お爺さんには、増えた金貨を見せてびっくりさせてやればいいや。
(ようし、それじゃでかけよう」)
ようし、それじゃ出かけよう」