四つの顔 -11-

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問題文

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(「さいしょはげんかくがみえたんだよ。それでもなまみのにんげんとげんかくのくべつが)

「最初は幻覚が見えたんだよ。それでも生身の人間と幻覚の区別が

(ついてたんだ。それがだんだんほんもののにんげんまでげんかくのようにおもえてきたってはなし。)

ついてたんだ。それがだんだん本物の人間まで幻覚のように思えてきたって話。

(まっきてきだね」)

末期的だね」

(あからさまにたにんごとだといわんばかりのくちょうで、)

あからさまに他人事だと言わんばかりの口調で、

(げんちょうのばあいだとどうだとかいうはなしをつらつらとつづけた。)

幻聴の場合だとどうだとかいう話をつらつらと続けた。

(「あんまりかかわらないほうがいいとおもうよ」)

「あんまり関わらない方がいいと思うよ」

(さいごにそうちゅうこくしてくれたが、それはけっきょくおれのけつろんとおなじだった。)

最後にそう忠告してくれたが、それは結局俺の結論と同じだった。

(それからしばらくはやましたさんのこともdのことも、)

それからしばらくは山下さんのこともDのことも、

(あまりかんがえることなくすごした。)

あまり考えることなく過ごした。

(あたらしくはじめたばいとやさーくるかつどうでいそがしく、)

新しく始めたバイトやサークル活動で忙しく、

(おかるとふぉーらむじたいにもほとんどかおをださなかった。)

オカルトフォーラム自体にもほとんど顔を出さなかった。

(さわださんからのでんわもなく、おれのなかでおわったことになりかけていた。)

沢田さんからの電話もなく、俺の中で終わったことになりかけていた。

(ところがあるよる、ねるまえになにげなくふぉーらむのけいじばんをのぞいてみると、)

ところがある夜、寝る前に何気なくフォーラムの掲示板を覗いてみると、

(いちばんしたに「ころしかたってなに?」というかきこみがあって、おもわずどきりとする。)

一番下に「殺し方ってなに?」という書き込みがあって、思わずドキリとする。

(いやなよかんがした。)

嫌な予感がした。

(そのすこしまえにかきこみにたいするれすのようだった。)

その少し前に書き込みに対するレスのようだった。

(とうこうしゃはおれのしらないはんどるねーむ。しんがおだろうか。)

投稿者は俺の知らないハンドルネーム。新顔だろうか。

(きんちょうしながらうえにすくろーるしてみる。)

緊張しながら上にスクロールしてみる。

(するといまからいちじかんほどまえに、やましたさんのなまえでかきこみがあった。)

すると今から一時間ほど前に、山下さんの名前で書き込みがあった。

(「あいつらのころしかたがわかった」)

「あいつらの殺し方がわかった」

など

(そのもじをみたしゅんかん、しんぞうのこどうがはやくなった。)

その文字を見た瞬間、心臓の鼓動が早くなった。

(あいつらってなんだ?ころしかたって?)

あいつらってなんだ?殺し方って?

(さらにさかのぼる。)

さらに遡る。

(「いや、ふりじゃない。つもりなんだ」)

「いや、フリじゃない。ツモリなんだ」

(あいだに、ぎょうしゃのせんでんがいくつかはいりこんでいる。)

間に、業者の宣伝がいくつか入り込んでいる。

(おれはがめんからめをはなせずにゆっくりとまうすをうごかしていく。)

俺は画面から目を離せずにゆっくりとマウスを動かしていく。

(「あいつらはひとのふりをしている。ぼくだけがそれをみぬくことができる」)

「あいつらは人のフリをしている。ぼくだけがそれを見抜くことができる」

(きけんだ。)

危険だ。

(おれはたちあがった。)

俺は立ち上がった。

(なにをしようとおもったわけでもない。ただむいしきにからだがうごいたのだ。)

なにをしようと思ったわけでもない。ただ無意識に身体が動いたのだ。

(やましたさんのかきこみはそのみっつだけ。)

山下さんの書き込みはその三つだけ。

(ごふんほどのあいだにかきこまれ、そしてそれからあらわれていない。)

五分ほどの間に書き込まれ、そしてそれから現れていない。

(なんにんかがじょうだんめかしてれすをしているが、じょうれんのなまえはなかった。)

何人かが冗談めかしてレスをしているが、常連の名前はなかった。

(みんなこのかきこみのいみをりかいしていない。じょうちょふあんていなんてものじゃない、)

みんなこの書き込みの意味を理解していない。情緒不安定なんてものじゃない、

(やましたさんはほんとうにきけんなせいしんじょうたいにあるかのうせいがあるのだ。)

山下さんは本当に危険な精神状態にある可能性があるのだ。

(dがふえている。かれのへいおんなせいかつをおどかすdが。)

Dが増えている。彼の平穏な生活を脅かすDが。

(つかれたとき、ひとのかおがよんぱたーんにみえたように、)

疲れた時、人の顔が四パターンに見えたように、

(すこしずつくるっていったかれのせいしんが、ふえていくdにおいつめられていく。)

少しずつ狂っていった彼の精神が、増えていくDに追い詰められていく。

(そしてかれのなかでついにくらくおそろしいけつだんがくだされた。)

そして彼の中でついに暗く恐ろしい決断が下された。

(そのふえたdとは。あいつらとは。)

その増えたDとは。あいつらとは。

(おれでありさわださんであり、だいたすうのただのにんげんのはずなのに。)

俺であり沢田さんであり、大多数のただの人間のはずなのに。

(おれはいえをでるとじてんしゃにとびのりやましたさんのへやにむかった。)

俺は家を出ると自転車に飛び乗り山下さんの部屋に向かった。

(どろどろとまつわりつくようないやなよかんがしてしかたなかった。)

ドロドロと纏わりつくような嫌な予感がして仕方なかった。

(まずこんびににとうちゃくし、ぜんかいのこーすをそのままたどる。)

まずコンビニに到着し、前回のコースをそのまま辿る。

(やがてみおぼえるのあるあぱーとがみえてきた。)

やがて見覚えるのあるアパートが見えてきた。

(どあにかきつくようにかけよるとはげしくのっくする。)

ドアに掻きつくように駆け寄ると激しくノックする。

(なまえをよぶ。しんやだがしゅういのめいわくなどきにしていられない。)

名前を呼ぶ。深夜だが周囲の迷惑など気にしていられない。

(「やましたさん」)

「山下さん」

(うごきをとめてしずかにしてみたが、なかからはなにもきこえない。)

動きを止めて静かにしてみたが、中からはなにも聞こえない。

(うらにまわってべらんだがわからのぞきこもうとしてもかーてんにおおわれていて)

裏に回ってベランダ側から覗き込もうとしてもカーテンに覆われていて

(なかはうかがえない。)

中は伺えない。

(しかしあかりはいっさいもれておらず、あいかわらずひとのけはいはなかった。)

しかし明かりは一切漏れておらず、相変わらず人の気配はなかった。

(つぎにおれはしゅうへんどうろをあるきまわった。やましたさんらしきひとかげがないかめをこらしたが、)

次に俺は周辺道路を歩き回った。山下さんらしき人影がないか目を凝らしたが、

(みつからない。)

見つからない。

(つかれはてて、なんのしゅうかくもないままかえらざるをえなかった。)

疲れ果てて、なんの収穫もないまま帰らざるを得なかった。

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