怖い話《入ってはいけない竹林》1

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問題文
(こどものころにすんでいたいなかのまちに”ぜったいにはいってはいけない”)
子供の頃に住んでいた田舎の町に”絶対に入ってはいけない”
(といわれているたけばやしがあった。)
と言われている竹林があった。
(どうしてはいっていけないのかとといかけても、おやはなにもおしえてくれない。)
どうして入っていけないのかと問いかけても、親は何も教えてくれない。
(そうなるとはいってみたくなるのがこどもというもので、)
そうなると入ってみたくなるのが子供というもので、
(おれとしんゆうのけいた、ぴかいち、すばるのよんにんでたけばやしにいってみることにした。)
俺と親友の慶太、光一、昴の四人で竹林に行ってみることにした。
(わすれもしない。しょう4のなつやすみのことだった。)
忘れもしない。小4の夏休みのことだった。
(たけばやしはがっこうからそうはなれていないばしょにあり、ぜんたいをさくでかこまれている。)
竹林は学校からそう離れていない場所にあり、全体を柵で囲まれている。
(たけばやしのしゅうへんはいつもしずかでくるまもほとんどとおらないため、)
竹林の周辺はいつも静かで車もほとんど通らない為、
(さくをのりこえてはいってもだれにもみられない。)
柵を乗り越えて入っても誰にも見られない。
(おれたちはたけばやしからすこしはなれたばしょにじてんしゃをとめておき、)
俺たちは竹林から少し離れた場所に自転車を停めておき、
(いいだしっぺのけいたをせんとうにさくをよじのぼってたけはやしにはいっていった。)
言い出しっぺの慶太を先頭に柵をよじ登って竹林に入っていった。
(たけばやしはなつとはおもえないほどひんやりしていて、とてもきもちがよかった。)
竹林は夏とは思えないほどひんやりしていて、とても気持ちがよかった。
(「すげーな、そとからみただけじゃわからなかったけど、)
「すげーな、外から見ただけじゃ分からなかったけど、
(なかからみるとこんななんだな」)
中から見るとこんななんだな」
(かめらをもってきていたぴかいちがぱしゃぱしゃとしゃしんをとる。)
カメラを持ってきていた光一がパシャパシャと写真を撮る。
(たけのあいだからたいようのひかりがさしこみ、)
竹の間から太陽の光が差し込み、
(さながらかぐやひめのようなしんぴてきなこうけいがひろがっていた。)
さながらかぐや姫のような神秘的な光景が広がっていた。
(しばらくあるいていくと、すばるが「おい、あれ!」とこえをあげた。)
暫く歩いていくと、昴が「おい、あれ!」と声を上げた。
(すばるがゆびさすほうこうをみると、ちいさなたてものがある。)
昴が指さす方向を見ると、小さな建物がある。
(すばる「ちょっとみにいってみようぜ」)
昴「ちょっと見に行ってみようぜ」
(おれ「ひといたらどうすんの?」)
俺「人いたらどうすんの?」
(すばる「いるわけねえだろ。たぶんはいきょだ」)
昴「いるわけねえだろ。多分廃墟だ」
(おそるおそるたてものにちかづくと、たしかにぼろぼろにくちているはいきょのようだった。)
恐る恐る建物に近づくと、確かにボロボロに朽ちている廃墟のようだった。
(にかいだてのわふうけんちくで、いりぐちのとはこわれてはんぶんひらいている。)
二階建ての和風建築で、入口の戸は壊れて半分開いている。
(「これなかにいれるんじゃね?」)
「これ中に入れるんじゃね?」
(けいたがそういってとのすきまをくぐった。)
慶太がそう言って戸の隙間をくぐった。
(「お、おい、やめとけよ」)
「お、おい、やめとけよ」
(おれとぴかいちはさすがにちょっとびびってとめようとしたが、)
俺と光一は流石にちょっとビビッて止めようとしたが、
(けいたにつづいてすばるもなかにはいってしまった。)
慶太に続いて昴も中に入ってしまった。
(「はあ~あいつらほんとうにこわいものなしだな」)
「はあ~あいつら本当に怖いもの無しだな」
(ぴかいちがあきれたようにわらう。おれもどうかんだった。)
光一が呆れたように笑う。俺も同感だった。
(おとなにみられていかられたくないというきもちもとうぜんあったが、)
大人に見られて怒られたくないという気持ちも当然あったが、
(それいじょうになんだか”いやなかんじ”がしていた。)
それ以上になんだか”嫌な感じ”がしていた。
(ことばにするのはむずかしいが、なんとなくここに)
言葉にするのは難しいが、なんとなくここに
(あまりながいしないほうがいいんじゃないかとおもっていた。)
あまり長居しない方がいいんじゃないかと思っていた。
(それからどれくらいたっただろう。)
それからどれくらい経っただろう。
(けいたとすばるはむごんのままたてものからでてきた。)
慶太と昴は無言のまま建物から出てきた。
(「おう、おかえり。どうだった?」)
「おう、お帰り。どうだった?」
(おれがきくと、けいたはあせだくのがくをtしゃつでぬぐって「かえろう」とだけいった。)
俺が聞くと、慶太は汗だくの額をTシャツで拭って「帰ろう」とだけ言った。
(すばるもむごんのままなんどもうなずいている。)
昴も無言のまま何度も頷いている。
(こころなしか、ふたりのかおいろがわるいきがした。)
心なしか、二人の顔色が悪い気がした。
(そのあとおれとぴかいちもほとんどしゃべらず、ちゃりをとばしてそれぞれのいえにかえった。)
その後俺と光一もほとんど喋らず、チャリを飛ばしてそれぞれの家に帰った。
(よくじつ、ぴかいちからでんわでよびだされたおれはぴかいちのいえにむかった。)
翌日、光一から電話で呼び出された俺は光一の家に向かった。
(「あのふたり、なんかへんだったよな」)
「あの二人、なんか変だったよな」
(ぴかいちもやはりいわかんをかんじていた。)
光一もやはり違和感を感じていた。
(「だよな。かんがえられるとしたら、あのいえのなかでなにかみたとか・・・」)
「だよな。考えられるとしたら、あの家の中で何か見たとか・・・」
(ぴかいちはあのあと、けいたをすばるにでんわをかけたのだという。)
光一はあの後、慶太を昴に電話を掛けたのだという。
(しかしふたりともつかれてねているとのことで、はなすことができなかったらしい。)
しかし二人とも疲れて寝ているとのことで、話すことができなかったらしい。
(「そんできょうもでんわしたんだけどさ、ふたりともねつだしてねこんでるらしい。)
「そんで今日も電話したんだけどさ、二人とも熱出して寝込んでるらしい。
(おかしくね?ふたりどうじにって。ぜったいなんかあるよ」)
おかしくね?二人同時にって。絶対なんかあるよ」
(ぴかいちのいいたいことがなんとなくわかった。)
光一の言いたいことが何となくわかった。
(ぴかいちはあのたてものに”なにか”があって、)
光一はあの建物に”何か”があって、
(けいたとすばるがなんらかの”たたり”でああなったとおもっているのだ。)
慶太と昴が何らかの”祟り”でああなったと思っているのだ。
(ぴかいちのいえからきたくするとそふがうちにこていた。)
光一の家から帰宅すると祖父が家に来ていた。
(そういえばそふはちいさいころからこのまちにすんでいる。)
そういえば祖父は小さい頃からこの町に住んでいる。
(あのたけばやしのことをなにかしっているかもしれない。)
あの竹林のことを何か知っているかもしれない。
(おれはたけはやしにはいったことはだまったうえでそふにそれとなくきいてみた。)
俺は竹林に入ったことは黙った上で祖父にそれとなく聞いてみた。
(「ああ、あそこはな、はいっちゃいけないっていうのは、)
「ああ、あそこはな、入っちゃいけないっていうのは、
(むかしからゆうかいじけんがおおかったからなんだよ。)
昔から誘拐事件が多かったからなんだよ。
(あのへんはひとどおりもすくないし、くらくなるとがいとうもほとんどなくて)
あの辺は人通りも少ないし、暗くなると街灯もほとんどなくて
(まっくらになるだろ?おまけにたけがみっしゅうしててなかがみえづらい。)
真っ暗になるだろ?おまけに竹が密集してて中が見えづらい。
(だからこどもに、あそこにちかづいちゃいけませんよっていってきたんだ」)
だから子供に、あそこに近づいちゃいけませんよって言ってきたんだ」
(なんだ、そういうことだったのか。)
なんだ、そういうことだったのか。
(たたりなんかそうぞうしてびびってたけど、ようはふしんしゃのまとにされてあぶないから)
祟りなんか想像してビビってたけど、要は不審者の的にされて危ないから
(ちかづいちゃだめだっていう、たんじゅんなちゅういかんきだったのだ。)
近付いちゃだめだっていう、単純な注意喚起だったのだ。
(「それじゃべつにあそこでゆうれいがでるとかではないんだね」)
「それじゃ別にあそこで幽霊が出るとかではないんだね」
(おれがわらってそういうと、そふがきゅうにしんけんなまなざしをむけてきた。)
俺が笑ってそう言うと、祖父が急に真剣な眼差しを向けてきた。
(「・・・ゆうかいがおおいっていうのはな、あくまでたてまえだったんだよ。)
「・・・誘拐が多いっていうのはな、あくまで建前だったんだよ。
(あそこでたちいってはいけないほんとうのりゆうはほかにある」)
あそこで立ち入ってはいけない本当の理由は他にある」
(いかがそふからきいたはなしである。)
以下が祖父から聞いた話である。
(むかし、あのたけばやしのちゅうおうにいっけんいえがあり、そこにとあるふうふがすんでいた。)
昔、あの竹林の中央に一軒家があり、そこにとある夫婦が住んでいた。
(とてもなかむつまじいふうふはしゅういのじゅうにんともなかがよかったが、)
とても仲睦まじい夫婦は周囲の住人とも仲が良かったが、
(あるひおくさんがりゅうざんしてしまう。)
ある日奥さんが流産してしまう。
(おくさんはこどもをなくしたしょっくであたまがおかしくなってしまい、しゅういのじゅうにんに)
奥さんは子供を亡くしたショックで頭がおかしくなってしまい、周囲の住人に
(「おまえがわたしのこをころしたんだ!」とおそいかかるようになってしまったらしい。)
「お前が私の子を殺したんだ!」と襲いかかるようになってしまったらしい。
(そのことがきっかけでおっとはまるさつ、おくさんはしばらくひとりでたけばやしを)
そのことがきっかけで夫は〇サツ、奥さんは暫く一人で竹林を
(はいかいしていたが、そのうちちかくのかわでなくなっているのがみつかった。)
徘徊していたが、そのうち近くの川で亡くなっているのが見つかった。
(それから、たけばやしふきんであそんでいたこどもがゆくえふめいになるじけんがあいついだ。)
それから、竹林付近で遊んでいた子供が行方不明になる事件が相次いだ。
(ほとんどのこどもはついにみつからなかったが、あるとき)
ほとんどの子供はついに見つからなかったが、ある時
(ゆくえふめいになっていたこどものひとりがあきやとなったふうふのいえのなかではっけんされた。)
行方不明になっていた子供の一人が空き家となった夫婦の家の中で発見された。
(そのこどもはよほどおそろしいめにあったのかかみがろうじんのようにまっしろになり、)
その子供は余程恐ろしい目にあったのか髪が老人のように真っ白になり、
(ことばをはなせなくなっていた。)
言葉を話せなくなっていた。
(しかしじかんがたつとすこしずつ、じぶんのみになにがおきたかはなすようになった。)
しかし時間が経つと少しずつ、自分の身に何が起きたか話すようになった。
(「しんだはずのあのいえのおくさんが、こどもをさらってたべている」)
「死んだはずのあの家の奥さんが、子供を攫って食べている」
(とうぜん、だれもしんじなかった。)
当然、誰も信じなかった。
(しかしそのこどものからだにはたしかになにものかにかみつかれたようなはがたがあった。)
しかしその子供の体には確かに何者かに噛み付かれたような歯型があった。
(「それからだったかな、たけばやしをさくでかこってなかにいれないようにしたんだ。)
「それからだったかな、竹林を柵で囲って中に入れないようにしたんだ。
(いまもていきてきにえらいかんぬしさんよんでおはらいしてるみたいだが・・・)
今も定期的に偉い神主さん呼んでお祓いしてるみたいだが・・・
(たぶん、あそこはもうだめだろうなあ」)
多分、あそこはもう駄目だろうなあ」
(「そんなことがあったんだ・・・」)
「そんなことがあったんだ・・・」
(おれはあんいなきもちであのたけばやしにはたちいったことをこうかいしていた。)
俺は安易な気持ちであの竹林には立ち入ったことを後悔していた。
(けいたとすばるがたいちょうをくずしたとはいえ、4にんぶじにもどってこれたのはきせきだった。)
慶太と昴が体調を崩したとはいえ、4人無事に戻ってこれたのは奇跡だった。
(しかし、つづくそふのはなしをきいておれはぜつぼうした。)
しかし、続く祖父の話を聞いて俺は絶望した。
(「ふうふのすんでたいえもこどもがみつかってすぐにこわされた。)
「夫婦の住んでた家も子供が見つかってすぐに壊された。
(あのたけばやしにはいまはもういえはないが、ふうふのおんねんはのこっているのかもしれんな」)
あの竹林には今はもう家はないが、夫婦の怨念は残っているのかもしれんな」
(・・・いえがこわされた?いまはもういえはない?)
・・・家が壊された?今はもう家はない?
(「・・・そのふうふがすんでいたいえいがいのたてものがなかったの?」)
「・・・その夫婦が住んでいた家以外の建物が無かったの?」
(「なかったな。いちどはいったことがあるが、たてものはふうふのいえだけだったなあ」)
「無かったな。一度入ったことがあるが、建物は夫婦の家だけだったなあ」
(じゃああのとき、おれたちがみたのは・・・)
じゃああの時、俺たちが見たのは・・・
(それからすうじつご、ぴかいちからまたでんわがあった。)
それから数日後、光一からまた電話があった。