夏目漱石「こころ」3-10

夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
次:https://typing.twi1.me/game/377936
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
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2:周囲(ぐるり)
10:四辺(あたり)
12:為ない(しない)
15:絡げて(からげて)
16:父母(ちちはは)
18:匂(におい)
19:上た(あげた)
26:捕まえていた(つらまえていた)
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すみません、お待たせしました。大分期間が空いてしまいました。
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問題文
(「わたくしはえんだんのことをそれなりわすれてしまいました。)
「私は縁談の事をそれなり忘れてしまいました。
(わたくしのぐるりをとりまいているせいねんのかおをみると、)
私の周囲を取り捲いている青年の顔を見ると、
(しょたいじみたものはひとりもいません。)
世帯染みたものは一人もいません。
(みんなじゆうです。)
みんな自由です。
(そうしてことごとくたんどくらしくおもわれたのです。)
そうして悉く単独らしく思われたのです。
(こういうきらくなひとのなかにも、うらめんにはいりこんだら、)
こういう気楽な人の中にも、裏面に這入り込んだら、
(あるいはかていのじじょうによぎなくされて、)
或は家庭の事情に余儀なくされて、
(すでにつまをむかえたものがあったかもしれませんが、)
既に妻を迎えたものがあったかも知れませんが、
(こどもらしいわたくしはそこにきがつきませんでした。)
子供らしい私は其所に気が付きませんでした。
(それからそういうとくべつのきょうぐうにおかれたひとのほうでも、あたりにきがねをして、)
それからそういう特別の境遇に置かれた人の方でも、四辺に気兼をして、
(なるべくはしょせいにえんのとおいそんなうちわのはなしは)
なるべくは書生に縁の遠いそんな内輪の話は
(しないようにつつしんでいたのでしょう。)
為ないように慎んでいたのでしょう。
(あとからかんがえると、わたくしじしんがすでにそのくみだったのですが、)
後から考えると、私自身が既にその組だったのですが、
(わたくしはそれさえわからずに、ただこどもらしくゆかいにしゅうがくのみちをあるいていきました。)
私はそれさえ分らずに、ただ子供らしく愉快に修学の道を歩いて行きました。
(がくねんのおわりに、わたくしはまたこうりをからげて、おやのはかのあるいなかへかえってきました。)
学年の終りに、私は又行李を絡げて、親の墓のある田舎へ帰って来ました。
(そうしてきょねんとおなじように、ちちははのいたわがやのなかで、)
そうして去年と同じように、父母のいたわが家の中で、
(またおじふうふとそのこどものかわらないかおをみました。)
又叔父夫婦とその子供の変らない顔を見ました。
(わたくしはふたたびそこでふるさとのにおいをかぎました。)
私は再び其所で故郷の匂を嗅ぎました。
(そのにおいはわたくしにとっていぜんとしてなつかしいものでありました。)
その匂は私に取って依然として懐かしいものでありました。
(いちがくねんのたんちょうをやぶるへんかとしてもありがたいものにちがいなかったのです。)
一学年の単調を破る変化としても有難いものに違なかったのです。
(しかしこのじぶんをそだてあげたとおなじようなにおいのなかで、)
然しこの自分を育て上たと同じ様な匂の中で、
(わたくしはまたとつぜんけっこんもんだいをおじからはなのさきへつきつけられました。)
私は又突然結婚問題を叔父から鼻の先へ突き付けられました。
(おじのいうところは、きょねんのかんゆうをふたたびくりかえしたのみです。)
叔父の云うところは、去年の勧誘を再び繰り返したのみです。
(りゆうもきょねんとおなじでした。)
理由も去年と同じでした。
(ただこのまえすすめられたときには、なんらのもくてきぶつがなかったのに、)
ただこの前勧められた時には、何等の目的物がなかったのに、
(こんどはちゃんとかんじんのとうにんをつらまえていたので、わたくしはなおこまらせられたのです。)
今度はちゃんと肝心の当人を捕まえていたので、私は猶困らせられたのです。