祖母のこと -6-(完)
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文
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(「ふるいはなしですし、まったくのたにんであったばあい、)
「古い話ですし、全くの他人であった場合、
(どこにいかれたのかをしらべるのはむずかしいでしょう。)
どこに行かれたのかを調べるのは難しいでしょう。
(まんぞくのいくちょうさけっかをだすことはできないかもしれませんが。)
満足のいく調査結果を出すことはできないかも知れませんが。
(それでも、わたしにいらいをされますか」)
それでも、私に依頼をされますか」
(しずかにそうつげるししょうに、よりこさんはとまどいながらひざのうえにおいた)
静かにそう告げる師匠に、頼子さんは戸惑いながら膝の上に置いた
(はんどばっくをさわっていた。)
ハンドバックを触っていた。
(そのてのひらがやがてしっかりとにぎられ、はんどばっくのうえでせいしする。)
その手のひらがやがてしっかりと握られ、ハンドバックの上で静止する。
(かすかにうわずったこえがくちびるからこぼれた。)
かすかに上ずった声が唇からこぼれた。
(「わたしにとって、そぼはそのひとです。)
「私にとって、祖母はその人です。
(えんがわのとをひらけて、いつもわたしにほほえみかけてくれた、やさしいおばあさん。)
縁側の戸を開けて、いつも私に微笑みかけてくれた、優しいおばあさん。
(たとえなまえもしらない、あかのたにんだったとしても」)
例え名前も知らない、赤の他人だったとしても」
(そこでことばをきり、ゆっくりとくちのなかでそしゃくしてからよりこさんがはっしたのは、)
そこで言葉を切り、ゆっくりと口の中で咀嚼してから頼子さんが発したのは、
(とてもおだやかなこえだった。)
とても穏やかな声だった。
(「わたしたちは、ひとりぼっちをもちよって、)
「私たちは、ひとりぼっちを持ち寄って、
(それでもひとときのしあわせをきょうゆうしていたのだとおもいます」)
それでもひとときの幸せを共有していたのだと思います」
(そうしていらいにんは、「おねがいします」とあたまをさげた。)
そうして依頼人は、「お願いします」と頭を下げた。