家なき子 1

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数2難易度(4.5) 3265打 長文
作者 エクトール・マロ

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(ぼくには、おとうさんもおかあさんもありません。) 僕には、お父さんもお母さんもありません。 (せけんでは、ぼくのようなこを、みなしごとよんでいます。) 世間では、僕のような子を、みなしごと呼んでいます。 (でも、やっつになるすこしまえまでは、ぼくはおかあさんがいるとばかりおもっていました。) でも、八つになる少し前までは、僕はお母さんがいるとばかり思っていました。 (というのは、ぼくがなきだすと、おんなのひとがぼくをやさしくだきしめて) と言うのは、僕が泣き出すと、女の人が僕を優しく抱きしめて (ほおずりをしてくれましたし、あそびつかれてぼくがねようとすると、) 頬ずりをしてくれましたし、遊び疲れて僕が寝ようとすると、 (かならずおでこに、おやすみのきすをしてくれました。) 必ずおでこに、おやすみのキスをしてくれました。 (とてもさむくて、なかなかねむれないよる、そのおんなのひとはごつごつしたてで) とても寒くて、なかなか眠れない夜、その女の人はごつごつした手で (ぼくのあしをつつんであたためてくれました。) 僕の足を包んであたためてくれました。 (そして、やさしくこもりうたをうたってくれたのです。) そして、優しく子守唄をうたってくれたのです。 (ぼくはそのおんなのひとを、ぼくのほんとうのおかあさんだとばかりおもっていました。) 僕はその女の人を、僕の本当のお母さんだとばかり思っていました。
(ところが、そのひとはぼくのほんとうのおかあさんではなかったのです。) ところが、その人は僕の本当のお母さんではなかったのです。 (そのことをあとからきかされて、ほんとうにおどろいてしまいました。) そのことをあとから聞かされて、本当に驚いてしまいました。 (ぼくがそれまですんでいたのは、ふらんすのちゅうぶ、しゃばのんという) 僕がそれまで住んでいたのは、フランスの中部、シャバノンという (たいへんまずしいむらでした。そこのみどりにかこまれたちいさないえでそだったのです。) 大変貧しい村でした。そこの緑に囲まれた小さな家で育ったのです。 (ぼくがほんとうのおかあさんだとおもっていたおんなのひとにはおっとがいて) 僕が本当のお母さんだと思っていた女の人には夫がいて (そのひとはほかのひとたちとおなじように、ずっとぱりにはたらきにでていました。) その人は他の人たちと同じように、ずっとパリに働きに出ていました。 (それで、ぼくはやっつになるまで、そのおとこのひとをみたことがありませんでした。) それで、僕は八つになるまで、その男の人を見たことがありませんでした。 (でも、そのおとこのひとがげんきにはたらいているらしいことは) でも、その男の人が元気に働いているらしいことは (ときどきなかまのひとがぼくのいえにたちよって「おかみさん、ぱりであんたの) 時々仲間の人が僕の家に立ち寄って「おかみさん、パリであんたの (だんなにあったよ。げんきでやっているから、あんしんしてくれっていっていたよ」) 旦那に会ったよ。元気でやっているから、安心してくれって言っていたよ」
など
(などとおしえてくれるのでわかったのです。) などと教えてくれるのでわかったのです。 (じゅういちがつのあるひのことでした。しらないおとこのひとが、とおりかかって) 十一月のある日のことでした。知らない男の人が、通りかかって (「ばるぶらんさんのいえは、ここかね?」とぼくにききました。) 「バルブランさんの家は、ここかね?」と僕に聞きました。 (ぼくがうなずくと、おとこのひとはくたびれきったように、よろよろしながら) 僕が頷くと、男の人はくたびれきったように、よろよろしながら (いえにはいってきました。) 家に入ってきました。 (ぼくたちのはなしごえをきいて、おかあさんがやってくると) 僕たちの話し声を聞いて、お母さんがやってくると (おとこのひとはだんろのまえにいき、くちをもぐもぐさせて) 男の人は暖炉の前に行き、口をもぐもぐさせて (「ぱりからのしらせをもってまいりました」と、) 「パリからの知らせを持ってまいりました」と、 (さもいいにくそうにいいました。) さも言いにくそうに言いました。 (「うちのひとに、なにかあったのですか?」おかあさんがあおくなってたずねると) 「うちの人に、なにかあったのですか?」お母さんが青くなって尋ねると (「しごとちゅう、あしばがくずれてあしをおしつぶされ、いま、びょういんにはいっているんです」) 「仕事中、足場が崩れて足を押しつぶされ、今、病院に入っているんです」 (と、おとこのひとはいいました。) と、男の人は言いました。 (「まったく、じぇろーむはうんがわるかった。でもやといぬしをさいばんしょにうったえれば、) 「まったく、ジェロームは運が悪かった。でも雇い主を裁判所に訴えれば、 (もしかしたら、ばいしょうきんをとりたてることができるかもしれません」) もしかしたら、賠償金を取り立てることができるかもしれません」 (そこで、おかあさんがびょういんにてがみをおくると) そこで、お母さんが病院に手紙を送ると (「おまえはこなくてもよい。しかしさいばんをするから、かねをおくるように。) 「お前は来なくてもよい。しかし裁判をするから、金を送るように。 (かねがないのなら、うしをうるように」といってきました。) 金がないのなら、牛を売るように」と言ってきました。 (おかあさんは、ほとんどおかねをもっていなかったので) お母さんは、ほとんどお金を持っていなかったので (かわいがっていたうしをうるよりしかたがありませんでした。) 可愛がっていた牛を売るより仕方がありませんでした。 (そして、うしをうったおかねをおっとのところにおくったのです。) そして、牛を売ったお金を夫のところに送ったのです。 (それからしばらくすると、かーにばるがやってきました。) それからしばらくすると、カーニバルがやってきました。 (いつも、このおまつりのさいごのひには、おかあさんはとてもおいしい) いつも、このお祭りの最後の日には、お母さんはとてもおいしい (あげがしをつくってくれました。) 揚げ菓子を作ってくれました。 (でも、もううしがいないのでみるくもばたーもつくれません。) でも、もう牛がいないのでミルクもバターも作れません。 (ぼくは、あげがしはたべられないものとあきらめていました。) 僕は、揚げ菓子は食べられないものとあきらめていました。 (ところがやさしいおかあさんは、ぼくのためにきんじょからこなとばたーをかりて) ところが優しいお母さんは、僕の為に近所から粉とバターを借りて (あげがしをつくるじゅんびをしてくれました。) 揚げ菓子を作る準備をしてくれました。 (「わーっ、あげがしをつくってくれるの!」ぼくがおおよろこびでさけぶと) 「わーっ、揚げ菓子を作ってくれるの!」僕が大喜びで叫ぶと (「そうよ、おちびちゃん。おまつりだというのに、おまえがあげがしを) 「そうよ、おちびちゃん。お祭りだというのに、おまえが揚げ菓子を (たべられなかったらかわいそうだもの。ことし、わたしのいえはとってもびんぼうだけどね」) 食べられなかったら可哀想だもの。今年、私の家はとっても貧乏だけどね」 (と、おかあさんはいいました。) と、お母さんは言いました。 (それから、おかあさんとぼくは、せっせとあげがしづくりにかかりました。) それから、お母さんと僕は、せっせと揚げ菓子作りにかかりました。 (ねったこながふくれてきたので、おかあさんはふらいぱんをひにかけ) 練った粉が膨れてきたので、お母さんはフライパンを火にかけ (ひとかたまりのばたーをとって、そのうえにおとしました。) ひとかたまりのバターを取って、その上に落としました。 (だいどころじゅうにばたーのこげるいいにおいがたちこめました。) 台所中にバターの焦げるいいにおいが立ち込めました。 (おかあさんが、そこへねったこなをひとすくいいれようとしたときです。) お母さんが、そこへ練った粉をひとすくい入れようとした時です。 (とつぜん、にわにあしおとがしてどあをたたくおとがしました。) 突然、庭に足音がしてドアを叩く音がしました。 (「どなた?」おかあさんがいうと、ふといつえをついてひとりのおとこのひとがはいってきました) 「どなた?」お母さんが言うと、太い杖をついて一人の男の人が入ってきました (「まつりのごちそうかね」おとこはいばったみたいにいいました。) 「祭りのごちそうかね」男は威張ったみたいに言いました。 (「まあ、じぇろーむ」おかあさんがさけびました。それからそっと、ぼくのかたをおして) 「まあ、ジェローム」お母さんが叫びました。それからそっと、僕の肩を押して (「おまえのおとうさんだよ。ごあいさつなさい」といいました。) 「お前のお父さんだよ。ごあいさつなさい」と言いました。
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