ハロー/時速36㎞

(ひかっている)

光っている

(とっておきのじょうねつをちるどしてく)

とっておきの情熱を　チルドしてく

(いらっとして)

イラッとして

(おもいつきのゆううつでえつにひたる)

思いつきの憂鬱で　悦に浸る

(しぬまでのいくおくびょうのなかで)

死ぬまでの幾億秒のなかで

(ひまつぶしとしてはじまっただけ)

暇つぶしとして始まっただけ

(すこしすこしもうすこしずつ)

少し　少し　もう少しずつ

(みてみぬふりしてたおわりだとか)

見て見ぬ振りしてた終わりだとか

(せまいこのまちとさんぶんと)

狭いこの町と散文と

(しゅうまつのそらのゆうやけを)

週末の空の夕焼けを

(みあげてすこしわらうきみのよこがお)

見上げて少し笑う君の横顔

(あいしていた)

愛していた

(なろうとちかったしあわせに)

なろうと誓った幸せに

(まきをくべてもやしつづけてる)

薪をくべて燃やし続けてる

(それでもなににもなれてないじぶんが)

それでも何にもなれてない自分が

(だいきらいだったんだ)

大嫌いだったんだ

(ぼくにとってはたいせつなものも)

僕にとってはたいせつなものも

(おかあさんあなたはわからないでしょう)

お母さんあなたはわからないでしょう

(ほかのだれかにりかいされないことがうれしかった)

他の誰かに理解されないことが嬉しかった

(それみてわらわれたりして)

それみて笑われたりして

(ときにはわらうがわにまわったりすることもあって)

時には笑う側に回ったりすることもあって

(そんなのださかったからきみとふたりでぬけだした)

そんなのダサかったから君と2人で抜けだした

(しゅうあけのあさのはくはくと)

週明けの朝の白々と

(おひるによやくしちゃったはいしゃ)

お昼に予約しちゃった歯医者

(なによりそれらをあいしてたあなたをあいしていた)

何よりそれらを愛してたあなたを愛していた

(もしもおれだってさいのうが)

もしも俺だって才能が

(なにかしらあってきみのこと)

何かしらあって君のこと

(かえることができりゃきえさることも)

変えることが出来りゃ消え去ることも

(なかったんじゃないかなぁ)

無かったんじゃないかなぁ

(きっとかなわぬやくそくに)

きっと叶わぬ約束に

(しおりをはさんでとじたえの)

しおりを挟んで閉じた絵の

(つづきまたいつかこのまちではじめよう)

続きまたいつかこの街で始めよう

(なんどでも)

何度でも