四つの顔 -9-

cicciさんのアカウント
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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
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1 | berry | 8113 | 神 | 8.2 | 98.3% | 365.8 | 3020 | 52 | 61 | 2025/07/26 |
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問題文
(みっつめはたんなるさわださんのかんちがいというせん。へやをまちがえて、)
みっつめは単なる沢田さんの勘違いという線。部屋を間違えて、
(そこのじゅうみんがたまたまるすだったというしまらないはなしだが、)
そこの住民がたまたま留守だったという締まらない話だが、
(さわださんはいちどならずあのへやにきたことがあるようすだったから、)
沢田さんは一度ならずあの部屋に来たことがある様子だったから、
(それもなさそうだ。)
それもなさそうだ。
(げんかんのどあのよこにひょうさつがあり、それが「やました」だったことを)
玄関のドアの横に表札があり、それが「山下」だったことを
(おれじしんおぼえていることからしても。)
俺自身覚えていることからしても。
(もしかりにやましたさんとさわださんがぐるで、ふたりしておれをからかおうという)
もし仮に山下さんと沢田さんがグルで、二人して俺をからかおうという
(はらならまたはなしがちがってくるけれど。)
腹ならまた話が違ってくるけれど。
(そんなことをかんがえていると、じゅうようなぶぶんをききのがしそうになった。)
そんなことを考えていると、重要な部分を聞き逃しそうになった。
(「ちょっとまってください。かぎがきえてたって、きょうもいってたんですか」)
「ちょっと待ってください。鍵が消えてたって、今日も行ってたんですか」
(「そう。かきこみじかんはなにかのまちがいだとしても、あのへや、)
「そう。書き込み時間はなにかの間違いだとしても、あの部屋、
(ぜったいどっかかくれるばしょがあったはずだとおもったから」)
絶対どっか隠れる場所があったはずだと思ったから」
(なのにきのうかえるときもとのばしょにもどしたはずのはちうえのしたのかぎが)
なのに昨日帰るとき元の場所に戻したはずの鉢植えの下の鍵が
(なくなっていたのだという。)
なくなっていたのだと言う。
(どあはせじょうされていてはいれなかった。のっくしてもおうとうはなし。)
ドアは施錠されていて入れなかった。ノックしても応答はなし。
(「もうなにがなんだかわかんない」)
「もうなにがなんだか分かんない」
(つかれたようなこえでそうこぼすさわださんに「まあ、なにかあったわけでもないし、)
疲れたような声でそうこぼす沢田さんに「まあ、なにかあったわけでもないし、
(しばらくほっときましょうよ」といってみたが、おかるとなかまとはいえ)
しばらくほっときましょうよ」と言ってみたが、オカルト仲間とはいえ
(あかのたにんのおれとちがってそこそこしんみつなおつきあいのあるらしいかのじょにとっては)
赤の他人の俺と違ってそこそこ親密なお付き合いのあるらしい彼女に取っては
(そうわりきれるものではないようだ。)
そう割り切れるものではないようだ。
(「まあいいや、いろいろごめんね」とでんわがきられた。)
「まあいいや、色々ごめんね」と電話が切られた。
(しずかになってこれまでのけいいをひとりでおもいかえしていると、どうもさわださんが)
静かになってこれまでの経緯を一人で思い返していると、どうも沢田さんが
(いっぽうてきにやましたさんからさけられているだけのようなきがしてきた。)
一方的に山下さんから避けられているだけのような気がしてきた。
(たしかにけいじばんへのかきこみがへり、そのないようもおかしなものになってはいたが、)
確かに掲示板への書き込みが減り、その内容もおかしなものになってはいたが、
(おかしいといえばもともとおかるとふりーくのつどうきみょうなばしょなのだし、)
おかしいと言えばもともとオカルトフリークの集う奇妙な場所なのだし、
(なかにはぜんせがどうとかもっとむちゃくちゃなことをいいだすひともいるのだから)
中には前世がどうとかもっと無茶苦茶なことを言い出す人もいるのだから
(とりたててさわぐほどのものでもない。)
取り立てて騒ぐほどのものでもない。
(たださわださんがこじんてきにれんらくをとろうとして)
ただ沢田さんが個人的に連絡を取ろうとして
(それがうまくいってないだけなのではないだろうか。)
それが上手く行ってないだけなのではないだろうか。
(ちわげんかのたぐいならもうかかわらないでおこう。)
痴話げんかの類ならもう関わらないでおこう。
(そのときはむせきにんにそうおもったものだった。)
その時は無責任にそう思ったものだった。
(「よんぱたーんのかおねえ。それおもしろいな。ようはよのなかのひとみんなが)
「四パターンの顔ねえ。それ面白いな。要は世の中の人みんなが
(よんしゅるいのおめんのどれかをかぶってるようなものか」)
四種類のお面のどれかを被ってるようなものか」
(「しかもひろうのぴーくにはいったら)
「しかも疲労のピークに入ったら
(たいかくとかふくそうまでくべつがつかなくなるらしいです」)
体格とか服装まで区別がつかなくなるらしいです」
(「てことはこくみんそうきぐるみじょうたいか」)
「てことは国民総着ぐるみ状態か」
(だいがくのせんぱいでもあるおかるとどうのししょうにあったとき、)
大学の先輩でもあるオカルト道の師匠に会ったとき、
(たまたまそのはなしをしてみるとやけにうれしそうにくいついてきた。)
たまたまその話をしてみるとやけに嬉しそうに食いついてきた。
(「やんでるね、そのひと」)
「病んでるね、その人」
(まあふつうではないひとだけれど、あなたにいわれたくはないだろうとおもう。)
まあ普通ではない人だけれど、あなたに言われたくはないだろうと思う。
(にやにやしながらひとしきりうなずいたあとで、ししょうはぼそりといった。)
ニヤニヤしながらひとしきり頷いた後で、師匠はぼそりと言った。
(「dはあきらかにこのよのものじゃないね」)
「Dは明らかにこの世のものじゃないね」
(それはじぶんもおもった。あらわれかたもそうだが、もともとれいかんのつよいひとなのだし。)
それは自分も思った。現れ方もそうだが、元々霊感の強い人なのだし。
(「じっさいはさんぱたーんとかんがえたほうがいいかもしれない。だいたすうのa、じてんのb、)
「実際は三パターンと考えた方がいいかも知れない。大多数のA、次点のB、
(しょうすうはのc。すべてのにんげんがそのどれかにみえてしまうこころのびょうき。)
少数派のC。全ての人間がそのどれかに見えてしまう心の病気。
(それにくわえて、れいかんでさっちしたこのよのものではないそんざいを、)
それに加えて、霊感で察知したこの世のものではない存在を、
(そのどれにもあてはまらないだいよんのすがたでにんしきしてしまうんだ。)
そのどれにも当てはまらない第四の姿で認識してしまうんだ。
(だとするならば、そのやましたさんのれいかんはかなりつよいね」)
だとするならば、その山下さんの霊感はかなり強いね」
(「どうしてです?」)
「どうしてです?」
(「ほかのさんぱたーんとしつてきにおなじれべるでみえてしまってるのだから。)
「他の三パターンと質的に同じレベルで見えてしまってるのだから。
(たしょうみえてしまうひとでも、たいていはそれはそれとわかる」)
多少見えてしまう人でも、たいていはそれはそれと分かる」
(たしかにおれもけいけんじょう、)
確かに俺も経験上、
(にんげんなのかれいなのかわからないものをみてしまうことはあったが、)
人間なのか例なのかわからないものを見てしまうことはあったが、
(それでもほとんどのけーすではふつうのにんげんとおなじようにちかくしてない。)
それでもほとんどのケースでは普通の人間と同じように知覚してない。
(れいはれいだ。)
霊は霊だ。
(「そういう、つねにれいをしかくてきににんげんとどうれべるににんしきしてしまうひとは)
「そういう、常に霊を視覚的に人間と同レベルに認識してしまう人は
(ごくまれにいるみたい。それのきわまったようにものすごいれいをしってるけど、)
ごく稀にいるみたい。それの極まったように物凄い例を知ってるけど、
(そんなひとはまずまともにせけんではくらせないね」)
そんな人はまずまともに世間では暮らせないね」
(「だれです。そのひと」)
「誰です。その人」
(「あきちゃん」)
「アキちゃん」
(しらないなまえだった。まだそのときは。)
知らない名前だった。まだその時は。