文学少年の憂鬱

(いっそのことどこかとおくへ)

いっその事　どこか遠くへ

(ひとりでいってしまおうかな)

一人で　行ってしまおうかな

(がっこうもともだちもばいとも)

学校も　友達も　バイトも

(なにもかもすべてなげだして)

何もかも　全て　投げ出して

(けいおうせんしはつえきひとのむれ)

京王線　始発駅　人の群れ

(さいふをおとしたおんなのこがないてる)

財布を落とした　女の子が泣いてる

(すぐにでんしゃがすべりこんできて)

すぐに電車が滑り込んできて

(せきにあぶれたひとはしたうち)

席にあぶれた人は舌打ち

(きゅうにすべてがどうでもよくなる)

急に全てがどうでも良くなる

(ぼくはつめたいひとのなかまいり)

僕は冷たい人間の仲間入り

(だれかなまえをよんでぼくの)

誰か　名前を呼んで　僕の

(とつぜんかなしくなるのはなぜ)

突然悲しくなるのは何故

(せかいをとびだしてうちゅうのかなた)

世界を飛び出して　宇宙の彼方

(ぐるぐるまわるそうぞうであそぶのさ)

ぐるぐる回る想像で遊ぶのさ

(なみだがでるまえに)

涙が出る前に

(ぼくのすきなしょうせつかきみもよみなよ)

ボクの好きな小説家　キミも読みなよ

(ずいぶんまえにじさつしたひとだけど)

随分前に　自殺した人だけど

(「はじのおおいしょうがいだった」って)

「恥の多い生涯だった」って

(「うそばかりついてすごしてた」って)

「嘘ばかりついて過ごしてた」って

(くらいやつだなとわらったけれど)

暗い奴だなと笑ったけれど

(どうしてもあたまからはなれない)

どうしても頭から離れない

(だれかこえをきかせてすぐに)

誰か　声を聞かせて　すぐに

(ひとりきりででんしゃにゆられて)

一人きりで電車に揺られて

(せんろをとびだしてつきのうらがわ)

線路を飛び出して　月の裏側

(てんまでのぼれそしてきみがいた)

天まで昇れ　そしてキミがいた

(あのひへぎゃくもどり)

あの日へ逆戻り

(「はいけいぼくはあなたのように)

「拝啓　ボクハ　アナタノヨウニ

(いつかどこかでしんでしまうのでしょうか」)

イツカドコカデ　死ンデシマウノデショウカ」

(はじのおおいしょうがいだったって)

恥の多い生涯だったって

(うそばかりついてすごしてたって)

嘘ばかりついて過ごしてたって

(でもあなたのようにはなれないよ)

でも　アナタのようにはなれないよ

(ぼくはぶんがくすきなただのひと)

ボクは文学好きな　ただの人

(だれかなまえをよんでぼくの)

誰か　名前を呼んで　僕の

(とつぜんかなしくなるのはなぜ)

突然悲しくなるのは何故

(せかいをとびだしてそらのうえまで)

世界を飛び出して　空の上まで

(おねがいなにもかもをふりきって)

お願い　何もかもを振り切って

(はしりぬけていけ)

走り抜けて　行け